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【2024年 令和6年度 最新】放課後等デイサービスの報酬改定 これだけは押さえておきたいポイント!

著者:enjie_me-admin

【2024年 令和6年度 最新】放課後等デイサービスの報酬改定 これだけは押さえておきたいポイント!

みなさん、こんにちは!

社会保険労務士法人エンジーでは、介護施設や障害福祉サービスを運営している事業者様に向けて、様々な情報を発信しています。

2024年(令和6年)度 報酬改定について、押さえておきたい最新情報をまとめました。

今回は、令和6年2月6日「障害福祉サービス等報酬改定検討チーム」より公表された、報酬改定、法改正の概要から、特に「放課後等デイサービス」に関わる法改正の内容について、ポイントをまとめてわかりやすく解説いたします。

放課後デイ「基本報酬」の押さえておきたい変更ポイント

放課後等デイサービスの「基本報酬」が、
支援時間によって3つの区分に!

まずは、放課後等デイサービス(定員10名・医療ケア/重心児以外)の旧制度と新制度の基本報酬を比較しました。

旧制度

授業終了後 604単位
学校休業日 721単位

 

新制度

区分1 130分以上1時間30分以下 574単位
区分2 1時間30分以上3時間以下 609単位
区分3 3時間超5時間以下 666単位

・医療的ケア児以外で旧区分1(3時間以上)の場合
・利用定員10人以下の場合

旧制度では授業終了後の単価は604単位、学校休業日の単価は721単位でしたが、新制度においては、授業終了後と学校休業日という区分けがなくなり、支援時間によって3つの区分が採用されることとなりました。

PICK UP!

  • 「30分以上」という下限が設定された
  • 「区分1~3」の時間区分が設定された

上記2点が、今回の方改訂・報酬改定での大きな変化と言え、現代のライフスタイルを鑑みて延長支援加算も拡充されたことで「預かりニーズ」への対応の評価が増しました。

ただし平日は「区分1」「区分2」のみの算定となり、「区分3」については、学校休業日のみ算定できるという点に注意が必要です。

放課後デイ「加算」の押さえておきたい変更ポイント

 

今回の改定において、「基本報酬」だけでなく「加算」の仕組みも大きく変動することとなりました。以下に主な加算について変更点などをまとめましたので、ご覧ください!

なお、児童発達支援・放課後等デイサービス共に加算の単位は共通となります。

児童指導員等加配加算は、
「配置形態」や「経験年数」に
応じて評価することに

旧制度の児童指導員等加配加算は専門職による支援を評価していましたが、今後は「専門的支援加算」に統合されることとなりました。

 

 

新制度の児童指導員等加配加算は
「配置形態(常勤・非常勤等)」や「経験年数」に
応じて評価することとなります。

旧制度

理学療法士等 75~187単位/日
児童指導員等 49~123単位/日

 

新制度

常勤専従・経験5年以上 75~187単位/日
常勤専従・経験5年未満 59~152単位/日
常勤換算・経験5年以上 75~187単位/日
常勤換算・経験5年未満 43~107単位/日
その他の従事者 36~90単位/日

PICK UP!

新制度でいう「経験」とは、児童福祉事業等に従事した経験年数となります。

「専門的支援加算」と「特別支援加算」の統合

1つ前の項目で解説させていただいた通り、専門的支援加算及び特別支援加算については、両加算が統合されることに。専門的な支援を提供する体制と、専門人材による個別・集中的な支援の計画的な実施についての2段階で評価する内容に変更となりました。

 

令和6年3月まで【併算定×(保育士を除く)】

専門的支援加算(基準人員超)
配置職員 単位数
理学療法士等 75~187単位/日
児童指導者 49~123単位/日
特別支援加算(計画的支援)
配置職員 単位数
理学療法士等 54単位/日

 

令和6年4月から【併算定○】

専門的支援体制加算(基準人員超)
配置職員 単位数
理学療法士等 49~123単位/日
専門的支援実施加算(集中・計画支援)
配置職員 単位数
理学療法士等 150単位/日
 

今回の改定で実施加算・体制加算を
併算定することが可能となりました!

利用回数は放課後等デイサービスで月2回、利用日数に応じて最大月6回まで利用することができます。

預かりニーズへの評価から、延長支援加算が見直しに

 

延長支援加算の主な変更点としては、
下記の通りです。

PICK UP!

