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社会保険労務士法人エンジー
地下鉄名城線 東別院駅 徒歩1分
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営業時間 平日:8:30-17:30
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公開日 2026/02/25
最終更新日 2026/03/02
みなさん、こんにちは!
社会保険労務士法人エンジーでは、介護施設や障害福祉サービスを運営している事業者様に向けて、実務に役立つ情報を中心に発信しています。
障害福祉サービスや障害児通所支援の指定申請について、こんな声をよく耳にします。
こうした状況に直面すると、「何か書類が足りなかったのでは?」と考えてしまいがちですが、実は指定申請でつまずく理由の多くは、《書類の不足》そのものではありません。
よくある原因を紐解いていくと、書類同士の内容がうまくかみ合っていなかったり、行政側が審査の中で確認したいポイントが文章から読み取れなかったり、あるいは自治体ごとに定められた運用ルールを見落としていたり…。こういった実務上の「ズレ」が積み重なっているケースがほとんどです。
指定申請では、その書類から、指定基準を満たしている状態がきちんと伝わるかという点が重視されます。
この記事では、障害福祉・障害児分野の指定申請を数多く支援してきた立場から、国が示す標準様式をどう捉え、どう使うべきなのかという考え方をはじめ、差し戻しが起こりやすい添付書類について、実際のNG例・OK例を交えながら、できるだけ分かりやすく解説していきます。
障害福祉サービスや障害児通所支援の指定申請では、こども家庭庁や厚生労働省が、指定申請に用いる標準様式や記載例を公表しています。
初めて指定申請に取り組む事業者の方ほど、「国が出している様式なのだから、この通りに書けば大丈夫だろう」と考えてしまいがちですが、ここには大きな落とし穴があります。
実務の現場で強く意識しておきたいのは、標準様式は完成した申請書ではなく、共通の型であるという点です。
国の様式は、全国どの自治体でも最低限そろえておくべき項目を整理したものであり、言い換えると、「ここから先は各自治体で判断します」という前提で作られています。
そのため、同じ様式を使っていても、書き方や補足の仕方によって、審査結果に差が出ることは珍しくありません。
たとえば、実際によくあるケースとして、
国の様式どおりに人員配置や勤務時間を記載して提出したところ、「この記載だけでは、指定基準を満たしているか判断できません」として差し戻しになった
というケースがあります。
このように、事業者側としては、「様式で書きなさいと言われていることは、すべて書いた」という認識でいても、行政側から見ると《判断に必要な情報が足りない》という評価になってしまうことがあるのです。
このズレが生じる理由は、
国の様式が「全国共通の最低限」を示すものであり、
実際の審査では、自治体ごとの運用や考え方が反映されるからです。
指定申請の審査を実際に行うのは、都道府県や政令市などの指定権者である自治体です。
そのため、実務上は「国の様式を使っているかどうか」だけでは不十分で、自治体が公表している申請マニュアルや説明会資料の考え方に沿っているかという点が、非常に重視されます。
たとえば、自治体のマニュアルでは、
といった情報が、具体的に示されていることがあります。
実務的には、
国の様式を骨組みとして使い、
自治体ルールで肉付けする
というイメージで考えると分かりやすいでしょう。
国の様式と自治体マニュアル、この両方を踏まえたうえで初めて審査に耐えうる申請書類になるということをおさえておきましょう。
指定申請を進める際、多くの事業者の方はまず、国の通知や解釈資料、国が示している標準様式や記載例といった情報から確認し始める傾向があります。
もちろん、これらは指定申請の全体像を理解するうえで欠かせない資料です。
ただし、実務の現場で「本当に最優先で読むべき資料は何か」と言われれば、それは間違いなく自治体が公表している指定申請マニュアルや説明会資料です。
その理由は、自治体マニュアルは単に手続きの案内ということではなく、実際の審査がどのような考え方で行われるのかを示した設計図だからです。
自治体マニュアルには、単に提出書類の一覧が書かれているだけでなく、審査する側の視点がさりげなく反映されています。
たとえば実際のケースとして、
国の標準様式と記載例を丁寧に確認し、必要書類もすべてそろえて申請したにもかかわらず、「自治体マニュアルで求めている補足説明が書かれていない」 という理由で差し戻しになった。
という事例は少なくありません。
自治体側から見ると、国の様式を満たしただけの情報では、その自治体における指定基準を満たしているかどうか判断できないとされることがあります。
ここで見られているのは、国の様式上の基準ではなく、自治体ごとの運用ルールに沿って指定基準に適合しているかどうかです。
また、自治体マニュアルには、説明会資料やQ&Aとセットで読むことで初めて見えてくる、暗黙の前提のようなものが含まれている場合もあります。
たとえば、
こうしたポイントは、国の通知や様式だけを見ていても、なかなか読み取れません。
そういった意味で、自治体マニュアルは「一度目を通して終わり」にする資料ではなく、申請書類全体を組み立てるための設計図として、何度も行き来しながら使う資料と捉えることが重要です。
指定申請をスムーズに進めるためには、国の資料で全体像を押さえたうえで、自治体マニュアルを軸に書類を組み立てていく。
この順番を意識するだけでも、差し戻しや修正のリスクは大きく下げることができます。
愛知県の指定申請では、複数の書類を突き合わせながら、整合性が取れているかを非常に丁寧に確認される傾向にあります。
「それぞれの書類単体では問題なさそうに見えるのに、
全体で見るとズレている」…
この状態が、修正や差し戻しにつながる代表的なパターンです。
ここからは、愛知県で特に多いチェックポイントを、実際によくあるケースを交えながら見ていきます。
愛知県の審査でまず重視されるのが、書類全体として人員基準を満たしているかどうかです。
具体的には、次のような書類が必ず突き合わせて確認されます。
これらのどこか一か所でも数字や表現がズレていると、「基準を満たしているか判断できない」として修正を求められることがあります。
たとえば、次のようなケースです。
それぞれの書類だけを見ると、大きな間違いがあるようには見えません。
しかし、行政側からすると、「実際の勤務時間は40時間なのか、32時間なのか」 といった点が判断できず、結果として修正対象になります。また、書類によって同じ人が、常勤・専従と常勤・兼務と異なった表記の場合も同様です。
このような場合は、
といった形で、どの書類を見ても同じ状態が読み取れるように整える必要があります。
もう一つ、愛知県で非常に差し戻しが多いのが、実務経験証明書の記載内容です。
ありがちな記載として、次のようなものがあります。
一見すると問題なさそうですが、この書き方では、どのサービス種別での経験なのか、指定基準で求められている業務内容に該当するのか、行政側が判断できません。
定基準で求められているのは、単なる在籍期間ではなく、一定の業務に実際に従事していたかです。
そのため、「年数は足りているが、内容が読み取れない」という場合、愛知県では特に慎重な判断がされる傾向があります。
このように、サービス種別と具体的な業務内容を明示することで、 指定基準との対応関係が読み取りやすくなり、差し戻しのリスクを下げることができます。
愛知県の指定申請では、一つひとつの書類の正確さとともに、より書類全体を通して、同じ事業所像が浮かび上がるかという点が重視されます。
そのため、様式は合っているのに、なぜか修正になるという場合は、書類同士の整合性をあらためて見直してみることが重要です。
ここまで見てきたように、指定申請では期限までに提出するという点は前提として、準備段階でどれだけ中身を詰めることができているかが結果を大きく左右します。
その差が、もっとも分かりやすく現れるのが、添付書類の差し戻しです。
ここからは、実際の指定申請で特に差し戻しが多い書類について、「なぜ引っかかるのか」「どう直せばよいのか」を、具体的なケースを交えながら整理していきます。
例「○年○か月、障害福祉事業所に勤務
業務内容:支援業務全般」
一見すると問題なさそうですが、この書き方では、行政側が重要視しているポイントが読み取れません。
指定基準で確認されるのは、単なる在籍期間ではなく、どのサービスで、どのような業務に従事していたかです。
障害福祉サービスとしての実務なのか、申請するサービス種別と対応する経験なのか、これが読み取れない場合、「年数は足りていても、経験としては判断できない」という扱いになることがあります。
(例)「生活介護事業所において、利用者支援計画に基づく直接支援、
支援記録の作成、関係機関との連絡調整業務に従事」
このように、サービス種別、具体的な業務内容を明記することで、指定基準との対応関係が明確になり、差し戻しのリスクを下げることができます。
(例)「管理者とサービス管理責任者を兼務しますが、業務に支障はありません。」
行政が確認したいのは、本当に両立できる体制なのか、業務をどう切り分けているのか、また、不在時の対応はどうなっているのかといった、実際の運営イメージです。
例にある抽象的な内容では、これらのポイントをおさえることができません。
(例)管理者とサービス管理責任者を兼務しますが、午前中は主に利用者支援および個別支援計画の作成・モニタリングを担当し、午後の時間帯に管理業務(職員の勤務調整、書類確認、連絡調整等)を行う体制としています。業務時間内で役割を明確に区分することで、両業務を無理なく遂行できる体制を整えています。
上記の例のように、
これらを簡潔にでも言語化することで、兼務であっても問題ない体制であることが伝わりやすくなります。
(例)他法人の役員を兼務していますが、本事業所の運営に支障はありません。
これでは、他法人での役割が不明確で、利益相反がない理由が説明されていません。
(例)申請者は、他法人(法人名:○○株式会社)において役員を兼務していますが、当該法人における業務内容は、月数回の経営会議への参加および決裁確認に限られており、日常的な業務執行や現場運営には関与していません。そのため、本申請事業所の運営に支障を及ぼすものではありません。
他法人での業務内容や関与の度合い、 簡潔でもよいので、本申請事業所の運営に支障がない理由を、言語化しておくことが重要です。
運営規程は、他事業所のものを流用していたり、インターネット上の雛形をそのまま使っているケースが非常に多く見られます。
(例)本事業所には、管理者1名、サービス管理責任者1名、生活支援員2名を配置する。
実際の人員配置と合っていない、申請している提供時間と食い違っているといった場合、実態と整合性のない規程と判断され、修正を求められます。
(例)本事業所には、管理者1名およびサービス管理責任者1名を配置する。なお、管理者とサービス管理責任者については、指定基準の範囲内において兼務とする。また、生活支援員については、常勤職員および非常勤職員を配置し、指定基準を満たす人員体制を確保する。
運営規程は、事業所の運営方針そのものを示す書類であることを意識することが重要です。
申請書類全体と、必ず突き合わせること、「この事業所の規程」になっているかを確認するようにしましょう。
※これらはあくまでも一例です。実際には、指定権者や個々の状況によって異なりますので、ご了承願います。
指定申請は、単に書類を集めて提出する作業ではありません。
本質的には、指定基準を満たす体制が本当に整っていることを、行政に書類で説明する作業です。
国の様式を使っているか、必要書類がそろっているかだけでは足りず、人員配置、勤務時間、役割分担、運営体制などが、すべての書類で一貫して読み取れるかどうかが審査では見られています。
社会保険労務士法人エンジーでは、
など、指定申請の実務に即した支援を行っています。
(参考資料)
この記事は以下の資料を参照し作成しています。
公開日 2026/02/18
最終更新日 2026/03/12

事業所の運営自体は、比較的安定している方だと思っています。
職員との面談もしていますし、日々の記録などもきちんと残しているつもりでした。
ただ、介護と障害の制度は似ている部分もある一方で、細かいところでは違いも多く、
「この対応で本当に大丈夫なのかな」と思うことは正直ありました。
現場としては問題なく運営しているつもりでも、
行政の基準として見たときにどう評価されるのかというのは、
自分たちだけでは判断が難しい部分があります。
制度改定の話もよく出てきますし、
「このままで問題ないのかな」と感じる場面は、やはり時々ありましたね。
それと、職員との面談などは行っていたのですが、
それが運営として十分なのか、どこを押さえておけばよいのかという点は少し気になっていました。
正直に言うと、それまで社労士の先生に対しては
「手続きのときにお願いする専門家」というイメージが強く、
そこまで運営の相談をする存在という認識ではありませんでした。
なので最初は、「実際どんな感じなんだろう」という気持ちもありました。
ただ、実際にお話をしてみると、制度の説明だけではなく、
「こういうところはこう見られることが多いですね」
「ここはこう整理しておくと安心ですよ」
といった形で、運営の目線に近い話をしていただいたのが印象に残っています。
「あ、こういう相談もできるんだな」と思いましたし、
それまで持っていた社労士の印象が、いい意味で変わりました。
「迷ったときは相談してください」と言っていただいたこともあり、
制度のことだけではなく、運営のことも含めて相談できるなら心強いと思い、
お願いすることにしました。
一番大きいのは、
「これどうなんだろう」と思ったときに相談できることですね。
自分たちだけで考えていると、判断に迷うこともありますし、
そのまま悩んだままになってしまうこともあります。
そういうときに、
「この場合はこう考えれば大丈夫ですよ」
「ここを押さえておけば安心ですね」
といった形で方向性を示してもらえるので、
安心して運営できるようになったと感じています。
制度の説明も、難しい話というより、
**「実際の運営ではここがポイントになります」**という形で整理していただけるので、
日々の運営の中で意識することが分かりやすくなりました。
例えば、制度の違いや運営基準の考え方について相談した際にも、
「ここを押さえておけば大丈夫ですよ」と具体的に整理していただき、
自分たちの運営の方向性に自信が持てるようになったのは大きかったと思います。
それから、コアバリューの整理を一緒にしていただいたことも印象に残っています。
理念自体は以前からありましたが、日々の業務の中ではどうしても意識する機会が少なく、
少し抽象的になっていた部分もありました。
コアバリューとして言葉を整理していく中で、職員同士の会話でも
「それ、うちの考え方っぽいよね」
「こういうところは大事にしたいよね」
といった話が自然と出るようになり、
少しずつですが、考え方が共有されてきている実感があります。
制度面でのサポートだけではなく、
運営のことも含めて相談できるので、その点はとてもありがたいですね。
公開日 2026/01/22
社会保険労務士法人エンジーでは、介護施設や障害福祉サービスを運営している事業者様に向けて、実務に役立つ情報を中心に発信しています。
今回のブログでは、障害福祉サービスの「新規指定申請」について、愛知県・名古屋市それぞれの運用を踏まえながら、ポイントを整理し、疑問を解消するためのガイドとしてまとめました。
このような方へ向けて、申請のタイミングや全体スケジュール、愛知県版・名古屋市版それぞれの提出先や手数料の違い、さらに、つまずきやすいポイントの記載例まで、実務目線で分かりやすく解説しています。
これから指定申請を進める方はもちろん、準備の進め方に不安を感じている方も、ぜひ最後までご覧ください。
障害福祉サービスを新たに開始するためには、事業所ごと・サービス種別ごとに「指定申請」を行い、 行政から正式な指定を受ける必要があります。この手続きを「新規指定申請」といいます。
申請の手続きにおいて必要な情報は、単に「法人がある」「人を雇った」「物件を借りた」という事実だけでは足りません。
以下の点について、障害者総合支援法および関係法令・基準を満たしているかを、書類と図面を通じて総合的に審査されます。
特に障害福祉サービスでは、利用者の特性や支援内容が多様であるため、「実際にどのような支援を行うのか」が重視されやすい傾向があります。
介護保険サービスの指定申請と似ている部分もありますが、考え方や、審査においてみられるポイントが異なります。
「介護と同じ感覚」で進めると
差し戻しが発生しやすいことも。
障害福祉サービスの新規指定申請でよくある失敗が、動き出すタイミングが遅かったというものです。
指定申請は、開設したい月の直前に出せばよいというものではありません。実務上は、事業開始希望日の3~4か月以上前から準備を始めるケースが一般的です。
理由としては、
といった点が挙げられます。
また、指定が取れてから物件契約や人材採用について考えることは現実的に難しく、一方で、指定が取れるか分からない状態で大きな投資を行うのもリスクがあります。
そのため、申請スケジュールを逆算し、段階的に準備を進めることが重要です。
障害福祉サービスの新規指定申請は、提出したらすぐ始められるものではありません。
指定申請は、事業運営の実態が整っているかを段階的に確認していく手続きであり、準備不足のまま進めると、補正や差し戻しによって想定以上に時間を要することがあります。
一般的な流れは、以下のとおりです。
