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「指定申請、書類が多すぎて何から手をつければいいか分からない」担当者が最初にやるべき3ステップ

「指定申請、書類が多すぎて何から手をつければいいか分からない」担当者が最初にやるべき3ステップ

公開日 2026/01/16

みなさん、こんにちは!

社会保険労務士法人エンジーでは、介護施設や障害福祉サービスを運営している事業者様に向けて、様々な情報を発信しています。

新規指定やサービス追加の指定申請。

いざ手続きを始めようとすると、「指定申請書、付表、運営規程、勤務表、図面…」と、書類の多さに圧倒された経験はありませんか?

特に、

  • 管理者になったばかり…
  • 事務長として初めて指定申請を任された…
  • 前任者のやり方が引き継がれていない

など、こうしたケースでは、何から始めればいいのか分からない」こと自体が最大のストレスになってしまいます。


この記事では、指定申請の初動で必ず押さえるべき3ステップと、各ステップで確認しておきたいポイントをチェックリストでまとめました!


ぜひ最後までご覧ください!

まずは書類作成に入る前に行う準備から

指定申請で混乱してしまう担当者の多くは、 書類の書き方そのものではなく、準備の進め方が整理されていない状態で作業を始めてしまっています。

「とりあえず作れそうな書類から手をつける」「分かるところだけ先に進める」こうした進め方は一見効率的に見えますが、後から書類の追加や修正が発生しやすく、結果的に遠回りになりがちです。

そこでまず意識したいのが、書類作成に入る前におさえておきたい3つのステップです。
この順番を意識するだけで、指定申請の進めやすさは大きく変わります。


一般的に、指定申請の際の準備は、以下の順番で考えることができます。

①必要書類をすべて「見える化」する

指定申請に着手する際、最初にやるべきことは「書類を作ること」ではありません。まずは、何が必要なのかをすべて把握し、全体像を見える状態にすることです。

指定申請では、自治体ごと・サービス種別ごとに求められる書類が異なります。

そのため、書類作成をしている最中に、さらに必要な書類があることに後から気づいてしまうケースが少なくありません。

こうした混乱を防ぐためにも、最初の段階で、指定申請書、付表、運営規程、勤務体制表、平面図など、提出が求められる書類名を一通り洗い出しておくことが重要です。

 

この時点では、内容を理解しきれていなくても問題ありません。
大切なのは、これだけの書類が必要なんだという
ボリューム感を把握できている状態をつくることです。

②新たに作るもの/再利用できるものを仕分ける

次に行いたいのが、洗い出した書類を、ゼロから作る必要があるもの既存資料をベースに対応できるものに分ける作業です。

指定申請というと、すべての書類を一から作成しなければならないように感じますが、実際には、法人情報や既存サービスで使用している書類など、必要に応じて内容を一部修正することで対応できるものも少なくありません。

一方で、 サービス追加や新規指定により 運用内容そのものが変わる部分については、慎重な作成が必要になります。

特に、訪問介護計画書勤務体制に関わる書類は、 実態と合っていないと修正指示が入りやすいポイントです。

この段階で、どの書類に時間をかけるべきか、どの書類は効率よく進められるかを整理しておくことで、作業の優先順位がはっきりします。

③提出日から逆算してスケジュールを引く

最後に欠かせないのが、提出日を起点にしたスケジュール設計です。

指定申請は、書類を提出して終わりではありません。
提出後に、表現の修正や追加資料の提出を求められることも多く、一定のやり取りが発生することを前提に進める必要があります。

そのため、提出期限ギリギリに書類が完成したり、管理者や代表の確認が後回しになるような進め方は、リスクが高くなります。

提出日から逆算し、初稿の完成日や内部確認のタイミング、修正対応の余裕期間をあらかじめ組み込んでおくことで、慌てることなく落ち着いて申請準備を進めることができます。

 