  • 延長支援加算の時間の区分と単位
  • 算定が「営業時間前後の支援」から「基本報酬の最長の時間区分に加えて行った支援」になった
  • 延長時間帯の職員配置について児童発達支援管理責任者の対応も認められることになった

基本報酬が時間に応じて区分された背景には、《預かりニーズへの評価》ということが挙げられていますので、この延長支援加算の見直しもその一環と言えます。

関係機関連携加算(Ⅰ)250単位に

 

関係機関連携加算について、
旧制度と新制度を比較してみると、
以下の通りになります。

旧制度

関係機関連携加算(Ⅰ) 200単位/回(月1回を限度)
関係機関連携加算(Ⅱ) 200単位/回(1回を限度)

(Ⅰ)保育所や学校等との個別支援計画に関する会議を開催し、連携して個別支援計画を作成等した場合

(Ⅱ)就学先の小学校や企業等との連絡調整を行った場合

 

新制度

関係機関連携加算(Ⅰ) 250単位/回(月1回を限度)
関係機関連携加算(Ⅱ) 200単位/回(月1回を限度)
関係機関連携加算(Ⅲ) 150単位/回(月1回を限度)
関係機関連携加算(Ⅳ) 200単位/回(1回を限度)

(Ⅰ)保育所や学校等との個別支援計画に関する会議を開催し、連携して個別支援計画を作成等した場合

(Ⅱ)保育所や学校等との会議等により情報連携を行った場合

(Ⅲ)児童相談所、医療機関と会議等により情報連携を行った場合

(Ⅳ)就学先の小学校や就職先の企業等との連絡調整を行った場合

 

PICK UP!

  • 関係機関連携加算(Ⅰ)が200単位から250単位/回に見直し
  • 関係機関連携加算(Ⅱ)と(Ⅲ)が新たに追加
  • これまでの関係機関連携加算(Ⅱ)が(Ⅳ)に変更

上記の3点が関係機関連携加算についての大きな変更点です。
こどもと家族に対する包括的な支援を進める観点から見直されたようです。

また今回の見直しで対象となる関係機関が増えましたが、あくまでも当該障害児に対しての情報連携であり、電話のみや他の会議のついでの情報交換は認められませんのでご注意ください。

強度行動障害支援加算のさらなる充実

 

今回の改定の大きなテーマの一つでもある
強度行動障害の児童への支援について、
旧制度と新制度を比較してみます。

旧制度

強度行動障害支援加算 155単位/日

強度行動障害支援者養成研修(基礎研修)を修了した職員を配置し、強度行動障害を有する児(児基準20点以上)に対して支援を行った場合

 

新制度

強度行動障害支援加算(Ⅰ) 200単位/日
強度行動障害支援加算(Ⅱ) 250単位/日

(加算開始から90日以内の期間は、更に+500単位/日)

(Ⅰ)強度行動障害支援者養成研修(基礎研修)を修了した職員を配置し、強度行動障害を有する児(児基準20点以上)に対して、支援計画を作成し該当計画に基づき支援を行った場合

(Ⅱ)強度行動障害支援者養成研修(中核的人材養成研修)を修了した職員を配置し、強度行動障害を有する児(児基準30点以上)に対して、支援計画を作成し該当計画に基づき支援を行った場合

※(Ⅱ)は放課後等デイサービスのみ

 

PICK UP!

  • 強度行動障害支援加算が155単位から200単位/日に
  • 強度行動障害支援加算(Ⅱ)が新設(※放課後等デイサービスのみ)
  • 加算開始から90日以内の期間、さらに+500単位/日加算
  • (Ⅰ)の配置要件が「基礎研修修了」から「実践研修修了」に変更
  • 「支援計画の作成」が加算の要件に追加

上記が強度行動障害支援加算の主な変更点となります。報酬改定後は、強度行動障害支援者養成研修「実践研修」まで修了していることが求められます。

保育・教育等移行支援加算

 

「保育・教育等移行支援加算」については、保育所等への移行前の移行に向けた取組等についても評価されることとなったため、内容が見直されました。

「保育・教育等移行支援加算」は、地域において保育、教育等を受けられるよう支援を行ったことにより、放課後等デイサービス事業所を退所する前の移行支援、退所後の相談援助や保育所等への助言・援助を行った場合に算定できる加算です。

退所前に移行に向けた取組を行った場合 500単位/回(2回を限度)
退所後に居宅等を訪問して相談援助を行った場合 500単位/回(1回を限度)
退所後に移行先施設を訪問して助言・援助を行った場合 500単位/回(1回を限度)

新しく改定され、「退所前に移行に向けた取組(※)を行った場合」が追加となりました。
(※)移行先への助言援助や関係機関等との移行に向けた協議等

新設された「加算」の注目加算4選

 