事業内容やサービス種別が適切か、物件や人員配置に問題がないかを事前に確認します。この段階での認識のズレが、後工程での大きな修正につながることも少なくありません。
設備基準を満たしているか、動線や専用スペースの確保が可能かなど、障害福祉サービス特有の視点で確認します。
管理者やサービス管理責任者、支援員など、基準を満たす人員体制を現実的に構築できるかが問われます。
平面図をもとに、各室の用途や面積、配置が基準に適合しているかを整理します。
運営規程や勤務体制一覧表など、事業所の運営実態が読み取れる書類を作成します。
すべての書類が整った段階で、指定権者へ申請を行います。
提出書類をもとに、基準適合性や記載内容の整合性が確認されます。
記載内容の不足や不明点について、修正・追加説明を求められることがあります。この対応のスピードと内容が、指定時期に大きく影響します。
実際の事業所を確認し、書類内容と現場が一致しているかをチェックします。
すべての審査が完了すると、指定通知が交付されます。
指定日以降、正式に障害福祉サービス事業を開始することができます。
このように、新規指定申請は一連のプロセス全体で評価される手続きです。特に、書類提出後に行われる補正対応は、単なる形式修正ではなく、「事業として本当に成り立つか」を確認する重要な工程と位置づけられています。
そのため実務上は、補正対応をいかに迅速かつ的確に行えるかが、指定時期を左右する大きな要因となります。
愛知県内で障害福祉サービスを新たに開設する場合、事業所の所在地によって「指定権者」が異なるという点は、最初に必ず押さえておきたいポイントです。
具体的には、名古屋市内に事業所を設置するか、それ以外の市町村に設置するかによって、申請の提出先や運用ルールが変わります。
制度上は、愛知県も名古屋市も同じ「障害福祉サービスの指定申請」ですが、実務の現場では、「どの書類を、どのタイミングで、どの程度の完成度で求められるか」といった点に違いが見られます。
これは、障害福祉サービスの指定権限が、
にそれぞれ委任されており、各指定権者が国の基準(障害者総合支援法・関係省令・通知)を前提にしながら、地域の実情に応じた運用を行っているためです。
以下は、これから新規指定申請を進める際に、愛知県と名古屋市を比較する形で、指定権者ごとにそれぞれで注意すべきポイントをまとめたものです。
| 項目 | 愛知県 | 名古屋市 |
| 所管エリア |
名古屋市・岡崎市・一宮市・豊田市・東三河地区を除く、愛知県内の市町村に所在する障害福祉サービス事業所 |
名古屋市内に所在する障害福祉サービス事業所 |
|
主な提出先 |
愛知県 福祉局 障害福祉課 または 各地域の福祉事務所(サービス種別・地域により異なる) |
名古屋市 健康福祉局 障害福祉課(指定・指導担当) |
|
主な提出方法 |
原則、電子申請・届出システムを利用。サービス種別や状況により、紙提出や事前持参を求められることもあるため、事前相談で確認が必要 |
申請書類一式を原則書面で提出。その後、電話や面談で内容確認を行うケースが多く、書類の完成度が低いと受理前に差し戻されることがある |
|
提出期限の目安(新規指定) |
原則、指定希望月の前々月10日までに申請。補正対応が長引くと、指定月が翌月以降にずれる可能性がある。 |
原則、指定希望月の前々月10日頃までに申請書類一式を提出。月内に補正対応を完了し、前月末までに審査完了が求められる運用 |
|
指定日 |
原則、毎月1日付指定。月途中指定は不可 |
原則、毎月1日付指定。月末までに受理・審査完了したものが対象 |
|
手数料(障害福祉サービス) |
新規指定:1件あたり30,000円更新指定:1件あたり10,000円※サービス種別ごとに発生 |
新規指定:1件あたり30,000円更新指定:1件あたり10,000円※金額水準は愛知県と同様 |
|
手数料の支払い方法 |
愛知県収入証紙 または 電子申請システム上での納付(キャッシュレス)。納付方法を誤ると申請が受理されないことがある |
名古屋市が指定する方法で納付。原則、申請と同時に納付が必要(詳細は市の手数料案内を参照) |
|
実務上の注意点 |
書類の形式や整合性が重視される傾向。補正対応で調整されるケースもあるが、提出時点での完成度は重要 |
事前相談の内容が書類審査に強く反映される傾向。初回提出時の完成度が低いと、受理前に差し戻されやすい |
|
チェックポイント |
事業所所在地に基づく指定権者を正しく把握しているか。指定希望日から逆算した提出期限・手数料の支払方法を事前に確認しているか |
愛知県と同様だが、特に事前相談を踏まえた書類内容になっているか、最新版様式を使用しているかの確認が重要 |
愛知県内で障害福祉サービス事業所を開設する場合、名古屋市以外の市町村に事業所を設置するケースでは、愛知県が指定権者となります。
この場合、申請書類は愛知県に提出することになり、実際の窓口は、愛知県福祉局障害福祉課、または事業所所在地を管轄する福祉事務所、放課後等デイサービスや児童発達支援は子ども福祉課となります。
ここで注意したいのは、法人の本店所在地ではなく、あくまで事業所の所在地で指定権者が決まるという点です。
同じ法人であっても、
と、申請先が変わります。
事業所の基本情報やサービス内容を記載する、申請の中心となる書類です。
居宅介護、生活介護、就労継続支援など、サービス種別ごとの人員配置や提供体制を具体的に示します。
事業所の運営方針、支援内容、苦情対応、事故時対応などを定める重要書類で、実際の運営イメージが伝わるかどうかが重視されます。
職員ごとの役割、常勤・非常勤の別、勤務時間を整理し、人員配置基準を満たしていることを示します。
サービス管理責任者や支援員など、配置基準上必要となる資格・研修修了を証明する書類です。
記載されている勤務時間や職務内容が、勤務体制一覧表と一致しているかが確認されます。
事務室、相談室、訓練室などの配置や面積が、設備基準を満たしているかを確認するための資料です。
法人の実在性や事業目的を確認するために提出します。
手数料はサービス種別等により異なりますが、以下のような基準が設けられています。
|
新規指定 |
30,000円(1回あたり) |
|
更新指定 |
10,000円(1回あたり) |
※複数サービスを同時に申請する場合は、申請件数に応じた手数料が必要になります。
審査期間については、申請書類の提出から指定まで、おおむね2〜3か月程度が目安とされています。
ただし、これはあくまで「補正が比較的スムーズに進んだ場合」の目安であり、書類の不備や説明不足があると、補正対応に時間がかかり、指定時期が後ろ倒しになることも少なくありません。
そのため、愛知県版の指定申請では、補正対応を重ねながら調整していくケースが比較的多くみられるため、スケジュールに余裕をもって進めることが重要です。
名古屋市内に障害福祉サービス事業所を設置する場合、名古屋市が指定権者となり、申請書類は名古屋市へ提出します。
具体的な窓口は、名古屋市健康福祉局障害福祉課(指定・指導担当)、放課後等デイサービスや児童発達支援は子ども福祉課となります。
ここで押さえておきたいのは、愛知県内であっても、名古屋市は政令指定都市として独自に指定権限を持っているという点です。
そのため、愛知県向けに作成した書類や進め方を、そのまま名古屋市に当てはめることはできません。
事業所の基本情報や提供予定のサービス内容を整理し、名古屋市に対して指定を申請するための中心となる書類です。
居宅介護、生活介護、就労継続支援など、各サービスについて、人員配置や提供体制を具体的に示します。
事業所の運営方針、支援内容、苦情対応、事故発生時の対応などを定める書類で、名古屋市では「実際の運営がイメージできるか」という観点で確認されやすい書類です。
職員ごとの役割、勤務時間、常勤・非常勤の別を整理し、人員配置基準を満たしていることを説明します。
サービス管理責任者や支援員など、配置が義務付けられている職種について、資格や研修修了を証明する資料です。
勤務体制一覧表と内容が一致しているかが確認され、名古屋市では記載内容の整合性を細かく見られる傾向があります。
事業所内の各室の用途や配置が、設備基準を満たしているかを確認するための資料です。
法人の実在性や事業目的を確認するために提出します。
名古屋市で障害福祉サービスの新規指定申請を行う場合も、申請手数料の納付が必要となります。
|
新規指定 |
30,000円(1回あたり) |
|
更新指定 |
10,000円(1回あたり) |
愛知県と同様の金額水準ですが、納付方法や納付のタイミングについては、名古屋市が指定する方法に従う必要があります。
申請書類の提出と同時に納付が求められるケースも多いため、事前に手数料の支払い方法を確認しておかないと、申請が受理されない、または手続きが止まってしまう可能性があります。
名古屋市における新規指定申請の審査期間は、申請から指定までおおむね2〜3か月程度が目安とされています。この点は、愛知県と大きく変わりません。
ただし、名古屋市では、初回提出時の書類の完成度が特に重視されやすいという特徴があります。
事前相談で確認された内容が、申請書類に十分に反映されていない場合、受理前の段階で差し戻しや大幅な修正を求められることもあります。
障害福祉サービスの新規指定申請では、単に様式を埋めるだけでなく、この事業所が、
が書類全体から一貫して読み取れることが重要です。
指定申請書/サービスごとの付表/運営規程について、 見られるポイントと具体的な書き方例の順で整理します。
指定申請書は、事業所の全体像を指定権者に伝えるための起点となる書類です。ここでの記載内容が、他の書類の前提になります。
登記上の法人名ではなく、事業所として使用する正式名称を記載します。
(例)「障害福祉サービス事業所〇〇」
※平面図・運営規程・付表すべてで表記を統一します。
建物名・部屋番号まで省略せずに記載します。
(例)「愛知県〇〇市〇〇町1丁目2番3号 △△ビル2階」
希望日ではありますが、提出期限・補正期間を考慮した現実的な日付を設定します。
付表は、サービス種別ごとの人員配置・提供体制を説明する書類で、実務的な中身を最も細かく見られるパートです。
配置基準を満たしていることが、勤務形態とあわせて分かるように記載します。
(例)「サービス管理責任者 1名(常勤・週40時間勤務)」
※勤務体制一覧表・雇用契約書と一致させます。
常勤・非常勤の別と、実際の配置時間が分かるようにします。
(例)「支援員 常勤1名(週40時間)、非常勤2名(各週20時間)」
単に「兼務あり」と書くのではなく、どの業務と兼務しているのかを明示します。
(例)「管理者はサービス管理責任者を兼務する」
運営規程は、この事業所の考え方・支援の姿勢・運営ルールを文章で示す書類です。
定型文だけではなく、事業所の特徴が伝わる表現が求められます。
(例)
本事業所は、利用者の意思および人格を尊重し、利用者の立場に立った指定障害福祉サービスの提供に努めるものとする。また、障害者総合支援法および関係法令を遵守し、利用者が地域において自立した日常生活または社会生活を営むことができるよう、個々の障害特性や生活状況に応じた支援を行う。
※「誰に・何を目指して支援するのか」が読み取れる構成にします。
(例)
本事業所は、サービス管理責任者が作成する個別支援計画に基づき、 利用者一人ひとりの心身の状況および生活環境を踏まえた支援を行う。 支援内容については、定期的に見直しを行い、必要に応じて関係職員間で協議のうえ、改善を図る。
※計画 → 実施 → 見直しの流れが分かる表現が望ましいです。
(例)
利用者およびその家族からの苦情については、苦情受付担当者を定め、書面または口頭により受け付けるものとする。受け付けた苦情については、速やかに事実確認を行い、対応内容および結果を記録し、再発防止に活用する。
※「誰が・どう受けて・どう処理するか」を具体的に示します。
「適切に」「必要に応じて」だけでなく、誰が関わり、どんな流れで行うのかを一文足すと評価されやすくなります。
運営規程・付表・勤務体制一覧表は、同じ内容を違う角度から説明している書類です。
数字・役割・名称は必ず揃えます。
障害福祉サービスの新規指定申請では、基準そのものは把握できていても、どこまで具体的に書けばよいのか分からないという理由で、補正や差し戻しにつながるケースが少なくありません。
特に迷いやすいのが、人の動き/役割分担/外部との関係性といった、実際の運営を文章で説明する必要がある部分です。
以下のようなポイントは、「どこまで書けばよいか分からない」と迷いやすい内容です。
これらに共通して言えるのは、 実際の運営を想像できるかどうかが判断基準になる、という点です。
管理者やサービス管理責任者が、他の職務と兼務している場合、単に「兼務あり」と記載するだけでは不十分とされることがあります。指定権者が確認しているのは、「その兼務体制で、実際に必要な業務が回るのか」という点です。
(例)
管理者は、サービス管理責任者を兼務する。
管理者業務については主に事業所運営全般の統括を行い、サービス管理責任者としては、個別支援計画の作成および支援内容のモニタリングを担当する。
どの職務と兼務しているのか、それぞれの役割が時間的・業務的に両立するかが読み取れることが重要です。
非常勤職員が多い場合、合計すれば基準を満たしているという考え方だけでは、実務上の運営がイメージしにくくなります。指定権者は、実際にどの時間帯に、誰が配置されているのかを確認しています。
(例)
非常勤支援員2名を配置し、平日9時から13時、13時から17時の時間帯に分けて勤務させる。
常勤職員が不在となる時間帯が生じないよう、常勤支援員と組み合わせた配置とする。
曜日や時間帯が分かること、常勤職員との役割分担が見えることがポイントです。
支援内容について、「個別支援計画に基づき支援を行う」とだけ記載すると、内容が抽象的で、補正を求められることがあります。重要なのは、どのような場面で、どのような支援を想定しているのかが 文章から伝わることです。
(例)
利用者の生活状況や障害特性を踏まえ、日常生活動作の支援や社会参加に向けた支援を行う。支援内容については、定期的に職員間で共有し、必要に応じて個別支援計画の見直しを行う。
日常的な支援の場面を想定すること、支援の流れが分かるようにすることがポイントです。
医療機関や相談支援事業所、地域の関係機関との連携についても、連携すると記載するだけでは具体性に欠けます。指定権者が見ているのは、困ったときに、実際に誰と、どう連絡を取るのかという点です。
(例)
利用者の支援にあたり、必要に応じて相談支援事業所や医療機関と情報共有を行う。
支援上の課題が生じた場合には、関係機関と連絡を取り、支援方針の調整を行う。
連携先の種類、連携の場面や方法が分かるように記載します。
書類作成を進めていくうえで迷ったときの判断基準は、この文章を読んだ第三者が、実際の運営を想像できるかどうかです。
指定申請では、完璧な表現よりも、
運営の実態に即した、無理のない説明が重視されます。
その視点で書類全体を見直すことで、補正のリスクを大きく減らすことができます。
A.介護事業の経験があること自体は、大きな強みになりますが、同じ感覚で進めると、指定申請がスムーズに進まないケースは少なくありません。
障害福祉サービスでは、厚生労働省が示す障害者総合支援法の考え方に基づき、「利用者一人ひとりの障害特性に応じた支援体制が取れているか」という点が、より重視される傾向があります。
A.原則として、事前相談を行い、設備基準を確認したうえで契約するのが安全です。
障害福祉サービスでは、事務室や相談室の配置、動線、専用スペースの確保など、サービス種別ごとに設備基準が定められています。
内装工事をすれば何とかなると思って契約したものの、構造上の理由で基準を満たせず、別物件を探し直すことになったケースも実際にあります。
A.事業開始希望日の少なくとも2〜3か月前から準備を始めるのが一般的です。書類作成だけでなく、
事前相談、補正対応、実地確認といった工程を加味してスケジュールを設定しましょう。
A.補正対応で最も多いのは、書類同士の整合性が取れていないケースです。
例えば、
といった点は、よく指摘されます。
そのため、指摘された箇所だけを直すのではなく、関連する書類全体を見直すことが、結果的に早期指定につながります。
□ 事業所所在地に基づく指定権者(愛知県/名古屋市)を正しく把握しているか
□ 最新の申請要領・様式(愛知県/名古屋市)を確認・入手しているか
□ 事前相談を実施し、指摘事項や確認内容を整理できているか
□ 指定希望日から逆算した申請スケジュールを立てているか
□ 管理者・サービス管理責任者・支援員の配置基準を満たしているか
□ 兼務職員がいる場合、役割分担と勤務時間が無理のない体制になっているか
□ 非常勤職員を含め、実際の勤務時間帯に人員が配置されているか
□ 物件・設備がサービス種別ごとの設備基準を満たしているか
□ 運営規程・付表・勤務体制一覧表・雇用契約書の内容が一致しているか
□ 手数料の金額・支払方法・納付タイミングを事前に確認しているか
このチェックを行うだけでも、
差し戻しのリスクを大きく下げることができます。
障害福祉サービスの新規指定申請は、単なる事務手続きではなく、事業運営そのものを設計するプロセスです。
愛知県と名古屋市では、同じ制度でも運用に違いがあるため、地域特性を踏まえた準備が欠かせません。厚生労働省が示す方向性にもあるように、今後は「人がいるか」だけでなく、持続可能な運営体制がより重視されていきます。
指定申請の段階から、その後の運営を見据えた整理を行うことが、結果的にスムーズな開設と安定運営につながります。
社会保険労務士法人エンジーでは、
まで、実務に即したサポートを行っています。
(参考資料)
この記事は以下の資料を参照し作成しています。
【厚生労働省】
【愛知県】
【名古屋市】
公開日 2026/01/16
最終更新日 2026/01/21
みなさん、こんにちは!
