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社会保険労務士法人エンジー
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営業時間 平日:8:30-17:30
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公開日 2018/11/01
最終更新日 2018/11/26
「経済財政運営と改革の基本方針(=骨太の方針)2018」「未来投資戦略2018」が2018年6月に発表されて以降、初めての開催となった未来投資会議。2018年10月には5日、22日と立て続けに2回、会議が開催されており、今後の介護経営においても関係が深そうな情報が幾つか散見されています。
特に認識・確認しておいた方が宜しいかかもしれない情報を大きく4点、ピックアップして皆様にお届けさせていただきたく思います。
「これらの動きが具体化した場合、自社としてどのように取り組んでいくべきだろうか?」是非、そのような視点を持ちつつ、目を通していただければ幸いです。
それでは早速、中身を確認してまいりましょう。先ずは業界云々に関係なく、企業としておさえておくべきポイントについてです(趣旨を損なわない前提のもと、一部、当社責任にて加筆修正しています)。
1)に関しては、我々介護業界においても“地殻変動”とも呼べる動きが始まっている事は皆様も既に肌で感じられている事かもしれません。
ケアプランや、個別機能訓練計画書を始めとする各種計画書作成におけるAI活用の動き。センサー機器にIot技術を掛け算して活用することでベッドからの離床情報を夜勤スタッフに届け、夜中の巡回等をラクにしたり、或いはエアコンにセンサー及びIot技術を活用することで、人が部屋に滞在しているか、また、睡眠状態はどうか、活動量はどうか、などをスタッフルームに居ながらも知ることができる動き(=スマートエアコン)。
はたまた、介護者の膝や腰に負担をかけがちな、「移乗・移動」領域でのロボット開発の動き等々、未来の現場業務のあり方を大きく変革させる動きは今後もますます加速してくるものと思われます。
事業者としては、これら変革の動きをどう前向きに自社に取り込めるか?について、積極的に頭を捻る必要があるのではないでしょうか。
また、2)に関しては事業者各々における今後の「人財戦略」としても、とても重要なテーマになり得るものと思われます。
2016年には6.6万人だった100歳以上の人口が2049年には51.4万人にも膨れ上がると予想される中(厚生労働省・人口問題研究所調べ)、まだまだ一定の工夫があれば現役で働き続ける事が可能、という高齢者(65歳以上)も数多く存在していることは皆様も肌でお感じになられている事でしょう。
また、これらの動向と1)の第4次産業革命を掛け合わせることで、上記「具体的な視点・切り口」にも在るように「高齢者のための職場環境整備」を促進させることも可能です。
その意味でも、この1)と2)は“対の関係”として捉える視点も、介護経営者としては備えておく必要があると思われます。
最後に、上記1)2)の背景に在る重要データ・図をお示しさせていただきます。
データからもお分かりになる通り、高齢者を従来通りの「65歳以上」と定義するとなると、現役世代(18~64歳)の負担は相当重くなることは自明です。
一方、現役で活動できる期間をあと10年延ばすことが出来れば、現役世代(18~74歳)の一人当たり負担を相当引き下げることが可能になります(=下段のデータ)。
今の子供たち、及びその次の世代の事を考えると、このような社会づくりは、我々現役世代にとっては「必達目標」として捉える必要がある、とも感じる次第です。
続いて、今度は特に、介護経営に大きな影響を及ぼしそうなポイントを2点、ピックアップしてご紹介させていただきたいと思います。
1)の「保険者インセンティブ」については、2018年度の法改正にも重要アジェンダの一つとして提起された記憶をお持ちの方も多いと思われます。
また、10月22日の会議においては、安倍首相自らも次のような発言のもと、本テーマに対する意気込みを語っておられました「介護の予防についても、介護事業者等に対するインセンティブ措置の強化を進めてまいります。
この課題についても、ずいぶん前から議論されたことでありまして、20年前くらいに私は自民党の社会部会長というものをやっておりまして、これを提言したのですが、今日までそのままになったのですが、やっとこれをいよいよ実際に実現できる時を迎えている。
また、そうしなければならない、こう思っているところでございますので、引き続き、関係大臣におかれては、年末の中間的な報告に向けて、検討を進めていただきますようによろしくお願いいたします(以上、首相官邸HPより抜粋)」。
前回の法改正においては「頑張って成果を上げた保険者にはインセンティブを付与する」という加点方式の採用のみで着地した本テーマですが、今後は現状の加点方式に加え、財務省が提唱する減点方式(=成果を上げられない保険者にはディスインセンティブが及ぶ)も恐らく議論の俎上に再びあがってくるものと思われます。事業者としてはあらためて、この点を認識しておく必要があると言えるでしょう。
最後に、2)に関しては「いつでもどこでもケア(=地域の高齢者が、外出困難でも、データに基づき、個人に最適な医療やケアをオンライン医療やIoTによる見守りサービスを組み合わせた形で、安心して在宅で受けられるように)」というテーマの中で記載された内容です。
推察するに、今後、第4次産業革命の流れを積極的に汲みつつ、環境変化に適応していくためには、今まで以上の経営の高度化及び大規模化(=投資余力を持つ、という意味)が不可欠になってくる、ということなのでしょう。
そのような中、あくまで私見の範囲を出ないもの、今から5年ほど前に議論されていた「非営利ホールディングカンパニー型法人」のスキームが今後、現実化・具体化されてくるのかな、ともあらためて感じる次第です(下記は当時の議論資料より抜粋)。
以上、2018年10月5日、及び22日の同会議資料より情報を抜粋してお伝えさせていただきました。
未だ全てが議論途上である点は注意が必要ですが、ここまでの議論の成熟度合や会議参加者の方々の顔ぶれ、及び方向性の裏付けとなる種々データ等を勘案するに、現時点で議論されている内容が今後の国の施策に様々な形で反映されてくる可能性は極めて高い、とみておいて差し支えないのではないでしょうか。
介護経営者・幹部の皆様におかれましては冒頭にもお伝えさせていただいた通り、「これらの動きが具体化した場合、自社としてどのように取り組んでいくべきだろうか?」との問いを立てつつ、事前に頭を働かせておかれることを是非、おススメする次第です。我々も今後、更に有益な情報が入り次第、迅速に皆様へお伝えしてまいります。
※本情報の参照元である「未来投資会議」の詳細情報はこちらから
↓
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/miraitoshikaigi/
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