指定申請をスムーズに進めるために重要なのは、
書類を書き始める前の「整理」と「段取り」です。

ここまで整理した3つのステップを踏まえて次に進むことで、指定申請の準備は、迷いなく進められるようになります。


ここからは、各ステップごとに詳しい内容をみていきましょう。

STEP1|必要書類をすべて「見える化」する

指定申請に取りかかる際、多くの担当者が最初にやってしまいがちなのが、「書けそうな書類から、とりあえず作り始めること」です。しかし、この進め方は後から手戻りが発生しやすく、結果的に申請全体を複雑にしてしまう原因になります。

指定申請の初動で本当に重要なのは、書類を作ることではなく、全体を整理することです。

なぜ最初に整理が必要なのか

指定申請に必要な書類は、全国共通で完全に統一されているわけではありません。
サービスの種類や、管轄する自治体によって、求められる書類の内容や名称、添付の考え方に違いがあります。

また、必要書類の全体像を把握しないまま作業を始めてしまうと、途中で新たな書類が追加され、すでに作成した書類を修正しなければならないケースも出てきます。

インターネット上の情報や、他事業所の事例だけを参考に進めてしまうと、管轄の自治体や、申請するサービスとして必須だったという書類が後から判明することも少なくありません。

こうした事態を防ぐためにも、最初の段階で、自分の事業所が提出すべき書類をすべて洗い出し、一覧として把握することが重要です。

この時点では、書類の中身をくまなく理解したり、完成させる必要はありません。
まずは、どれだけの書類があり、どんな種類のものが求められているのかを把握することが、指定申請をスムーズに進めるための土台になります。

公的機関が示す、指定申請に対する基本的な考え方

指定申請に必要な書類の考え方は、厚生労働省が示している「介護サービスの指定・許可申請」の枠組みをベースにしています。

この枠組みに沿って、各都道府県や市町村が、自らの運用に合わせた「添付書類一覧」を作成・公開しているのが実務上の流れです。

例えば、愛知県や名古屋市が公表している指定申請関連資料を見ると、提出が求められる書類が、比較的分かりやすく整理されていることがわかります。

一般的には、次のような書類が並ぶことになります。

・指定申請書
・サービスごとの付表
・勤務体制・勤務形態一覧表
・平面図/設備一覧
・運営規程
 

必要書類の一覧を確認することで、
何となく大変そう…という感覚が、
これだけの書類を準備すればいいという具体的な認識に変わります。

必要書類を見える化するためのチェックリスト

ここまでの内容を踏まえ、STEP1で行うべきことは、必要書類を完成させることではなく、「洗い出して並べること」です。

以下のチェックリストに沿って進めてみてください。

①管轄自治体の公式資料を確認

□ 自事業所の管轄が「愛知県」か「名古屋市」かを確認した(例)
□ 上記、管轄を理解したうえで適切に指定申請に関する公式ページへアクセスをした
□ 添付書類一覧(チェックリスト形式の資料)を確認した
 

②添付書類一覧を見ながら、書類名を一覧化

□ Excel/スプレッドシート/紙など、一覧に残る形で書き起こせているか
□ 添付書類一覧の1行目から順番に確認したか
□ 書類名を、省略化せずに正しい名称でデータやメモに書き写したか
(「一式」「別紙含む」などの注記もそのまま把握したほうが、のちの混乱を防げます)
□ 必要書類の種類が混同しないよう、簡潔に整理できているか
(例:1行につき1書類になるよう並べるなど)


上記2つのチェックリストの項目をすべて満たすことができていれば、次のステップである「どの書類を自社で作るのか」「どこを再利用できるのか」といった判断がスムーズになります。

 

STEP2|新たに作るもの/再利用できるものを仕分ける

STEP1で必要書類をリストアップできたら、次に行うのが、それぞれの書類をどう扱うかを整理する作業です。指定申請が大変に感じられる原因の一つに、すべての書類を一から作らなければならないと思い込んでしまうことが挙げられます。

しかし実際には、既存の書類をベースに修正・流用できるものと、 新たに作成・見直しが必要なものを区別することができるようになっています。

 

この区別をつける「仕分け作業」を行っておくことで、
作業量の見通しが立ち、どこに時間をかけるべきかが明確になります。

実は流用(再利用)できる書類は多い

次のような書類は、内容を確認し一部修正することで対応できるケースが少なくありません。

法人情報(登記事項証明書、定款)