社会保険労務士法人エンジーでは、介護施設や障害福祉サービスを運営している事業者様に向けて、様々な情報を発信しています。
新規指定やサービス追加の指定申請。
いざ手続きを始めようとすると、「指定申請書、付表、運営規程、勤務表、図面…」と、書類の多さに圧倒された経験はありませんか?
特に、
など、こうしたケースでは、何から始めればいいのか分からない」こと自体が最大のストレスになってしまいます。
この記事では、指定申請の初動で必ず押さえるべき3ステップと、各ステップで確認しておきたいポイントをチェックリストでまとめました!
ぜひ最後までご覧ください!
指定申請で混乱してしまう担当者の多くは、 書類の書き方そのものではなく、準備の進め方が整理されていない状態で作業を始めてしまっています。
「とりあえず作れそうな書類から手をつける」「分かるところだけ先に進める」こうした進め方は一見効率的に見えますが、後から書類の追加や修正が発生しやすく、結果的に遠回りになりがちです。
そこでまず意識したいのが、書類作成に入る前におさえておきたい3つのステップです。
この順番を意識するだけで、指定申請の進めやすさは大きく変わります。
一般的に、指定申請の際の準備は、以下の順番で考えることができます。
指定申請に着手する際、最初にやるべきことは「書類を作ること」ではありません。まずは、何が必要なのかをすべて把握し、全体像を見える状態にすることです。
指定申請では、自治体ごと・サービス種別ごとに求められる書類が異なります。
そのため、書類作成をしている最中に、さらに必要な書類があることに後から気づいてしまうケースが少なくありません。
こうした混乱を防ぐためにも、最初の段階で、指定申請書、付表、運営規程、勤務体制表、平面図など、提出が求められる書類名を一通り洗い出しておくことが重要です。
この時点では、内容を理解しきれていなくても問題ありません。
大切なのは、これだけの書類が必要なんだという
ボリューム感を把握できている状態をつくることです。
次に行いたいのが、洗い出した書類を、ゼロから作る必要があるものと既存資料をベースに対応できるものに分ける作業です。
指定申請というと、すべての書類を一から作成しなければならないように感じますが、実際には、法人情報や既存サービスで使用している書類など、必要に応じて内容を一部修正することで対応できるものも少なくありません。
一方で、 サービス追加や新規指定により 運用内容そのものが変わる部分については、慎重な作成が必要になります。
特に、訪問介護計画書や勤務体制に関わる書類は、 実態と合っていないと修正指示が入りやすいポイントです。
この段階で、どの書類に時間をかけるべきか、どの書類は効率よく進められるかを整理しておくことで、作業の優先順位がはっきりします。
最後に欠かせないのが、提出日を起点にしたスケジュール設計です。
指定申請は、書類を提出して終わりではありません。
提出後に、表現の修正や追加資料の提出を求められることも多く、一定のやり取りが発生することを前提に進める必要があります。
そのため、提出期限ギリギリに書類が完成したり、管理者や代表の確認が後回しになるような進め方は、リスクが高くなります。
提出日から逆算し、初稿の完成日や内部確認のタイミング、修正対応の余裕期間をあらかじめ組み込んでおくことで、慌てることなく落ち着いて申請準備を進めることができます。
指定申請をスムーズに進めるために重要なのは、
書類を書き始める前の「整理」と「段取り」です。
ここまで整理した3つのステップを踏まえて次に進むことで、指定申請の準備は、迷いなく進められるようになります。
ここからは、各ステップごとに詳しい内容をみていきましょう。
指定申請に取りかかる際、多くの担当者が最初にやってしまいがちなのが、「書けそうな書類から、とりあえず作り始めること」です。しかし、この進め方は後から手戻りが発生しやすく、結果的に申請全体を複雑にしてしまう原因になります。
指定申請の初動で本当に重要なのは、書類を作ることではなく、全体を整理することです。
指定申請に必要な書類は、全国共通で完全に統一されているわけではありません。
サービスの種類や、管轄する自治体によって、求められる書類の内容や名称、添付の考え方に違いがあります。
また、必要書類の全体像を把握しないまま作業を始めてしまうと、途中で新たな書類が追加され、すでに作成した書類を修正しなければならないケースも出てきます。
インターネット上の情報や、他事業所の事例だけを参考に進めてしまうと、管轄の自治体や、申請するサービスとして必須だったという書類が後から判明することも少なくありません。
こうした事態を防ぐためにも、最初の段階で、自分の事業所が提出すべき書類をすべて洗い出し、一覧として把握することが重要です。
この時点では、書類の中身をくまなく理解したり、完成させる必要はありません。
まずは、どれだけの書類があり、どんな種類のものが求められているのかを把握することが、指定申請をスムーズに進めるための土台になります。
指定申請に必要な書類の考え方は、厚生労働省が示している「介護サービスの指定・許可申請」の枠組みをベースにしています。
この枠組みに沿って、各都道府県や市町村が、自らの運用に合わせた「添付書類一覧」を作成・公開しているのが実務上の流れです。
例えば、愛知県や名古屋市が公表している指定申請関連資料を見ると、提出が求められる書類が、比較的分かりやすく整理されていることがわかります。
一般的には、次のような書類が並ぶことになります。
必要書類の一覧を確認することで、
何となく大変そう…という感覚が、
これだけの書類を準備すればいいという具体的な認識に変わります。
ここまでの内容を踏まえ、STEP1で行うべきことは、必要書類を完成させることではなく、「洗い出して並べること」です。
以下のチェックリストに沿って進めてみてください。
上記2つのチェックリストの項目をすべて満たすことができていれば、次のステップである「どの書類を自社で作るのか」「どこを再利用できるのか」といった判断がスムーズになります。
STEP1で必要書類をリストアップできたら、次に行うのが、それぞれの書類をどう扱うかを整理する作業です。指定申請が大変に感じられる原因の一つに、すべての書類を一から作らなければならないと思い込んでしまうことが挙げられます。
しかし実際には、既存の書類をベースに修正・流用できるものと、 新たに作成・見直しが必要なものを区別することができるようになっています。
この区別をつける「仕分け作業」を行っておくことで、
作業量の見通しが立ち、どこに時間をかけるべきかが明確になります。
次のような書類は、内容を確認し一部修正することで対応できるケースが少なくありません。
これらは法人そのものに関する書類のため、新規指定やサービス追加があっても、原則として内容が変わらないことがほとんどです。
ただし、直近で役員変更や事業目的の追加がある場合は、 記載内容が最新かどうかの確認が必要になります。
すでに別サービスで運営規程を作成している場合、全体構成や基本的な考え方は流用できることが多いです。ただし、サービス種別ごとに求められる運営内容は異なるため、サービス追加部分については表現の追加や修正が必要になります。
人員配置の考え方自体は共通でも、サービスごとに配置基準や必要職種が異なります。
そのため、フォーマットは流用しつつ、人員構成や勤務時間をサービス別に見直すことが重要です。
同じ建物・同じフロアでサービスを行う場合、図面自体は再利用できることがあります。
ただし、サービス追加によって使用スペースや設備の位置が変わる場合は、図面上の表記修正が必要になります。
次のような書類については、「とりあえず他から流用してみよう」といったことが難しく、内容を十分に理解したうえでの新規の作成や丁寧な見直しが欠かせません。
付表は、人員配置、設備、運営体制などをサービスごとに具体的に示す重要な書類です。記載内容と実態が一致していないと、修正指示が入りやすいポイントでもあります。
同じ職員が複数サービスを兼務する場合でも、サービスごとに「誰が、どの時間帯に、どの業務に従事するのか」を明確に示す必要があります。単なる人員名簿にならないよう注意が必要です。
これらは実際の運営や記録と直結する書類です。形式だけ整っていても、現場で運用できない内容では意味がありません。実態に即した内容になっているか、慎重な確認が求められます。
新たに明記する必要があります。書き漏れがあると、指定そのものに影響が出る可能性もあります。既存の情報や書類を流用できるものと、新たに作るべきものを仕分けせずに進めてしまうと、後になって「結局ほとんど作り直しになってしまった…」という事態になりがちです。
STEP2は、作業負担を減らすための工程であり、指定申請全体をスムーズに進めるための重要な分岐点です。
以下のチェックリストに沿って、きちんと書類の整理ができているか確認してみましょう。
このチェックリストを満たすことができていれば、次のSTEP3では、どの書類から、どの順番で作るかという具体的なスケジュール設計に進むことができます。
STEP1・STEP2を終えて、提出書類にはどんな種類があるのか、どれを新たに準備する必要があるのかを整理することができたら、いよいよ具体的な作業に入ります。
ただし、この段階で多くの担当者がつまずくのが、スケジュールを立てずに作業を始めてしまうことです。
指定申請は、書類が完成したら終わりではありません。
むしろ、完成したあとにこそ、 修正や確認といった作業が集中します。
指定申請でよくある失敗は、締切日=書類完成日と考えてしまうことです。
しかし実務では、
といったことは、ほぼ必ず起こると考えたほうが安全です。
つまり、締切日とは「提出できる最終日」ではなく、「何もトラブルが起きなかった場合の最終ライン」だと想定しておきましょう。
提出日から逆算する際は、締切を次の4段階に分解すると、スケジュールが一気に現実的になります。
①書類の初稿が一通り揃う日
②内部確認日
③修正対応ができる最終日
④自治体への提出日(締切日)
この順番に日付を決めていきます。
仮に、指定申請の提出期限が4月30日※だとした場合、多くの事業所で無理のないスケジュールを組むと、次のような逆算になります。
|
書類作成における各段階 |
目安となる日 |
|
①初稿準備完了 |
4月10日頃 |
|
②内部確認 |
4月15日頃 |
|
③修正対応ができる最終日 |
4月20日頃 |
|
④提出日 |
4月30日 |
※本記事では、説明を分かりやすくするため、例として「4月30日」を提出期限としています。
※指定申請の締切は自治体や申請内容によって異なりますが、月末を締切として設定しているケースが多くあります。ご自身の申請では、必ず管轄自治体が定める実際の提出期限に置き換えて考えてください。
1つ目のポイントは、締切の2〜3週間前に「初稿完成」を置くことです。
指定申請の修正指示は、1か所だけ直せば終わりというものばかりではありません。
など、複数書類にまたがる修正になることも多くあります。
そのため、 修正対応の時間をあらかじめ確保しておかないと、「どこから直せばいいか分からない」「締め切りまでに間に合うかどうかわからない」といった状態に陥ります。
2つ目のポイントは、管理者・代表の確認は作業ではなく予定として押さえることです。
これは担当者の能力や努力だけではコントロールできません。
だからこそ、「この日までに見てもらう」「この週で押印まで終わらせる」といった予定として、あらかじめ日程を確保することが必要です。
後回しにすると、書類が完成しているのに、
印鑑が押せないから出せない…といった
もったいない事態が起こります。
そして、3つ目のポイントは、提出期限までに修正が入っても対応できる余裕が残っている最後の日を設定できていることです。
指定申請では、書類を提出したあと、ほぼ確実に何らかの修正指示が入りますが、その内容は
など、修正にかかる手間や時間がバラバラです。
修正内容によっては、再度、管理者や代表の確認・押印が必要になるケースもあり、修正のために動ける日が残っていなかったという状態になると、途端にスケジュールが崩れてしまいます。だからこそ、あらかじめ、ここを過ぎたら、もう大きな修正は受けられないというラインを引いておく必要があります。
ここまで見てきたように、STEP3でやるべきことは、どの段階で、どこまで終わっていれば安心かを決めることです。そのために、 提出日、修正対応の最終ライン、内部確認、初稿完成といった節目を先に設定することが重要になります。
この考え方を踏まえたうえで、自分の案件に当てはめてスケジュールが引けているかを確認してみてください。
指定申請でつまずく原因の多くは、知識不足ではなく進め方が整理されていないことです。
3ステップで段取りを整えることで、申請準備は誰でも再現できる業務になります。
一方で、自治体ごとの運用差や書類同士の整合性など、判断に迷う場面も必ず出てきます。
社会保険労務士法人エンジーでは、次のような点で実務をサポートしています。
「この進め方で合っているか不安」「途中で一度整理したい」と感じたタイミングで、外部の視点を入れることで、手戻りや差し戻しを防ぐことができます。
指定申請をきっかけに、バックオフィス業務を仕組みとして整えたい方は、ぜひ一度、社会保険労務士法人エンジーにご相談ください。
(参考資料)
この記事は以下の資料を参照し作成しています。
公開日 2025/12/17
みなさん、こんにちは!