今回の改定では、多くの加算が新設されましたが、その中でも特に注目しておきたい加算を4つピックアップし、ご紹介いたします。

【新設】事業所間連携加算

今回の改訂で新たに設置された加算の1つ目が
「事業所間連携加算」です。

「セルフプラン」で障害福祉サービスを使う保護者への支援に対応するため、複数の事業所間で連携し、こどもの状態や支援状況の共有等の情報連携を行うことを評価する目的で新設された加算です。

事業所間連携加算(Ⅰ) 500単位/日(月1回を限度)
事業所間連携加算(Ⅱ) 150単位/日(月1回を限度)

(加算開始から90日以内の期間は、更に+500単位/日)

(Ⅰ)コーディネートの中核となる事業所として、会議を開催する等により事業所間の情報連携を行うとともに、家族への助言援助や自治体との情報連携等を行った場合。

(Ⅱ)事業所間連携加算(Ⅰ)の要件の会議に参画する等、事業所間の情報連携を行い、その情報を事業所内で共有するとともに、必要に応じて個別支援計画の見直しを行うなどにより支援に反映させた場合

※セルフプランで障害児支援の複数事業所を併用する児について

 

「中核事業所」とは

複数利用の事業所の中で、コーディネートの中核の事業所となるよう、市町村から依頼を受けた事業所のことを指します。それぞれの事業所をまとめて会議を設定したり、家族への相談援助や自治体への情報提供を行ったりします。

【新設】子育てサポート加算

 

新設された加算の2つ目
「子育てサポート加算」について、
条件や注意点を解説します。

「支援場面の観察や参加等の機会」を保護者に対して提供した上で、「こどもの特性」について又は「特性を踏まえたこどもへの関わり方」等に関する相談援助等を行った場合に算定することができるのが、今回新設された「子育てサポート加算です」。

 

「子育てサポート加算」の条件

  • 保護者への相談援助の必要性を個別支援計画に記す
  • 保護者にサービス提供時間中に来所してもらい支援現場を観察してもらう
  • 個別の障害児支援の現状を説明し、保護者からも悩みを伺い相談援助を行う
  • 相談援助の内容と日時と対象児童の記録を作成する

 

「子育てサポート加算」の注意点

月に4回まで

  • 複数家族に同時に相談援助を行う場合は5世帯まで(従業員1人につき)
  • 個別の障害児支援の現状を説明し、保護者からも悩みを伺い相談援助を行う
  • 家族支援加算と同日に算定することはできるが、同時間帯に算定することはできない
  • 兄弟に対して同日にそれぞれ支援した場合はそれぞれ算定が可能

【新設】通所自立支援加算

 

新設された加算の3つ目
「通所自立支援加算」について、
条件や注意点を解説します。

「通所自立支援加算」とは、通所や帰宅の機会を利用して自立に向けた支援を計画的に行なった場合に算定できる新しい加算です。

今回の報酬改定によりこどもの自立に向け支援を促進する観点から、将来の自立等に向けた支援の充実が評価されるようになりました。

指定放課後等デイサービス事業所において、障がいのある子どもに対して学校・居宅等と事業所間の移動を自立した通所が可能となるように、職員が付き添って計画的に支援することが条件となります。

通所自立支援加算 60単位/回(月1回を限度)※

※開始から3ヶ月間

学校や居宅と事業所間の移動を職員が付き添った場合

この「通所自立支援加算」は事業所と自宅等の間の通所の自立支援ですが、根拠書類の準備を間違えていると加算額返戻の可能性がありますので、注意点も把握しておきましょう。

 

「通所自立支援加算」の算定上の注意点

  • 重症心身障害児は対象外
  • 添乗する職員の交通費について、児童やご家族への請求は不可
  • 基本は1人の障害児につき1人の支援員配置が必要だが、安全上問題がなければ、児童2名の対応も可能
  • 医療的ケア児の通所には看護師等の同行が必要
  • 同一敷地内や極めて近い範囲は加算対象外
  • 環境の変化等の事情はあれば3ヶ月後でも再度取得が可能
  • 放課後等デイサービスのみで算定可能

【新設】自立サポート加算

 

通所自立支援加算と同じく、こちらも
こどもの自立を見据えた支援を促進する観点から新設された加算ですが、
対象は高校生(2年生・3年生)となります。

通所自立支援加算 100単位/回
(月2回を限度)

高校生(2年生・3年生に限る)について、学校卒業後の生活に向けて、学校や地域の企業等と連携しながら、相談援助や体験等の支援を計画的に行った場合

上記の通り、1回100単位、月2回まで取得が可能ですので、基本報酬が全体的に下がっている放課後等デイサービスにおいては、対象のお子様がいらっしゃる場合できるだけ取得したい加算かと思います。