これらは法人そのものに関する書類のため、新規指定やサービス追加があっても、原則として内容が変わらないことがほとんどです。
ただし、直近で役員変更や事業目的の追加がある場合は、 記載内容が最新かどうかの確認が必要になります。

既存サービスの運営規程(加筆・修正)

すでに別サービスで運営規程を作成している場合、全体構成や基本的な考え方は流用できることが多いです。ただし、サービス種別ごとに求められる運営内容は異なるため、サービス追加部分については表現の追加や修正が必要になります。

既存の勤務体制表(人員差し替え)

人員配置の考え方自体は共通でも、サービスごとに配置基準や必要職種が異なります。
そのため、フォーマットは流用しつつ、人員構成や勤務時間をサービス別に見直すことが重要です。

平面図(同一フロアの場合)

同じ建物・同じフロアでサービスを行う場合、図面自体は再利用できることがあります。
ただし、サービス追加によって使用スペースや設備の位置が変わる場合は、図面上の表記修正が必要になります。

一方で、新規作成・慎重な確認が必要な書類

次のような書類については、「とりあえず他から流用してみよう」といったことが難しく、内容を十分に理解したうえでの新規の作成や丁寧な見直しが欠かせません。

サービスごとの付表

付表は、人員配置、設備、運営体制などをサービスごとに具体的に示す重要な書類です。記載内容と実態が一致していないと、修正指示が入りやすいポイントでもあります。

勤務体制・勤務形態一覧表(サービス別)

同じ職員が複数サービスを兼務する場合でも、サービスごとに「誰が、どの時間帯に、どの業務に従事するのか」を明確に示す必要があります。単なる人員名簿にならないよう注意が必要です。

訪問介護計画書などの様式・運用ルール

これらは実際の運営や記録と直結する書類です。形式だけ整っていても、現場で運用できない内容では意味がありません。実態に即した内容になっているか、慎重な確認が求められます。

運営規程(サービス追加部分)

新たに明記する必要があります。書き漏れがあると、指定そのものに影響が出る可能性もあります。既存の情報や書類を流用できるものと、新たに作るべきものを仕分けせずに進めてしまうと、後になって「結局ほとんど作り直しになってしまった…」という事態になりがちです。


STEP2は、作業負担を減らすための工程であり、指定申請全体をスムーズに進めるための重要な分岐点です。

仕分け作業のチェックリスト

以下のチェックリストに沿って、きちんと書類の整理ができているか確認してみましょう。

□ STEP1で作成した書類一覧を元に整理することができているか
□ 各書類について「流用できる/新規作成が必要」を判断した
□ 流用できる書類については、修正が必要な箇所を把握した
□ 新規作成が必要な書類がどれか、明確になっている


このチェックリストを満たすことができていれば、次のSTEP3では、どの書類から、どの順番で作るかという具体的なスケジュール設計に進むことができます。

 

STEP3|提出日から逆算して「作成スケジュール」を引く

STEP1・STEP2を終えて、提出書類にはどんな種類があるのか、どれを新たに準備する必要があるのかを整理することができたら、いよいよ具体的な作業に入ります。

ただし、この段階で多くの担当者がつまずくのが、スケジュールを立てずに作業を始めてしまうことです。

指定申請は、書類が完成したら終わりではありません。
むしろ、完成したあとにこそ、 修正や確認といった作業が集中します。

「締切日=ゴール」と考えると、ほぼ確実に失敗する

指定申請でよくある失敗は、締切日=書類完成日と考えてしまうことです。

しかし実務では、

  • 提出後に修正指示が入る
  • 表現や数値の微調整を求められる
  • 管理者・代表の確認が想定より遅れる

といったことは、ほぼ必ず起こると考えたほうが安全です。

つまり、締切日とは「提出できる最終日」ではなく、「何もトラブルが起きなかった場合の最終ライン」だと想定しておきましょう。

スケジュールは「4つの日付」に分解して考える

提出日から逆算する際は、締切を次の4段階に分解すると、スケジュールが一気に現実的になります。

①書類の初稿が一通り揃う日
②内部確認日
③修正対応ができる最終日
④自治体への提出日(締切日)