社会保険労務士法人エンジーでは、介護施設や障害福祉サービスを運営している事業者様に向けて、様々な情報を発信しています。
今回のブログは、介護サービスでの指定申請におけるポイントをおさえ、疑問を解決するガイドとなります。
そんな方へ向けて、おおまかなスケジュールや提出先ごとの主な必要書類、つまずきやすいポイントと記載例など、網羅的に解説します!ぜひ最後までご覧ください。
まずは「指定申請」どういったものなのか、軽く整理しておきましょう。
介護保険サービスを提供し介護報酬を請求するためには、事業所ごとに「指定」を受ける必要があります。「指定」とは、行政がその事業所について《介護保険サービスを提供し介護報酬を受け取ることを正式に認めること》をいいます。
いくら立派な法人を作っても、指定を受けるまでは介護保険サービスとして動くことはできません。
次に、新規指定申請について、最低限おさえておきたい3つのポイントを順番に見ていきましょう。
1つ目は、「申請者は原則として法人である」ということです。
株式会社・合同会社・医療法人・社会福祉法人・NPO法人など、いろいろな形がありますが、いずれにしても個人事業主のままでは介護保険サービスの指定は受けられません。
2つ目は、「指定をする人(指定権者)」は、サービスや場所によって違うということです。
愛知県の場合、
が入り混じっているので、まずは自分の事業がどのパターンにあたるかを見極めることがスタートラインです。
3つ目は、「指定には期限(有効期間)があり、6年ごとに更新が必要」ということです。
この記事は新規指定がテーマですが、「一度通れば終わり」ではない、というイメージを持っておいていただけると、運営計画を立てる上でも役立ちます。
愛知県で介護事業をするのであれば、
そのまま、愛知県への申請が必要なのでは?と思いがちですが、
名古屋市内に事業所を構える場合は、
原則として名古屋市に申請することになります。
申請先を判断する際のわかりやすいイメージとしては、以下の通りです。
この記事では、「愛知県(県所管)」と「名古屋市」に絞って説明していきます。
実際に開業時の相談で一番よく聞かれるのが、
「申請はいつまでに提出したら開業に間に合うか」
といった質問です。
結論からいうと、愛知県も名古屋市も、原則 月1回、1日付で指定をしており、その2か月前までに「不備なしで受理」されていることが基本ラインです。
例えば、3月1日からサービスを開始したいとした場合、
という流れになります。
書類に不備があると、差し戻し → 修正 → 再提出…といったやり取りが発生します。
そのため、実務的には指定を受けたい月の3〜4か月前から準備を始めておくのが安心です。
名古屋市は、もう少し細かく「締切日」が決まっています。
というタイムラインです。
「10日まで」と「末日17時まで」という2つの締切があるので、余裕をもって書類を作り、修正が入ることを前提に見込んでおくことが重要です。
ここからは、愛知県・名古屋市どちらにも共通する大まかな流れを追っていきます。
最初のステップは、「誰が申請者になるのか」 を決めるところからです。
すでに介護とは別の事業で法人をお持ちであれば、その法人を使うこともできます。その場合、定款の目的に「介護事業」「居宅サービス」などの文言が入っているかを確認しておきましょう。なければ、定款変更や目的追加が必要になるケースもあります。
これから法人を作る場合は、株式会社にするか、合同会社にするかNPO等、別の法人格にするかといった検討と並行して、いつから事業を始めたいのかも決めておくと、そのあとのスケジュールが組みやすくなります。
次に考えるのが、どんな設備のある場所で、誰と始めるかです。
など、サービスごとに細かな基準があります。
ここを完全に暗記する必要はありませんが、「どのくらいの広さ・どのくらいの人数が必要なのか」のイメージだけは持ったうえで、物件探しや採用計画を進めるのがおすすめです。
物件の候補が見えてきたら、いきなり契約してしまう前に、まずは申請先の窓口で「図面相談」をしておきましょう。
図面相談では、
といった点を、申請先の市役所や県庁の担当者と一緒に確認します。
愛知県:毎月1〜20日の間に予約のうえ、図面相談
名古屋市:同じく1〜20日の間に、建物基準があるサービスは図面相談(予約制)
ここで「そもそもこの物件だと基準を満たせない」とわかってしまうと、契約後に大きな損をしてしまうこともあるので、必ず契約前に相談しておきます。
図面の方向性が固まってきたら、いよいよ書類作成です。指定申請書をはじめ、次のような書類を一つずつそろえていくイメージです。
・指定申請書
・サービスごとの付表
・勤務体制・勤務形態一覧表
・平面図・設備一覧
・運営規程
・法人の登記事項証明書・定款・役員名簿
書類名を並べると構えてしまいがちですが、
実際には様式が用意されているものが多く、
パズルのように必要な情報を埋めていくイメージです。
書類がまとまったら、いよいよ提出です。
提出には申請手数料がかかります。おおまかなイメージとしては、
が目安ですが、実際の金額は必ず最新の情報をご確認ください。
無事に「受理」されれば、あとは審査結果を待つフェーズに入ります。この間に、必要な備品の購入・設置、採用・研修、運営規程やマニュアルの最終調整などを進めていくことになります。
サービス内容や自治体によっては、「現地確認」が行われる場合もありますが、ここで基準をきちんと満たしていれば、晴れて指定通知書が届きます。
この通知書に記載された「指定年月日」から、介護保険サービスとして動き出すことができます。
愛知県内で介護サービスを始めるとき、「どこに」「いつまでに」「いくらで」申請するのかは最初につまずきやすいポイントです。愛知県と名古屋市それぞれの提出先・提出期限・手数料の違いを、一目で比較できるよう表にまとめました。
| 愛知県(県所管エリア) | 名古屋市 | |
| 所管エリア | 名古屋市・岡崎市・一宮市・豊田市・東三河地区を除く愛知県内の介護保険事業所 | 名古屋市内の介護保険事業所 |
| 主な提出先 | 高齢福祉課介護保険指導第一G または各福祉相談センター(サービス・市町村による) | 名古屋市介護事業者指定指導センター/介護保険課 施設指定担当 |
| 主な提出方法 | 原則「電子申請・届出システム」によるオンライン申請。難しい場合は予約制で窓口持参。 | 申請書類を郵送し、その後電話・面談で内容確認。不備がなければ窓口で「受理」。 |
| 提出期限の目安 | 指定希望月の前々月末日までに「受理」されていること。遅くとも2か月前の初めには書類確認を受けるのが望ましい。 | 指定希望月の2か月前の10日までに申請書類を必着、その月末17時までに受理される必要がある。 |
| 指定日 | 原則、翌々月1日付で指定(毎月1回)。 | 月末までに受理されたものを審査し、翌々月1日付で指定(毎月1回)。 |
| 手数料 (居宅・地域密着等) |
新規指定1件あたり30,000円、更新10,000円。 | 居宅サービス・地域密着型サービス・居宅介護支援の新規指定1件あたり30,000円、更新10,000円。 |
| 手数料支払い方法 | 愛知県収入証紙または「あいち電子申請・届出システム」からキャッシュレス決済。 | 名古屋市が交付する納入通知書に基づき金融機関等で納付(詳細は市の手数料案内参照)。 |
| チェックリスト | 事業種別ごとの「指定(開設許可)申請書類一覧表(チェックリスト)」添付が必要。 | サービスごとにチェックリスト(Excel)を公開。申請時は最新版を使用すること。 |
愛知県知事が指定権者となるのは、名古屋市・岡崎市・一宮市・豊田市・東三河地区を除いた市町村の介護保険事業所(ただし地域密着型サービス・総合事業は市町村)です。
サービス別・市町村別に「受付機関一覧表」が公開されているので、まずは自分の所在地とサービスを照らして窓口を確認しましょう。
提出の目安として、指定希望月の前々月末日までに「受理」されていることが必須です。不備があると3〜4回の再提出になるケースもあるため、指定希望月の2か月前の初めには一度提出できていることが理想です。
指定日は月末までに受理されたものを審査し、翌々月1日に指定されます。
・チェックリスト(指定(開設許可)申請書類一覧表)
・指定申請書(厚生労働省様式)
・付表(サービス別の記載事項:訪問介護・通所介護など)
・法人関係書類
・登記事項証明書(3か月以内)、定款、役員名簿 等
・事業所平面図・設備備品一覧(運営基準を満たしているか判断できる内容)
・従業者の勤務の体制および勤務形態一覧表(標準様式)
・運営規程・苦情処理体制・勤務体制図・協力医療機関との契約書 など
サービスごとの詳細は、
県の『手引き(訪問介護編/通所介護編など)』で
必ず確認してください。
| 居宅サービス・介護予防サービス | 30,000円 |
| 介護老人福祉施設 | 45,000円 |
| 介護老人保健施設・介護医療院 | 67,000円 |
原則:愛知県収入証紙で納付。
2025年8月1日以降、「あいち電子申請・届出システム」経由でキャッシュレス決済も可能です。
ほかにも、愛知県への申請として特徴的なのは、できるだけ「電子申請・届出システム」からの申請が推奨されている点や、サービスごとに「指定申請の手引き」と「チェックリスト」が用意されていて、それを見ながら作る前提になっているという点です。
各書類の様式は、きちんと最新版をダウンロードできているかを確認し、元の形を崩さずにそのまま使うことを意識しましょう。
名古屋市内で訪問介護・通所介護・福祉用具貸与・居宅介護支援などを行う
| 訪問介護・通所介護・福祉用具貸与・ 居宅介護支援など |
名古屋市介護事業者指定指導センター |
| 介護老人福祉施設・介護老人保健施設・ 介護医療院など |
名古屋市介護保険課 施設指定担当 |
・指定申請書
・付表(訪問介護事業所等の指定に係る記載事項 など)
・法人の登記事項証明書(3か月以内)
・暴力団排除条例に基づく誓約書
・建物の賃貸借契約書等(所有形態がわかるもの)
・事業所平面図・主要箇所の写真
・従業者の勤務形態一覧表
・資格証の写し(介護福祉士・看護師など)
・運営規程・苦情処理体制の概要
・加算関係の届出書一式(必要に応じて)
・老人居宅生活支援事業の届出書(自治体指定の様式)
・業務管理体制に関する届出書
・社会保険・労働保険加入状況の確認票
こちらも、サービスごとの詳しい必要書類を
「NAGOYAかいごネット」にある指定申請の
手引き+チェックリストで確認してください。
新規指定:30,000円/更新:10,000円
新規指定:45,000円(更新も同額の場合が多いが、詳細は単価表参照と記載)
一体的に申請する場合の減免や、指定不要の「みなし指定」など、一部の特例もあります。
ほかにも、必要書類には、以下のような名古屋市独自の様式があったり、
書類の確認は電話で行われるので、サービス内容を説明できる人が電話に出られる体制を整えておくなど、名古屋市ならではの運用もあります。
登記事項証明書に記載されている正式な法人種別をそのまま記入してください。
登記上の表記(「一丁目」か「1丁目」か等)と一致させます。
登記上の商号とは別に事業所名を決めてもよいですが、運営規程・看板・契約書などと名称を統一させる必要があります。類似の事業所名が近隣にないか、検索してから決めるとなお良いでしょう。
愛知県・名古屋市とも、原則として申請書類が受理された月の翌々月1日が指定日=事業開始予定日となります。
申請書類を出すタイミングではなく、受理されるタイミングから逆算して記載しましょう。
工事や人員採用のスケジュールも、この日付から逆算して組む必要があります。
同一敷地・同一法人で既に指定を受けている介護・障害・医療事業がある場合は、漏らさず記入してください。
病院・診療所・薬局・老健・訪問看護ステーションとしてすでに医療機関コードがある場合のみ記入します。なければ空欄のままでOKです。
初年度は控えめな見込みで構いませんが、事業計画・人員配置と整合する数字にしてください。
勤務形態一覧表に記載した人数と完全に一致させます。管理者がサービス提供責任者を兼務する場合など、兼務状況も正しく反映してください。
運営規程に書いた内容と齟齬のないように記入します。
介護保険法上の目的・通所介護の定義と内容が大きくズレないようにしつつ、自事業所の特徴(小規模・リハビリ重視など)を1文程度で補足しましょう。
「常勤・非常勤」は雇用形態ではなく、その事業所における常勤時間を満たしているかどうかで判断します。兼務とは、「同一事業所内の兼務」を指し、別事業所で働いている場合は専従扱いになるなど、細かな考え方を短く整理します。
・勤務形態一覧表の人数と付表の人数が違う。
・運営規程に記載した営業日・営業時間と申請書の記載が揃っていない。
・協力医療機関との契約書の名称と、運営規程に書いた医療機関名が異なる。
勤務形態一覧表や運営規程の整合性をチェックする際は、
経験者でないと見落としがちなポイントなので
注意して確認するようにしましょう。
実際の書類を書くときに迷いやすい部分の「文章例」をいくつかご紹介します。
自社の方針・サービス内容に合わせて少しずつアレンジして使ってみてください。
「本事業所は、要介護状態にある利用者が、できる限り住み慣れた地域で自立した日常生活を営むことができるよう支援することを目的とする。
利用者の心身の状況および置かれている環境等を踏まえ、通所介護計画に基づき、入浴、排泄、食事等の介護、日常生活上の支援および機能訓練等のサービスを提供する。
また、地域の関係機関等との連携に努め、利用者およびその家族が安心してサービスを利用できるよう、サービスの質の向上に努める。」
「本事業所は、要介護状態または要支援状態にある利用者に対し、居宅において入浴、排泄、食事等の介護並びに掃除、洗濯、調理等の家事援助等の訪問介護サービスを提供する。サービスの提供にあたっては、居宅介護支援事業所が作成する居宅サービス計画に基づき、サービス提供責任者が訪問介護計画書を作成し、利用者および家族に説明のうえ同意を得る。サービスの内容・頻度等は、利用者の心身の状況や家族の状況の変化に応じ、必要に応じて見直しを行う。」
「本事業所には、管理者、生活相談員、介護職員、看護職員、機能訓練指導員等を配置し、関係法令および愛知県(または名古屋市)の定める人員基準を満たす体制とする。営業日ごとに、利用定員およびサービス提供時間に応じた必要数以上の介護職員を配置するとともに、看護職員を少なくとも一人以上勤務させ、利用者の健康管理および緊急時の対応が適切に行える体制を確保する。」
「利用者またはその家族からの苦情に適切に対応するため、苦情受付担当者および苦情解決責任者を定め、事業所内に苦情受付窓口を設置する。苦情は、面談、電話、書面等により随時受け付け、内容を記録のうえ、事実関係の確認および原因分析を行い、必要な改善措置を講じる。苦情およびその対応状況は職員間で共有し、再発防止およびサービスの質の向上に役立てる。」