5領域全てに対応することが求められる

こどもの特性を踏まえた支援を確保する観点から、全ての事業所に対して、支援において、5領域全て含めた総合的な支援を提供することが運営基準に明記されました。

 

つまり、1つ1つのプログラム活動が5領域のどの部分の活動に該当するのか明確にする必要があるということです。

「5領域」とは

「健康・生活」「運動・感覚」「認知・行動」「言語・コミュニケーション」「人間関係・社会性」を指します。


元々5領域は児童発達支援のガイドラインには明記されていましたが今回の改定によって、放課後等デイサービスも、5領域に沿った療育が求められるようになったわけです。

特定の療育内容に「特化型」の児童発達支援や放課後等デイサービスは、療育内容や運営方針の見直しを迫られる可能性があります。

未実施減算も導入

5領域とのつながりを明確化した事業所全体の支援内容を示す支援プログラムの作成・公表を求める《運営基準》とともに、「支援プログラム未公表減算」という未実施減算が新たに設けられることになりました。

 

つまり、支援の実施に関する計画(支援プログラム)の作成・公表がないと減算されるということです。

【新設】支援プログラム未公表減算

支援プログラム未公表減算 ・所定単位数の85%を算定
・令和7年4月1日から適用
・公表方法及び公表内容を都道府県に届出

その他新設・見直しされた減算を4つ紹介

今回の改定で大きなポイントとなったのが「インクルージョン推進の取組」です。

児童発達支援事業所に対し、併行通園や保育所等への移行等、インクルージョン推進の取組を求めるとともに、事業所の個別支援計画において具体的な取組等について記載とその実施が求められています。

「インクルージョン」とは

児童発達支援・放課後等デイサービスにおけるインクルージョンとは、障害のあるこどもが地域社会に参加すること・地域社会が受け入れることを意味します。年少期より、障害の有無に関わらず、子ども達が様々な遊びなどの機会を通じて共に過ごし、学び合い、成長することができる社会の実現を目指し、インクルージョンを推進していくことが重要であるとされています。

【新設】BCP未策定の減算

事業継続計画(BCP/Business Continuity Planning)の策定は、前回令和3年の報酬改定で義務付けられ、その際に定められた3年の猶予期間が、令和6年3月末で終了となります。それに従い、「業務継続計画未策定減算」が新たに追加されました。

BCP未実施減算 所定単位数の1%を減算
 

「感染症」と「災害」という2つのリスクに備える
必要があるということ、昨今日本での災害が増えていることで
今回BCP未策定の減算が新設となりました。

【新設】情報公表未報告減算

利用者への情報公表、災害発生時の迅速な情報共有、財務状況の見える化の推進を図る観点から、障害福祉サービス等情報公表システム上、未報告となっている事業所に対する「情報公表未報告減算」が新設されました。

情報公表未報告減算 所定単位数の5%を算定

都道府県(指定権者)は、指定の更新申請があった場合、申請事業者が情報公表を行っているか確認することとなりました。

 

「障害福祉サービス等情報公表システム(通称WAM NET)への
公表ができていない事業所様は忘れずにご対応ください。

【新設】虐待防止措置未実施減算

施設・事業所における障害者虐待防止の取組を徹底するため、障害者虐待防止措置を未実施の障害福祉サービス事業所等について、「虐待防止措置未実施減算」が新設されました。

虐待防止措置未実施減算 所定単位数の1%を算定

身体拘束廃止未実施減算

身体拘束廃止未実施減算は、不適正な身体拘束を防ぐための取組を怠ったときに適用される減算です。

身体拘束廃止未実施減算 旧制度
・1日につき5単位を所定単位数から減算する
新制度
・所定単位数の1%を算定
 

身体拘束適正化検討委員会の開催及び研修の実施について、
は直近1年で考えるものです。

【まとめ】報酬改定後の重要なポイントは2つ

 

基本報酬が時間に応じて3区分に変更

 

5領域とのつながりを明確化した支援プログラムの作成・公表が義務化

令和6年報酬改定に対応するために

令和6年4月の法改正の内容について、「今の運営体制で間違いや漏れがないか不安」「最新の情報に基づいた対策ができているか確認したい」という経営者様もたくさんおられると思います。

今回の報酬改定のポイントだけでなく、介護、障害福祉サービスに関わることやビジネスをしていく上で、一緒に勉強する仲間が欲しい経営者・管理者様には、介護、障害福祉サービス経営者のための学び場である「会社成長塾」がおすすめです。体験セミナーもございますので、お気軽にご参加ください


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