この順番に日付を決めていきます。

スケジュール設定の際のイメージ

仮に、指定申請の提出期限が4月30日※だとした場合、多くの事業所で無理のないスケジュールを組むと、次のような逆算になります。

書類作成における各段階

目安となる日

①初稿準備完了

4月10日頃

②内部確認

4月15日頃

③修正対応ができる最終日

4月20日頃

④提出日

4月30日

※本記事では、説明を分かりやすくするため、例として「4月30日」を提出期限としています。

※指定申請の締切は自治体や申請内容によって異なりますが、月末を締切として設定しているケースが多くあります。ご自身の申請では、必ず管轄自治体が定める実際の提出期限に置き換えて考えてください。

①初稿準備完了

1つ目のポイントは、締切の2〜3週間前に「初稿完成」を置くことです。
指定申請の修正指示は、1か所だけ直せば終わりというものばかりではありません。

  • 表現をそろえてほしい
  • 別の書類と整合性を取ってほしい
  • 運営規程と付表を見直してほしい

など、複数書類にまたがる修正になることも多くあります。

そのため、 修正対応の時間をあらかじめ確保しておかないと、「どこから直せばいいか分からない」「締め切りまでに間に合うかどうかわからない」といった状態に陥ります。

②内部確認日

2つ目のポイントは、管理者・代表の確認は作業ではなく予定として押さえることです。
これは担当者の能力や努力だけではコントロールできません。

だからこそ、「この日までに見てもらう」「この週で押印まで終わらせる」といった予定として、あらかじめ日程を確保することが必要です。

 

後回しにすると、書類が完成しているのに、
印鑑が押せないから出せない…といった
もったいない事態が起こります。

③修正対応ができる最終日

そして、3つ目のポイントは、提出期限までに修正が入っても対応できる余裕が残っている最後の日を設定できていることです。
指定申請では、書類を提出したあと、ほぼ確実に何らかの修正指示が入りますが、その内容は

  • 表現を少し直せば終わるもの
  • 数字や人員配置の整合性を取るもの
  • 別の書類も一緒に直す必要があるもの

など、修正にかかる手間や時間がバラバラです。

修正内容によっては、再度、管理者や代表の確認・押印が必要になるケースもあり、修正のために動ける日が残っていなかったという状態になると、途端にスケジュールが崩れてしまいます。だからこそ、あらかじめ、ここを過ぎたら、もう大きな修正は受けられないというラインを引いておく必要があります。

 

ここまで見てきたように、STEP3でやるべきことは、どの段階で、どこまで終わっていれば安心かを決めることです。そのために、 提出日、修正対応の最終ライン、内部確認、初稿完成といった節目を先に設定することが重要になります。

この考え方を踏まえたうえで、自分の案件に当てはめてスケジュールが引けているかを確認してみてください。

スケジュール設定時のチェックリスト

□ 提出期限を起点に、逆算で日付を設定している
□ 初稿完成日を、締切の2〜3週間前に置いている
□ 内部確認のタイミングを具体的な日付で想定している
□ 修正対応に使える期間を、あらかじめ確保している

まとめ

指定申請でつまずく原因の多くは、知識不足ではなく進め方が整理されていないことです。
3ステップで段取りを整えることで、申請準備は誰でも再現できる業務になります。
一方で、自治体ごとの運用差や書類同士の整合性など、判断に迷う場面も必ず出てきます。
社会保険労務士法人エンジーでは、次のような点で実務をサポートしています。

  • 指定申請に必要な書類の整理・抜け漏れチェック
  • 流用できる書類と新規作成が必要な書類の切り分け
  • 運営規程・勤務体制表・付表などの実務的な確認
  • 提出日から逆算した、無理のないスケジュール設計の支援

「この進め方で合っているか不安」「途中で一度整理したい」と感じたタイミングで、外部の視点を入れることで、手戻りや差し戻しを防ぐことができます。

指定申請をきっかけに、バックオフィス業務を仕組みとして整えたい方は、ぜひ一度、社会保険労務士法人エンジーにご相談ください。



(参考資料)
この記事は以下の資料を参照し作成しています。

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