「地震、風水害、感染症のまん延等の非常災害が発生した場合においても、利用者の安全を最優先に必要なサービス提供を継続できるよう、業務継続計画(BCP)を策定する。非常災害発生時には、事前に定めた避難及び連絡体制に従い、利用者の安全確保、家族等への連絡、関係機関への報告を行う。また、平常時から非常災害に備えた訓練及び職員研修を定期的に実施し、対応能力の向上を図る。」
A. 原則として、3月1日から指定を受けるためには、1月末までに「不備なしで受理」されている必要があります。図面相談や書類の修正期間を考えると、少なくとも前年の11〜12月には準備を始めておくと安心です。
A. まずは「どこに事務所を構えるか」と「誰を管理者・サービス提供責任者にするか」を決め、そのうえで物件の図面相談を行うのがおすすめです。そこから逆算して、指定を受けたい月の2か月前10日までに申請書類を郵送し、月末までに受理を目指す流れになります。
A. 制度上はもちろん可能です。じっくり手引きを読み込み、自治体の担当者に確認しながら進めれば、自力で通すこともできます。ただ、「開業時期が決まっている」「人手が足りない」「一度で通してスケジュールを遅らせたくない」という場合は、最初の1回だけでも専門家のチェックを入れておくと安心です。
指定通知書が届いたら、まず利用契約書・重要事項説明書など利用者向け書類の最終確認をしましょう。次に、業務管理体制の届出や加算の届出など、指定後に必要な行政手続きを早めに済ませます。あわせて、記録様式や請求ソフトの運用方法を職員全員で共有し、受け入れ開始後すぐに回る体制を整えることが大切です。
この10個の問いに「はい」と答えられれば、
かなりスムーズに進められる状態に近づいているはずです。
提出前に必ず確認しましょう。
愛知県・名古屋市で介護サービスを始めるには、事業所ごとの「新規指定申請」が必須です。
指定申請は、指定希望日から逆算して、2か月前には不備なく受理されている必要があり、
書類は種類も多く複雑に見える部分もありますが、手引きとチェックリストを使いつつ、一つずつクリアしていけば必ずゴールにたどり着くことができます。
エンジーがお手伝いできること
・スケジュール設計と「いつまでに何を出すか」の整理
・申請書・付表・運営規程・勤務形態一覧表などのドラフト作成
・行政とのやり取り(補正対応など)の伴走
・指定取得後の労務・給与・処遇改善加算・BCP策定などまでワンストップ対応
上記の例のほかにも、お悩みや疑問に合わせて、
柔軟に伴奏型のサポートをいたします。
ぜひお気軽にご相談ください。
(参考資料)
この記事は以下の資料を参照し作成しています。
公開日 2025/10/29
みなさん、こんにちは!
社会保険労務士法人エンジーでは、介護施設や障害福祉サービスを運営している事業者様に向けて、様々な情報を発信しています。
今回のブログは、訪問介護計画書を作成するうえでのポイントをおさえ、疑問を解決するガイドとなりますので、ぜひ最後までご覧ください。
訪問介護計画書とは、施設利用者が自宅で受ける介護を、
行うかを一枚にまとめた実行計画です。
ケアプラン(居宅サービス計画)を土台に、事業所のサービス提供責任者が利用者の状態に合わせ、目標とその評価指標、具体的な手順、所要時間、担当者、曜日や時間帯までを具体化してまとめるものです。作成後は利用者とその家族へ計画の内容を説明し、同意を得たのち写しを交付します。実施状況を定期的に確認しながら、必要に応じて見直します。
つまり、訪問介護計画書は現場のサービスと帳票、ケアプランをつなぐ設計図であり、実地指導でも確認される非常に重要な書類です。
訪問介護計画書は、遅くとも初回のサービス提供(初回訪問)を開始する前までに、訪問介護作成・説明・同意・交付を完了しておきます。契約・重要事項説明のタイミングで完了させ、初回訪問まで持ち越さない運用にすると確実です。
作成にあたり、まず以下のような基礎情報を整理したり、目標や担当を設定しておく必要があります。
| ケアプラン情報 | 長期・短期目標、第3表(週間サービス計画表)の曜日・時間帯・頻度を確認(=計画書とケアプランの整合を図る際の基準) |
| アセスメント要約 | ADL/IADL、生活リズム、住環境、医療情報、家族支援、本人の希望、リスク(転倒・誤薬など)を200字程度を目安に要約します。 |
| 目標と評価指標 | 長期/短期の目標を具体的かつ測定可能な、期限を設けて設定し、到達基準と測り方を明確化しておきます。 |
| 具体的サービス内容の設計 | 部位/道具/順序/留意点/到達基準まで明記します。(例:清拭温度、観察項目、臭気0/10 など) |
| 所要時間・日程・担当の確定 | 1回=1枠(1訪問)の利用者宅での滞在時間の目安(入室~退室)、曜日・時間帯、担当(氏名/ID)を決め、第3表と同じ言葉にそろえます。 |
| 説明・同意・交付の証跡 | 説明日・同意者・署名(電子可)・交付日を証跡として残しておきます。変更が生じた際には版ごとに管理し、記録を残し、作成後は遅滞なく交付できるような運用を設計しておきます。 |
作るのは初回訪問の前が鉄則。
契約・重要事項の説明とセットで、
説明→同意→交付まで一気に済ませましょう。
ケアプラン変更や入退院のときも、迷わず見直しです。
また、作成した訪問介護計画書と、実際に行っているケアの進め方にズレが生じた時(ケアプラン(第3表含む)の新規作成時・変更時、入退院や体調の変化、家族体制の変更、加算や体制変更の開始、または同様の延長や短縮等)には、必要に応じて変更(再説明~交付)を行います。
訪問介護計画書における既定の様式はなく、事業所ごとに定めてOKです。
厚労省の解釈通知(老企第25号)にも、訪問介護計画の様式は、各事業所ごとに定めて差し支えないと明記されています。
ただし、
まで含めることが前提となります。
また、実地指導では訪問介護計画書・実施記録・週間サービス計画表の3点にそれぞれ矛盾がないかを確認します。訪問介護計画書ならびに実施記録の作成は省令により義務付けられていますが、実地指導を見据え、週間サービス計画(任意)もふまえた3点セットを意識して作成、運用にあたるとよいでしょう。
「任意様式」においてポイントになるのは再現性です。
誰が書いても同じ水準になるよう、必須項目の表記や順序、単位(分/回/週)などはきちんと揃えましょう。
生活課題・ニーズを簡潔に言語化します。転倒・衛生・服薬などの課題が当てはまります。
例えば「立位が不安定でトイレ掃除が難しい」「家族の支援は日曜のみ」「臭気は10段階中3」など、事実/原因/ニーズの順で書くと読みやすくなります。ここが曖昧だと、そのあとの目標やサービス内容がぼやけてしまいますので、きちんと明確化しておきましょう。
次に、長期目標(3〜6か月)と短期目標(2〜8週間)を設定します。
どちらも達成できたかが判断できるよう 、SMART(具体・測定・達成・関連・期限)で表現します。
例:「2週間以内に火・木の午前、トイレ・洗面の掃除を各30分実施し、臭気スコア0/10を維持」
合わせて、いつ評価するか(例:月1回)、どうやって測定するのか(例:臭気0/10、遵守率90%以上)も決めておきます。
サービスの中身については、目的/具体内容/手順/留意点/到達基準の流れで書きます。
例えば生活援助なら、以下のリストのように整理するとよいでしょう。
| 目的 | トイレ・洗面の衛生維持 |
| 対象部位 | 便器・床・手すり、洗面ボウル・蛇口・鏡 |
| 手順 | ①換気②洗剤③水拭き④乾拭き |
| 留意すべき点 | 薬液の残りに注意 |
| 到達基準 | 臭気:0/10 滑り:0/10 |
身体介護も同様に、順序や角度、確認ポイントまで具体化します。
週間サービス計画表は、いわば1週間分の介護の時間割です。ケアプラン(居宅サービス計画)に書かれた方針と齟齬がないか、そして、計画書の本文に書かれた「曜日・時間・分数・内容・担当者」と一致しているかを確認します。
実地指導では、ケアプラン→計画書→週間表→実績の見比べが行われます。ここで間違いがあると、説明に時間がかかってしまいますので注意しましょう。
作成した計画は、利用者とその家族に分かりやすい言葉で説明し、同意をいただきます。署名(電子署名も可能)と日付、いつ交付したか(交付日)を必ず残してください。途中で内容を変更した際、再度の説明・同意が必要か否かも併せてルール決めをしておくとよいでしょう。
介護計画書に沿った介護を実施し、その後もモニタリング(評価)と、必要に応じ計画を修正しましょう。この時、モニタリングに用いる評価指標を設定しておきましょう。
計画書は作って終わりではなく、運用開始後は以下のポイントに注目し、計画に沿った支援の実施と見直しによりサービスを改良していくことが重要です。
運用が始まったら、決めた頻度(例:月1回)で評価し、同様の方針を継続していくのか、強化していくのか、変更するのか、といった判断について短文で記録を残していきます。
例:「予定どおり週2回実施。臭気0/10を維持。体力低下で乾拭き工程に時間増→所要時間を30→40分へ見直し提案」
計画を変えた場合は、
いつ・なぜ・何を変えたか、
説明・同意をとったかまでを明記しておきます。
これが、現場としての「やむを得ない調整」なのか、もしくは計画的な変更であったのかを区別する根拠になります。変更の履歴は版ごとなどで(例:Ver.1.2/改定日/改定者)管理し、週間サービス計画表と実施記録に即時反映することを心がけましょう。
計画書や記録は、一定期間の保存が求められています。
地域によっては上乗せ期間が定められていたり、電子保存の運用ルールが示されている場合があります。自法人の就業規則や重要事項説明に保存年限と保存方法(紙・電子、版管理)をはっきり明記し、所轄自治体の運用に合わせてください。
電子保存の場合は、検索できるファイル名や版番号、交付日のわかる履歴を整えると、実地指導の応対が格段にスムーズになります。
クラウド上で管理する運用であれば、アクセスログと自動バックアップを有効にし、紙の運用が混在する場合は、定期的にデータ保存(例:月末にスキャン)し、紙面の情報の廃棄手順まで明文化しておきましょう。
退職・異動時のアカウント停止も忘れずに。
計画書・記録には健康・生活に関するデリケートな情報が含まれます。情報へアクセスできる担当者とその権限を絞り、持ち出しや送受信の方法を社内ルールで明確化しましょう。
スタッフへの個人情報の取扱いに関する教育の機会を設けたり、
情報へアクセスする際の権限を確認するなど、
個人情報の取扱いについては、
定期的に運用を見直すようにしましょう。
目的外利用をしない、不要になった情報を適切に廃棄する、誤送信を防ぐといった基本の徹底が、クレームやトラブルの予防になります。
前提として、計画書(何を・どこまで)/週間サービス計画表(いつ・誰が・何分)/実施記録は、同じ言葉・同じ分数や単位でそろっていることが大切です。
以下、おこりがちなミスとその予防策を参考にしてください。
例:「安全に配慮」「清潔を保つ」など
達成か未達か判断ができず、改善するにあたっての方向性も見えてきません。「2週間以内に、火・木の午前、トイレ・洗面の掃除各30分で、臭気0/10を維持」といったように、具体的な数値目標や期限を入れましょう。
例:「掃除を支援」のみ
場所・道具・順序・到達基準が不明瞭だと、担当者によっては一貫した質の支援をすることが難しくなります。上記のように、掃除に関する支援をした場合であれば、掃除をした箇所(例:便器・床・手すり)/道具(希釈洗剤・雑巾)/順序(換気→洗剤→水拭き→乾拭き)/基準(臭気0/10・滑り0/10)まで明記しましょう。
ケアプランと自事業所の計画に基づいてサービスを提供する義務があるため、これらの整合が取れないと、監査などの際の説明が困難になります。
ケアマネから変更通知を受けたら、即日で社内週間表・計画本文に反映し、それらの対応ステータスも管理できるようチェックリストを用意しておくとよいでしょう。
緊急時の対応など、利用者の安全に直結する問題については、何をもってして異常と判断するのかといった閾値を把握しておくことや、連絡体制を正確にとり決めておきましょう。
1回=週間表の1枠(1訪問)と定義し、内訳(身体15分+生活15分など)は記録で明示するなど、事業所内の全員で認識を統一させておきましょう。
ミスの多くは、
訪問問介護計画書/週間サービス計画表/実施記録の
同じ意味の言葉や数値基準での表記ブレが原因。
定期的に各書類の整合性を確認することで未然に予防できます。
重要な変更(内容の追加・削除、所要時間の恒常的変更など)は再同意が安心です。
軽微な時間前後などは社内ルールで取り扱いを明確にしておきましょう。
運用として認められる枠組みがあります。
本人確認ができる署名と版管理・交付日の記録を合わせ、所轄の運用に従ってください。
原則の保存年限があります(運用は自治体で上乗せあり)。電子保存は可能ですが、改ざん防止・検索性・版管理を整え、就業規則と重要事項説明に明記しましょう。
後から見ても、どうしてその判断に至ったのかを追うことができるよう、最低限、予定/実績/理由の三点はおさえておきましょう。
判断に迷うときは事前にケアマネ・看護・所轄へ相談できる体制を整えておきましょう。
現場での担当者レベルの判断や、何かのついでの対応は避けるように、計画書にはやること/やらないことを明示しておきましょう。
閾値→連絡順→要請基準を一行ずつで十分です。
例:「SpO₂<92% → 家族→主治医→事業所/呼吸困難・意識障害は救急要請」など
訪問介護計画書の作成は、現場で利用者さんと向き合う職員の皆さまが担う、とても大切なプロセスです。
計画書は単なる事務作業ではなく、利用者さんの生活をどう支え、どんな時間を共に過ごしていくのかという、現場の想いを形にするもの。
その一枚一枚には、支援への工夫や願いが込められています。
私たち社会保険労務士法人エンジーでは、訪問介護計画書の作成そのものを代行することはできませんが、職員の方々が安心して業務に専念できるよう、人事・労務・体制づくりの面から支援を行っています。
働く環境が整うことで、自然と計画書の質やケアの一貫性も高まっていきます。
訪問介護計画書は、現場のケアを支える“道しるべ”のような存在です。
利用者さんの毎日をどう支えるか、その想いを具体的に言葉にする第一歩として、まずは目の前の1枚を丁寧に仕上げてみてください。
このガイドが、日々の現場での気づきや工夫につながるきっかけとなれば幸いです。
(参考資料)
この記事は以下の資料を参照し作成しています。
・訪問介護計画の作成・説明・同意・交付・モニタ・変更準用(省令本文/厚労省)
・ケアプラン標準様式:第3表=週間サービス計画表(厚労省・記載要領PDF)
・実施記録の整備・完結日から2年保存(e-Gov法令)
・(再掲)モニタリングと計画変更の準用(省令本文/厚労省)
・保存年限の自治体上乗せ例(5年)・電子保存可(川崎市)
・医療・介護分野における個人情報の適切な取扱いガイドライン(厚労省・PDF)
公開日 2025/10/27
みなさん、こんにちは!
社会保険労務士法人エンジーでは、介護施設や障害福祉サービスを運営している事業者様に向けて、様々な情報を発信しています。
「介護職員等ベースアップ等支援加算」は2024年6月から新『介護職員等処遇改善加算』へ一本化され、ベースアップ加算としての単独算定は終了しています。
今回のブログは、経過措置V区分、2.5%/2.0%賃上げの意味、実績報告で返還を避ける実務まで解説します。
「介護職員等ベースアップ等支援加算」は、基本給ベースの賃金改善を後押しするために創設された上乗せ加算であり、処遇改善・特定処遇改善に重ねて、賃上げの下支えをしてきました。
2024年6月以降、処遇改善系の加算が新しく『介護職員等処遇改善加算』へ一本化されました。以降、ベースアップ加算としての単独算定は行いません。
厚生労働省の公式リーフレットにも一本化と加算率引上げ、および経過措置(区分V)が明記されています。
R6年度の準備と移行期間を経て、R7からは「本番運用」となりました。
区分I〜IVのどこを狙っていくかを早めに決めると、 配分設計と人材戦略を整え、対応に向けて動いていくことができます。
参考:「処遇改善加算」の制度が一本化(介護職員等処遇改善加算)され、加算率が引き上がります(厚生労働省)
新加算は以下の3要件で構成されています。
具体の項目数・特例・周知義務などは年度によって差があるため、最新の資料で確認をするようにしましょう。
役割や等級、賃金体系、研修・評価・昇給の仕組みを文書で明確化し、周知・運用することが柱です。
令和6年度は、準備中でも「整備します」と約束していれば問題なく、令和7年度からは実体の整備・運用が前提となります。
加算額の一定割合を基本給や毎月支払う手当へ充当し、前年度ベースアップ相当分の少なくとも3分の2を月額へ移すことが求められます。
一時金の併用は可能ですが、月額中心が原則で、実績で積み上げ(証跡)を示す運用が必要です。
業務の見える化や生産性向上(ICT・業務改善)、定着・働きやすさに資する取組から複数項目を選んで実施します。令和7年度は選択・実施が求められる項目が増えるため、実施記録を残したうえで、社内に周知し、定期的に振り返って改善する運用(PDCA)に落とし込みましょう。配分の考え方として、介護職員に重点配分しつつ、事業所内での柔軟な職種間配分が認められているという部分がポイントです。介護職以外の職種も対象になり得ます。
「一時金偏重→月額へ」の付け替えが必要なケースに要注意です。
就業規則・賃金規程の整合も早めに行うとよいでしょう。
よくある誤解ですが、+2.5%(R6)/+2.0%(R7)は算定要件ではありません。
賃上げ促進税制の活用などと組み合わせて、2か年で実現を「お願い」しているような位置づけです。
さらに、R6年の加算額の一部をR7年に繰越して賃金改善に充当することが可能であり、不足分は賞与等の一時金で追加配分すれば返還不要として取り扱われることがあります。
返還は「最後に不足を埋めれば回避できる」というのが原則です。
期末の一時金を想定し、
月次で積み上げを見える化しましょう。
参考:介護職員等処遇改善加算に関するQ&A(第2版)(厚生労働省)
実績報告で賃金改善額<加算額であれば返還対象となります。
ただし、不足分を一時金で追加配分すれば返還を求めない取り扱いとなります。
R6で積み上げた加算分の一部は、令和7年度に回して翌年度の賃金改善にあてることができます。
繰越分は原則、当該事業所の職員へ一時金で全額配分しなければなりません。
同一法人の一括申請に限り、他事業所の職員を対象にすることができます。
不利益変更に当たる恐れがある場合は合理的な理由に基づいて、適切に労使の合意を得る必要があります。
「どこまで月額、どこから一時金」といった線引きが肝となります。
配分ルールと証跡(議事録・周知など)を残しておくと後がラクです。
試算は「月次の見込み」と「年度見込み」の二段構えとなります。常勤換算の変動も定期的にチェックすると精度が上がります。
※実際の加算率はサービス種別で異なります。詳細は公式資料をご確認ください。
・常勤換算:10.0人/対象賃金総額(当月):3,600,000円
・仮の新加算率:14.5%(例)
・当月加算額(概算)= 3,600,000 × 0.145 = 522,000円
運用のポイント
月額賃金改善要件に沿って、基本給・毎月手当への充当を優先しましょう。
年度末に不足が見えたら、一時金で追加配分して賃金改善額≧加算額を確保してください。
これは誤解です。
+2.5%(令和6年度)/+2.0%(令和7年度)は、算定要件ではなく国が促す賃上げの目標です。新しい処遇改善加算は、令和6・7年度の2か年で加算額の全体が賃金改善に充てられていればよいという整理で、年度をまたいだ前倒し・繰越の運用も認められています(例:R6の一部をR7へ繰越)。
原則として、実績報告で賃金改善額<加算額なら返還対象です。ただし、不足分を賞与などの一時金で追加配分すれば、返還を求めない取扱いが明確に示されています。
ポイントは、改善実施期間のうちに不足を埋める段取りを組み、配分ルールと証跡(稟議・周知・賃金台帳)を残しておくこと。これにより“うっかり不足→返還”を避けられます。
使い続けられません。
区分V(1)〜V(14)は令和6年度内の経過措置(激変緩和)として設けられた期間限定の区分です。令和7年4月以降は、I〜IVの本運用へ完全移行します。
したがって、R6のうちに自事業所の到達可能なI〜IVの着地点を見定め、要件整備(キャリアパス・月額賃金改善・職場環境等)を前倒しで進めることが重要です。
基本は介護職に重点配分ですが、事業所内での柔軟な職種間配分が認められています。
Q&Aでは介護職以外を含む全職種が配分対象になり得ることが明記され、実務上も看護職・相談員・リハ職・ケアマネ・事務職などに配分している事例が多数みられます。
とはいえ、介護職を基本に、経験・技能のある職員へ重点配分という原則は忘れずに。配分の考え方を文書化・周知しておくと、後日の説明もスムーズです。
以下のポイントを把握、対応できているかを確認しておきましょう。
返還は、初の設計次第で避けることができます。
見込み表+配分ルール+証跡の“三点セット”を日々まわしておけば、
年度末に慌てずに済みます。
毎年度、計画書(別紙様式2:補助金・加算計画書一体化様式)を提出し、年度末(または自治体が定める時期)に実績報告書(別紙様式3)を提出します。
提出先や締切は都道府県・市町村(保険者)等の指示に従う運用のため、必ずお住まいの自治体の案内を確認してください。厚労省の公式ページでは、最新年度の様式・記入例・説明動画がまとめられています。
基本は介護職への重点配分ですが、事業所内での柔軟な職種間配分が認められています。
雇用形態ごとの考え方は次のとおりです。
「決まって毎月支払われる手当」とは、労働に直接関係し、個人事情に左右されない手当を指します。月ごとに額が変動しても“毎月支払い”なら含みます(例:職能・資格・役職・地域などの手当名で可)。一方、通勤手当・扶養手当のように個人事情による手当は含みません。
また、時給や日給の引上げは“基本給の引上げ”として扱ってOKです。なお、月額賃金改善要件を満たすための付け替えで、一部の職員の収入が実質的に減るような運用は不可です。
原則、実績報告で「賃金改善額<加算額」となった部分は返還対象です。
ただし、改善実施期間内に賞与等の一時金で不足分を追加配分すれば、返還は求められません。
追加配分の根拠資料(周知・議事録・賃金台帳等)を整え、実績報告に反映してください。
休止・廃止時の繰越分は他事業所の職員に配分できますか?
原則、休止・廃止となる事業所の繰越分は、その当該事業所の職員へ一時金等で配分します。
ただし、同一法人による一括申請の場合に限り、他事業所の職員へ配分することも可能です。
配分方針の文書化と労使合意、支給記録(証跡)を必ず残しておきましょう。
「介護職員等ベースアップ等支援加算」は2024年6月に一本化され、現行は新「介護職員等処遇改善加算」での運用が前提です。2024年度は区分Vの経過措置、2025年4月からI〜IVが本運用となるため、目標区分を早めに定めて要件整備を進めましょう。
+2.5%/+2.0%は“要件ではなく目標であり、介護職を基本にしつつも、多職種へも柔軟に配分することができます。
実績報告では賃金改善額≧加算額を確保し、不足分は一時金の追加配分やR6→R7の繰越で対応可能です。
エンジーがお手伝いできること
制度の“いま”を押さえたうえで、月次の見込み表×配分ルール×証跡を運用に落とす。この基本ができていれば、返還は設計で避けられます。
迷うときは“どの区分をいつ狙うか”から一緒に整理しましょう。
この記事は厚生労働省の公式サイトおよび資料を基に作成しています。
公式サイト
・「福祉・介護職員の処遇改善(総合ページ)」
・「介護職員の処遇改善:TOP・制度概要」
資料
・「介護職員等処遇改善加算に関するQ&A(第2版)」(令和7年3月17日)
・「『処遇改善加算』の制度が一本化(介護職員等処遇改善加算)リーフレット」
・「処遇改善に係る加算全体のイメージ/移行資料(新加算V(1)〜V(14)・I〜IV)」
・「介護職員の処遇改善について(資料)」
・「介護保険最新情報 Vol.1353(令和7年2月10日)」
・「介護保険最新情報 Vol.1367(令和7年3月17日)」
最新情報は公式ページでご確認ください。
公開日 2025/09/23
みなさん、こんにちは!
社会保険労務士法人エンジーでは、介護施設や障害福祉サービスを運営している事業者様に向けて、様々な情報を発信しています。
今回は、令和6年度に行われた「介護職員等処遇改善加算」への一本化について、要件や加算率等、特にこれまでの3種類の加算からの変更点に加え、令和7年度における変更点・要点をポイントごとにわかりやすく解説いたします。
令和6年6月から介護職員の処遇改善に関する加算が「介護職員等処遇改善加算」に変更され、加算率の引き上げが行われました。
具体的には、これまでの
・「介護職員処遇改善加算」
・「介護職員等特定処遇改善加算」
・「介護職員等ベースアップ等支援加算」
上記3つの既存の加算制度が「介護職員等処遇改善加算」に一本化されました。
今回の制度改正により、制度がシンプルになり、加算率も高く設定されるようになったほか、賃金改善の方法も事業所の状況に応じて柔軟に対応できるようになり、賃金改善額の上昇など、職員の処遇改善に向けた取り組みが一層促進されることが期待されます。
介護職員等処遇改善加算は、介護職員の賃金向上や労働環境の改善を目指して導入された制度ですが、全ての介護サービスが加算の対象となるわけではありません。これはこれまでの旧加算と同様の考え方で、サービスの性質や目的に鑑み、具体的には次のサービスが加算算定非対象サービスとされています。
・(介護予防)訪問看護
・(介護予防)訪問リハビリテーション
・(介護予防)福祉用具貸与
・特定(介護予防)福祉用具販売
・(介護予防)居宅療養管理指導
・居宅介護支援
・介護予防支援
そもそも今回の改正が
行われた背景から
考えてみましょう。
以前の記事でも紹介したように、介護業界は深刻な人材不足に直面しています。
現場におられる方は嫌というほど体感しておられるかと思いますが、高齢化が進み介護需要は増加の一途をたどる一方で、新たな労働力の確保が困難となっているのが現状です。
また、介護職員の離職率は他業種に比べて高く、継続的な職員の確保が課題となっています。
このようなことから、介護職員の処遇改善と職場環境の向上が急務とされてきました。
そのような背景の中で、介護職員等処遇改善加算の一本化によって、介護職員の賃金向上を図ることが一つ大きな目的になっています。
賃金の向上は、職員のモチベーション向上にも寄与し、結果的にサービスの質の向上にも繋がることが期待されています。
さらに、労働環境の改善を図ることで、職員が長期的に業界で働きたいと思える環境、働き続けられる環境を整えることもこの改正の重要な目的になっていると言えます。
新加算では、旧加算に比べ、より広範な職員を対象としており、給与の改善だけでなく、キャリア支援など柔軟な配分が可能になった点が大きな特徴です。
詳しくは以下の2点が主な違いとして挙げられます。
①加算の対象職種の拡充
②目的の拡充
新加算は旧加算の各区分の要件と加算率を組み合わせた上で、Ⅰ~Ⅳの4区分に再編されました。
旧加算では、3つの加算ごとに段階が設けられていたため、組み合わせが全部で18通りありました。
一方で、新加算は4通りしかないため、場合によっては新加算における加算率が旧加算での加算率を下回る可能性があるため、令和6年度の激変緩和措置(経過措置)が設けられていました。
区分Ⅴはあくまで「経過措置」として設けられていたもので、2025年3月31日をもって完全に終了します。そのため、2025年4月以降はⅠ~Ⅳのみでの運用となります。
すでに経過措置の期限(2025年3月末)が過ぎているため、本来であれば各事業所は新区分(Ⅰ~Ⅳ)に移行済みであるべきなのですが、実際には移行準備が遅れている施設や事業所もあるのが現状です。
ですので「どの区分に移行するのか」を早急に決めて、必要な書類整備や体制づくりのスケジュールを組み、早めに対応しましょう。移行にあたっては、キャリアパス要件や賃金改善計画の整備などが必要となるため、「いつまでに何を準備するか」スケジュールを具体的に設計しておくことが重要です。
厚生労働省は処遇改善に関して、2024年度に+2.5%、2025年度に+2.0%の賃金ベースアップ目標を示しています。これは「加算の算定要件」そのものではありませんが、政府が処遇改善に求める水準を示した目安と理解するとよいでしょう。
また、2024年度から2025年度にかけての2年間を通して必要な賃金改善原資を充当できる仕組みも明確化されています。つまり、単年度だけでなく複数年度を見据えた運用が可能であり、中長期的な人材確保戦略と合わせて賃金改善計画を立てることが求められます。
厚生労働省:介護職員等処遇改善加算に関するQ&A(第2版)
2025年度からは、事業所の負担を軽減するために一部の要件に弾力的な運用、つまり≪実情に応じた緩和措置≫が認められています。主なポイントは以下の通りです。
これらの弾力化は、「要件を満たすために形式だけの制度を作る」のではなく、事業所の実情に合わせた現実的な対応を可能にする狙いがあります。うまく活用することで、必要以上に形式に縛られずに処遇改善に取り組むことができます。
厚生労働省:「処遇改善加算がさらに取得しやすくなります!」pdf
区分Ⅲ以上を狙う方が、
中長期的に原資・採用力で優位です。
キャリアパスの誓約を使って、
要件のハードルを今期中に越えておきましょう。
では、実際にどの区分を目指すべきなのでしょうか。
「自社の現在地」を把握するため、厚生労働省が提供している「介護職員の改善処遇:移行ガイド」を活用してみましょう。
①自動試算
上記の「移行ガイド」に、サービス名と現行の加算区分を入れるだけで、推奨の移行パターン(①推奨/②次善)と満たすべき要件の一覧を確認することができます。
今年必要な誓約・猶予の可否も明記されているので、これらを活用して、目的の加算を取得するための最短ルートを策定してみましょう。
②到達区分を”Ⅱ以上”に設定
Ⅰ~Ⅳのうち、Ⅱ以上で配分設計の自由度と原資を確保しましょう。
要件は誓約で先行充足できるので、「計画書で宣言」、「社内規定整備・運用」を年度内に達成することができるよう、タイムスケジュールを意識して行動することが重要です。
③人事・賃金ドキュメントの棚卸し
任用基準/研修計画/昇給基準(キャリアパスⅠ~Ⅲ)と、年額440万円の扱い(Ⅳ)、介護福祉士配置(Ⅴ)を「現状→誓約→整備→運用」の順に棚卸ししてみましょう。
この時、「見える化」要件(職場環境等の情報公表)も計画に組み込むようにしてください。
判断に迷ったら、推奨パターンの要件にマークを付けて、
誓約で埋める→期中に証跡を積む、の順で、
スケジュールを前倒しする形で管理してみましょう。
監査にも強い進め方です。
| 加算Ⅰ | 加算Ⅱ | 加算Ⅲ | 加算Ⅳ | |
| 訪問介護 | 24.5% | 22.4% | 18.2% | 14.5% |
| 訪問入浴介護 | 10.0% | 9.4% | 7.9% | 6.3% |
| 通所介護 | 9.2% | 9.0% | 8.0% | 6.4% |
| 介護老人福祉施設(特養) | 14.0% | 13.6% | 11.3% | 9.0% |
| 介護老人福祉施設(老健) | 7.5% | 7.1% | 5.4% | 4.4% |
※処遇改善加算額=総単位数×サービス別「加算率」
※「総単位数」=基本サービス費+他加算減算(処遇改善加算を除く)の1か月合計
厚生労働省:
・介護職員等処遇改善加算に関する基本的考え方 並びに事務処理手順及び様式例の提示について(令和7年度分)
・「『処遇改善加算』の制度が一本化(介護職員等処遇改善加算)され、加算率が引きあがります」pdf
※ほか、特定施設・通所リハ・小多機・認知症GH・介護医療院などの一覧は上記pdf「参考3」を参照。
加算率だけでなく、
「月額配分の下限(加算Ⅳの1/2以上を月額で)」
がボトルネックになりがち。
設計段階で必ず反映しましょう。
申請については、介護職員等処遇改善加算を算定する月の前々月の末日までに行うことが必要です。
令和7年度の申請方法。申請様式については、すべて厚生労働省の公式ページにて、Excel形式の様式が配布されており(記入例つき)、記入方法についての説明動画も展開されています。
厚生労働省:介護職員の処遇改善:加算の申請方法・申請様式
処遇改善加算の届出時に用意する必要のある書類です。
こちらは、これまでは加算区分の変更がなければ体制届の提出は不要でしたが、新加算を取得する場合は、全事業所が提出する必要があります。
旧3加算を取得している事業所であっても提出する必要がありますので、注意してください。
体制等状況一覧表と同様に、処遇改善加算の届出時に提出する必要があります。
今年は事務負担軽減の観点から、旧加算と新加算でひとつの様式にまとめられています。
新加算の提出期限は原則2月末までとなります(ただし、年によっては4月15日になったりすることもあり、毎年発表されます)。
年度最後の加算の支払いがあった月の翌々月末日までに提出する必要があります。
例えば3月請求分の加算の支払いを受けるタイミングが5月の場合は、7月31日が期限となります。
実績報告書作成のポイントについては、弊社の記事でも紹介しておりますので、こちらの記事を参照ください。
実績報告書についても処遇改善計画書と同様、旧加算と新加算がひとつの様式にまとめられています。
新加算を配分する際に気を付けるべきこととして、基本的には①加算の算定額以上の賃金改善をする、②加算の前年度からの増加分以上の賃金改善をする、③加算以外の部分で賃金を引き下げない、の大きく3つがあります。
①加算の算定額以上の賃金改善をする
令和7年度への繰越額を除く、処遇改善関連の加算の算定額以上の賃金改善が必要です。
②加算の前年度からの増加分以上の賃金改善をする
令和5年度と比較して増加した加算の額以上の新たな賃金改善が必要となります。ベースアップ(基本給または決まって毎月支払われる手当の一律引き上げ)が基本とされていますが、難しければ他の手当や一定の要件で、ボーナスと組み合わせて実施しても問題ありません。
③加算以外の部分で賃金を引き下げない
処遇改善加算は、あくまでも賃上げを行うことを目的としたものであり、現在の賃金を下げて、その差分に処遇改善加算を充てるということは制度趣旨にも反し、認められません。
上記①~③を全て満たすことが必要となり、もし満たせない場合には、行政処分となることもあり得ますので、この点は気を付ける必要があります。
新処遇改善加算では職種による配分ルールが廃止され、「介護職員への配分を基本とし、特に経験・技能のある介護職員に重点的に配分することとしつつ、事業所内での柔軟な配分を認める」とされています。これにより、介護職員以外への配分も可能になったと言えます。
ただ、柔軟な配分は認められていますが、職務内容や勤務実態に見合わない著しく偏った配分は望ましくありません。
例えば、一部の職員に加算を原資とする賃金改善を集中させるといったことや、同一法人内の一部の事業所だけに賃金改善を集中させるといったことなどは望ましくないとされていますので、注意してください。
今回の改正はこれまでの制度の
ねらいをより前に推し進める
ための措置と言えますね。
新加算の算定要件は、大きく分けて
①キャリアパス要件
②月額賃金改善要件
③職場環境等要件
の3つがあります。
算定する処遇改善加算の区分により要件が異なり、加算率の高い区分になるほど、要件も増えていきます。
月額賃金改善要件は新加算の全ての区分において満たしている必要があります。
月額賃金改善要件Ⅰは令和7年度から適用になりました。
新加算Ⅳ相当の加算額の2分の1以上を、月給(基本給または決まって毎月支払われる手当)の改善に充てることとされています。
処遇改善計画書に必要事項を記入することで、実際の金額が自動で算出されます。
※旧加算における賃金改善の多くを一時金で行っている場合は、一時金の一部を基本給・毎月の手当に付け替える対応が必要になる場合があります。その場合であっても、賃金総額は一定のままでも問題ありません。
これまでのベースアップ等支援加算(旧ベア加算)の流れを汲む要件になります。これまでの旧ベア加算が未算定の場合のみ適用されるものです。
「新加算に含まれている旧ベア加算相当の増加額」の3分の2以上を、新たな月給の引上げに使う必要があるというものです。
旧ベア加算を取得し月給引き上げを行ってきた事業所との公平性の観点から措置されているものになります。
介護職員について、職位、職責、職務内容などに応じた任用などの要件を定め、それらに応じた賃金体系を整備することとされています。
なお、キャリアパス要件Ⅰ~Ⅲについては、根拠規程を書面で整備した上で、全ての介護職員に周知することが必要です。
介護職員の資質向上の目標と以下a、bのいずれかに関する具体的な計画を策定し、計画に関する研修の実施または研修の機会を確保することが必要です。
a 研修機会の提供または技術指導などの実施、介護職員の能力評価
b 資格取得のための支援(勤務シフトの調整、休暇の付与、費用の援助など)
介護職員について、以下a~cのいずれかの仕組みを整備することが必要です。昇給に関する仕組みづくりを促すことがねらいです。
a 経験に応じて昇給する仕組み
b 資格などに応じて昇給する仕組み
c 一定の基準に基づき定期に昇給を判定する仕組み
経験・技能のある介護職員のうち1人以上は、賃金改善後の賃金額が年額440万円以上であることが必要です。
※小規模事業所などで加算額全体が少額である場合や、職員全体の賃金水準が低く1人の賃金を引き上げることが困難な場合などは適用が免除されます。
経験・技能のある介護職員の定義
-「介護福祉士の資格を持ち、所属する法人等における勤続年数10年以上の介護職員」が基本とされていますが、他の法人における経験や、職員の担当業務や技能などを踏まえて各事業者の裁量で設定することができるとされています。
サービス類型ごとに一定以上の介護福祉士等を配置していることとされています。
具体的には、新加算等を算定する事業所又は併設する本体事業所においてサービス類型ごとに別紙1表4に掲げるサービス提供体制強化加算、特定事業所加算、入居継続支援加算又は日常生活継続支援加算の各区分を算定している必要があります。
新加算Ⅰ・ⅡとⅢ・Ⅳで要件が異なります。
なお、それぞれに令和6年度の経過措置が設けられています。
・新加算Ⅰ・Ⅱの要件
6つの区分ごとにそれぞれ2つ以上(生産性向上は3つ以上、うち一部は必須)取り組むこと。
情報公表システム等で実施した取組の内容について具体的に公表すること。
・新加算Ⅲ・Ⅳの要件
6の区分ごとにそれぞれ1つ以上(生産性向上は2つ以上)取り組むこと。
多くの要件がありますが、
目指す加算区分には何が必要なのか
整理するようにしましょう。
「最終月に3か月分まとめて精算」といったようなケースも、
Q&Aで明記するようにしましょう。
早めのシュミレーションで、運用月のズレを未然に防ぎましょう。
新加算Ⅰ~Ⅳを取得するために達成する必要のある各要件との対応は次のようになっています。
下記表の加算率は、訪問介護事業を例として記載しています。

(出典:厚生労働省 介護職員等処遇改善加算の全体像)
2025年6月以降は前々月末が原則です。(4・5月算定分は4/15までの特例)
キャリアパスⅠ~Ⅲ、ならびに職場環境等要件はR7年度中の対応誓約で可能です。
賃上げが困難で合理的説明はあれば免除可能です。
計画書で根拠と方針を明確に示すことができるようにしましょう。
厚生労働省:「『処遇改善加算』の制度が一本化(介護職員等改善加算)され、加算率が引きあがります」pdf よりご確認ください。
不足分を一時金で追加配分すれば、返還を求めない扱いも可能としています。
厚生労働省:介護職員等処遇改善加算に関するQ&A(第2版)(令和7年3月17日)
新たな介護職員等処遇改善加算は、従来の加算に比べて介護職員だけでなく多職種の処遇改善を目指しており、より幅広い職員に対する処遇の改善が可能になりました。
また、キャリアアップ支援や職場環境の改善といった取り組みが重視され、職場全体の質の向上も図られ、職員のモチベーション向上や離職率の低下に繋がり、結果として一層の人材確保が目指されています。
加算申請には、各種届出を正確に行っていく必要があります。
加算の趣旨を理解し、職員の処遇改善やキャリアアップ支援に積極的に取り組まれている事業所の皆さんの支えとなるよう、弊社もお手伝いしてまいります。
処遇改善加算も活用しながら
よりよい職場環境をつくり
職員定着に繋げていきましょう。
(参考資料)
この記事は厚生労働省の公式サイト、資料を参照し作成しています。
公式サイト:
介護職員の処遇改善:TOP・制度概要/
介護職員の処遇改善:移行ガイド/
介護職員の処遇改善:加算の申請方法・申請様式
資料:
処遇改善加算がさらに取得しやすくなります!/
介護職員等処遇改善加算に関する基本的考え方 並びに事務処理手順及び様式例の提示について(令和7年度分)/
令和7年度の介護職員等処遇改善加算の取得に係る処遇改善計画書の提出期限について/
「処遇改善加算」の制度が一本化(介護職員等処遇改善加算)され、加算率が引き上がります/
介護職員等処遇改善加算に関するQ&A(第2版)(令和7年3月 17 日)
公開日 2025/07/24
みなさん、こんにちは!
社会保険労務士法人エンジーでは、介護施設や障害福祉サービスを運営している事業者様に向けて、様々な情報を発信しています。
介護・福祉施設の運営・経営をしていると「36協定の届出を出さなければいけないけど…」「そもそも36協定ってどんな内容だっけ?」「残業の上限規制はどうなっているんだっけ?」といった疑問が生まれることがあると思います。
36協定について一度は耳にしたことがあっても、実際にどのような内容なのか理解していない人が多いのではないでしょうか。
今回のブログでは、そんな36協定への疑問を解決するガイドとなりますので、ぜひ最後までご覧ください。
36協定は「サブロク協定」と読み、労働基準法で定められた法定労働時間「1日8時間、週40時間」を超えて従業員に残業(時間外労働)や休日労働をさせる場合に、使用者と従業員の間で締結する協定のことです。
正式名称は「時間外・休日労働に関する協定」で、労働基準法第36条に規定されていることから、一般的に36協定(サブロク協定)と呼ばれています。
36 協定を締結 + 所轄労基署へ届出しない限り、法定労働時間(1 日8 h/週40 h)を超える残業や法定休日出勤は一切させてはいけません。また、協定を作成していても届出より前の残業・休日労働は違法となります。
上記のように、36協定の控えの提示を求められた際に発覚することもあります。
「あとから出せばセーフ?」と思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、これは間違い。届出日以前の残業は全て違法となりますので、きちんと届出ることが必要です。
労働基準監督署から行政指導のリスクもあります。悪質・再犯・虚偽報告の場合は過去に書類送検されるケースも。
きちんとルールに則って経営・運営していくためにも、しっかりポイントを押さえておきましょう!
先ほどもご説明いたしましたが、労働基準法第36条に規定されています。協定を締結し、労基署へ届け出て、初めて時間外・休日労働が合法になります。
原則として月45h・年360hが上限となります。
特別条項を付けた場合でも、年720h・複数月平均80h(単月100h)が絶対上限です。
36協定における労働者代表は、労働者の過半数を代表する者のことです。この代表は労働者の意見を会社に伝える重要な役割を担うのですが、「投票または挙手」で公正に選ぶ必要があり、管理監督者や会社の意向で選ばれた者は労働者代表にはなれません。
夜勤も法定労働時間を超える部分は36協定の対象となります。勤務間インターバルが11h未満だと違法残業リスクありと判断されますので、注意が必要です。
介護業界では《夜勤明け+日勤入り》の連続勤務が多くなりやすいので、上限時間よりインターバル確保の指導が増えています。
1日8時間、週40時間の法定労働時間を超えて残業を命じる場合は、36協定の届出が必要になります。
ここで注意するべきポイントは「法定労働時間」と「所定労働時間」です。
所定労働時間とは、会社が就業規則などで取り決めている労働時間のことです。
たとえば「9時出社 休憩1h 17時退勤」と会社で定めた労働時間だった場合、所定労働時間は7時間となります。18時まで残業した場合は1時間残業したことになりますが、7時間+1時間=8時間ですので、法定労働時間「1日8時間」を超えないことになります。
この場合は、36協定を結ぶ必要はありません。
法定休日とは、労働基準法第35条で定められた労働者に必ず提供しなければならない休日のことです。
1週間に最低でも1回、もしくは4週間を通して4回以上の休日を設ける必要があると定められていますので、法定休日に労働を命じる場合も36協定の締結は必須です。
厚生労働省の最新様式は「一般条項=様式第9号」「特別条項=様式第9号の2」となります。
押印欄が削除され、法人番号欄と労働者代表署名欄が明確化されました。Word/PDF は厚労省サイトで取得できます。
電子申請なら「本社一括」扱いができるようになり、グループ施設を持つ法人様は提出工数を劇的に削減できます。
ただし36協定届を協定書として兼ねる場合、労働者代表の署名欄は PDFを印刷して「署名または記名押印」する必要があります。オンラインで提出する場合は、再度スキャンしてデータ化する手間がありますので、スケジュールに余裕を持っておきましょう!
| 項目 | 記入例 |
|---|---|
| 時間外労働の限度 | 1日2h/月35h/年360h |
| 休日労働 | 月1回・年6回以内 |
| 協定期間 | 2025/4/1~2026/3/31 (基本的に期間は1年間) |
小規模事業所の残業は『送迎の際に予定より時間がかかった』など突発要因が中心です。上限を月35hとやや低めに設定すると、翌年度に是正勧告を受けにくくなります。
| 項目 | 記入例 |
|---|---|
| 限度時間超えの延長 | 年720h 以内 |
| 休日労働 | 100h |
| 協定期間 | 80h以内 |
| 特別条項発動要件 | 「利用者急変・看取り」、「感染症拡大による欠員」ほか3項目 |
特別条項を入れる場合、「発動要件」を介護現場の具体語で書くのがポイント。
『繁忙期』だけだと監督署ヒアリングで突っ込まれますので、気をつけましょう。
厚生労働省で公開されている記載例も参考にご案内いたします。
》厚生労働省|「36協定届(一般条項・特別条項)記載例」(PDF)
| ミス内容 | 指摘内容 | 防止策 |
|---|---|---|
| 労働者代表が管理職 | 代表要件違反 | 勤務区分が“管理監督者以外”か確認 |
| 特別条項なしで月60h残業 | 上限超過 | 特別条項を付ける、もしくは残業抑制 |
| 夜勤明けの休憩の扱い | 夜勤明けを休憩扱いしてしまっている | 勤務間のインターバルを確保 |
| 掲示・周知なし | 労基法106条違反 | 食堂や共有PCにPDF掲示 |
夜勤明けを“休憩”に入れてしまう誤記は 年間200件超 の是正事例がある典型ミス。就業規則と賃金台帳、36協定が“同じ言葉”で書かれているか、必ず照らし合わせましょう。
法律上の上限はありません。ただし毎年の見直しを推奨していますので、年に一度時期を決めて確認するようにしましょう。介護報酬改定やシフト変更に合わせて更新することも必要です。
電子は即日〜3日、紙は1週間前後が目安となります。急ぎの場合は、e‑Gov一択で考えていいでしょう。
電子申請については、以下厚生労働省の公式サイトをご確認ください。
》厚生労働省|労働基準法等の規定に基づく届出等の電子申請について
「夜勤 16h → 9h休息 → 早番」がよく問題視されます。インターバル不足は是正指導の対象となる可能性もあります。
令和8年4月の新年度開始を見据え、介護事業所で36協定を更新・新規締結するなら、労使協議→協定書締結→労基署届出 の3ステップを「協定発効日の30日前」から逆算し、代表者選出議事録も同時に準備することで、手戻りなく完了できます。
さらに、代表者が管理職だった/押印欄の記名漏れ/特別条項の上限値誤記といった《返戻の定番ポイント》を事前に潰しておくことが、是正勧告や残業代遡及を防ぐ最短ルートです。
36協定は毎年必ず提出しなくてはならない届出です。労使間で合意した有効期間の開始日までに必ず36協定届を提出するように準備をしていきましょう。
社会保険労務士法人エンジーでも、介護福祉に強みを持つ専門家として、皆様を全力でサポートしていきます。様々な課題や具体的な対策について、ぜひ一度お気軽にお問い合わせください。
この記事は厚生労働省の情報を基に作成しています。最新情報は公式ページでご確認ください。
公開日 2025/07/19
最終更新日 2025/07/24
みなさん、こんにちは!
社会保険労務士法人エンジーでは、介護施設や障害福祉サービスを運営している事業者様に向けて、様々な情報を発信しています。
前回のブログ記事でも解説した令和7年10月から本格開始となる「就労選択支援」を、愛知県でスムーズに立ち上げたい事業者さま向けに、指定申請の流れ・つまずきやすいポイント・最新基準をまとめました。
社会労務士法人エンジーでは「無料相談」もご用意していますので、ぜひ最後までご覧ください。
就労選択支援は、障害者総合支援法の改正で新設された短期集中アセスメント型サービスです。
従来は、働く力と意欲のある障害のある方が「移行支援」「継続支援」「一般就労」のいずれかを選択し、そのまま利用開始する仕組みでしたが、実際には「自分に合わないサービスを選んでしまい、すぐに辞めてしまう」というミスマッチが多く発生してしまっていました。
そういったミスマッチをなくすために、利用前に本人の希望・適性・能力を可視化し、最適な進路を選べるようにと新たに設けられたのが「就労選択支援制度」であり、利用者が自分に最適な働き方や今後の支援形態(就労移行・A型・B型など)を選べるよう、最大1年間の個別支援を行います。
制度は令和7(2025)年10月1日開始が予定されており、以降に新規で B型を利用する場合は原則として就労選択支援を経由する流れになります。
B型を直接利用できなくなる点に現場がまだ追いついていません。競合がまだ少ない今のタイミングでは開設が1〜2期先行するだけで、利用定員の充足や補助金の採択率などでキャッシュフローが有利になります。
就労選択支援制度について解説しているブログ記事も以下の通り書かせていただいていますので、こちらも合わせてご覧ください。
》【2025年10月施行】就労選択支援制度とは?目的や他の制度との違いを介護福祉専門社労士が詳細に解説!
愛知県で就労選択支援事業を始めるなら、まさに今が“先取り”のタイミングです。利用を希望する方が増えている一方で、受け皿となる事業所はまだ少なめ。県も新規参入を後押しする補助制度を用意してくれています。ここでは、早めに動くことで得られるメリットと、愛知県ならではの手続き上の注意点を整理してご紹介します。
愛知県は製造業が盛んで障害者雇用が活発化しています。
就労移行・ B 型の定員不足が続いており、選択支援を経由することで利用者の「職場定着率アップ」が期待されています。さらに県は 2025年度より、支援実績に応じた独自加算(予定) を検討しており、早期参入ほど財政インセンティブを受け取れる可能性があります。
愛知県では、①図面相談 → ② 指定申請書受付というシンプルな2段階制を採用しています。図面相談を事前にクリアしないと申請書そのものを受理してもらえない仕組みで、ここが最大の《関門》です。
愛知県は“図面相談さえ通過すれば、翌月1日付指定も狙える” スピード感が特徴ですが、そのぶん、図面相談での指摘や返戻は少なくありません。
面積計算や用途表示にミスがあるとスケジュールが1か月ずれ込むので、相談締切(希望指定日の約3か月前)から逆算した準備が鍵となります。
| ステップ | 概要 | 目安時期 (指定希望日から逆算) |
|---|---|---|
| 1 | 図面相談(事前審査) | 〜3か月 |
| 2 | 人員・設備基準の確認 | 〜2か月 |
| 3 | 収支確認(A 型のみ) | 〜1か月半 |
| 4 | 指定申請書提出(郵送) | 〜1か月 |
| 5 | 現地確認・指定通知 | 〜半月 |
県は「希望日の前月1日必着」を目安に審査を組んでいます。ゴールから逆算し、図面相談は3 か月前には終えておきましょう。
次に、運営基準について順番に見ていきましょう。
(愛知県公式サイトの情報を基に作成しています。最新情報は公式ページでご確認ください。)
10名
愛知県では、事業者が《地域から期待される役割を果たすことが重要である》との観点から、指定に当たり、原則協議会または市町村による評価内容の提出を求めています。ただし、既に協議会に参画している事業者については、評価を必須としないこととされています。
就労選択支援員養成研修を修了した者
令和9年度末までは、「独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構 JEED等が実施する基礎的研修、または以下に掲げる「基礎的研修と同等以上の研修」修了者を就労選択支援員とみなすこととなっています。
基礎的研修と同等以上の研修
それぞれの設備にも基準が設けられていますので、以下の表を参考にチェックください。 詳しい内容は愛知県から公開されております「図面相談マニュアル(PDF)」をご確認ください。
| 事務室※ | □事業の運営を行うために必要な面積を有するか。 □他の部屋に行く際に事務室を通る動線となっている場合、パーテーションやカーテン等の目隠しが設置されているか。 |
|---|---|
| 訓練・作業室 | □内寸で定員×2㎡以上の広さを有するか。 □複数の訓練・作業室を設ける場合、訓練・作業室①、訓練・作業室②のように番号を付しているか。 □一体的に運営する就労実績がある事業所とは別に、専用の訓練・作業室を確保しているか(図面上に明示すること)。 |
| 多目的室 | □内寸で定員×2㎡以上の広さを有するか。 □複数の多目的室を設ける場合、多目的室①、多目的室②のように番号を付しているか。 □就労選択支援の場合、多目的室全部を相談室と兼ねてもよい(以下の平面図例参照)。 |
| 相談室※ | □多目的室と兼ねる場合、室内における談話の漏洩を防ぐため、パーテーション等が設けられているか。 □事業所専用の相談室が設置されているか。訪問系・相談系のサービスを同一建物内で実施する場合、それぞれ相談室を確保しているか(図面上に明示すること)。 □相談に対応するための適切なスペース(机と4人分の椅子が設置できる広さ)を有するか。 |
| 洗面所※ | □利用者の特性に応じたものであるか。 □トイレ使用中に利用者が使えない構造となっていないか。 |
| 便所※ | □利用者の特性に応じたものであるか。 |
※同一事業所において一体的に運営している就労実績のある他のサービスとのみ、兼用しても差し支えありません。
| 設備要件 | 相談室(個室可)、作業訓練室、多目的室、休憩スペース |
|---|---|
| 経費補助 | 対象設備を導入した場合、障害者就労施設等整備費補助金(国 1/2・県 1/4)を活用可能。2025 年度は 4 月に公募開始が見込まれています。 |
研修の受講証は「写し(コピー)」ではなく「原本スキャン(データ)」を求められるケースが増えています。二度手間にならないように、添付前に確認しておきましょう!
▼厚生労働省 公開様式ダウンロードはこちら 》就労選択支援 指定申請様式
※愛知県独自の書式と混同しないようご注意ください。
毎月ですが、図面相談が通過していること が前提となります。愛知県は月初2営業日までに申請書が到着していれば、同月1日付で指定が可能です。
愛知県社会福祉協議会・名古屋市総合リハビリテーションセンターなどが年3〜4回開催しています。早めに枠が埋まるため、開設予定日の半年前には申込をしておくのがいいでしょう。
可能ですが、活動区分ごとの面積 を明確に分け、動線上の交差がないよう図面上で示す必要があります。
令和7年10月の制度施行を見据え、愛知県で就労選択支援を開設するなら 図面相談→申請書受付 の2段階審査を軸に逆算スケジュールを立てることで、スムーズに進めることができます。
また、図面PDFは14MB以内など県独自の提出ルールがあります。面積計算や雇用契約書の添付漏れといった《返戻の定番ポイント》をあらかじめ潰しておき、一次審査で完結させることが、開設月遅延を防ぐ最短ルートです。
さらに「障害者就労施設等整備費補助金」など複数の補助金・助成金を組み合わせれば、内装・設備費を最大3分の1まで圧縮できる可能性があります。
制度の立ち上げ期で競合が少ない今こそ、資金と書類の準備を同時並行で進め、先行者メリットを確実に獲得しましょう。
社会保険労務士法人エンジーでも、介護福祉に強みを持つ専門家として、皆様を全力でサポートしていきます。様々な課題や具体的な対策について、ぜひ一度お気軽にお問い合わせください。
この記事は厚生労働省通知および愛知県公式サイトの情報を基に作成しています。最新情報は公式ページでご確認ください。