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処遇改善加算の取得、キャリアパス要件・職場環境等改善要件へのサポート

目次

  1. 処遇改善加算とは
  2. 加算を取得するための基本要件
  3. 令和8年度に何が変わったのか
  4. 経営者として今すべきこと

処遇改善加算とは

まずは制度の全体像と、これまでの経緯を押さえておきましょう。

制度の変遷

もともと別々だった3つの加算(処遇改善加算・ベースアップ加算・特定事業所加算)が統合され、現在は「新加算」として運用されています。

令和6年5月まで

『処遇改善加算』『ベースアップ加算』『特定事業所加算』の3つの加算が別々に存在していました。
 

令和6年6月

3つの加算が1本化され「新加算」として運用開始。加算区分がⅠ?Ⅳの4種類に整理されました。
 

令和7年度

新加算の本格運用がスタート。前年度にあった緩和措置は終了しています。
 

令和8年度

加算率の「ベースの引上げ」と「さらなる上乗せ」が実施されます。あわせて新しい要件も追加されます。

加算はどう計算され、どう使うのか

計算方法:基本報酬(売上)に処遇改善加算以外の各種加算・減算を加えた請求額に、サービスごと・加算区分ごとに定められた「加算率」を掛けて算定します。

(1ヶ月あたり総単位数 × 所定の加算率)× 地域単価

取得の流れ:加算区分ごとの要件を満たす → 年度初めに行政へ計画書を提出 → 毎月請求(翌月入金) → 年度終了後に実績を報告書として提出、という流れになります。

もっとも重要なルール

取得した加算額は、1円でも多く職員に還元しなければなりません。加算額を会社の利益として残すことは認められていません。

何に・誰に使えるお金なのか

職員への還元方法として認められているもの

  • 基本給の一部として支給(※最低賃金分は自社負担)
  • 手当として支給(処遇改善手当、資格手当、役職手当、職務手当など)
  • 賞与
  • 法定福利費(事業主負担分のみ:健康保険料、介護保険料、厚生年金保険料、雇用保険料、労災保険、子ども・子育て拠出金)

支給の対象になる人

  • 会社の従業員全般
  • 役員のうち、会社と雇用契約も結んでいる兼務役員
  • 法人代表者(実際に直接支援に従事している場合に限り、他の職員と同様の水準で支給)

加算を取得するための基本要件

加算を取得・維持するには、大きく分けて「キャリアパス要件」「月額賃金改善要件」「職場環境要件」の3種類の要件を満たす必要があります。

要件の全体像

要件 ひとことで言うと
キャリアパス要件Ⅰ 役職・等級ごとの給与や役割を明文化し、職員に周知する
キャリアパス要件Ⅱ 研修や資格取得のための支援体制を計画的に整える
キャリアパス要件Ⅲ 昇給の仕組みをつくり、職員に周知する
キャリアパス要件Ⅳ 年収440万円(障害福祉は460万円)以上の職員を1名以上つくる
キャリアパス要件Ⅴ 専門職の配置に関する所定の加算をあわせて取得する
月額賃金改善要件 加算額の一定割合以上を、毎月の月給として支給する
職場環境要件 働きやすい職場づくりの取組を、決められた数だけ実施する

取得したい加算区分(Ⅰ?Ⅳ)によって、満たすべき要件の組み合わせが異なります。上位の区分ほど、満たすべき要件が多くなります。

要件Ⅰ役割・給与の明文化

1等級(未経験の新人)から等級を重ね、それぞれの等級ごとに「職位」「職責」「必要な経験・資格」「給与(基本給・手当)」を一覧表にまとめます。いわゆる「役割等級表」と「賃金体系」の整備です。これを作成したうえで、全職員に周知することが求められます。

要件Ⅱ研修・資格取得の支援

以下のいずれかの取組が必要です。

  • 職員と相談のうえ、計画に沿った研修機会や技術指導を提供する(法定研修とは別)/能力評価を行う
  • 資格取得のため、計画に沿った支援を行う(勤務シフトの調整、休暇の付与、交通費・受講料等の援助など)

 

実務上のポイント

すでにシフト調整や費用補助を行っている場合でも、それだけでは不十分で、「計画」として明文化しておく必要があります。実績の有無にかかわらず、支援制度を掲示物などで案内しておくと、体制があることを示しやすくなります。

要件Ⅲ昇給の仕組み

次のいずれかの方法で昇給の仕組みを整える必要があります。

  • 経験による昇給:勤続年数や経験年数に応じて昇給。取り組みやすい一方、毎年全員一律の昇給が必要になります。
  • 資格による昇給:介護福祉士やサービス管理責任者などの資格取得後も昇給する仕組みが必要です。
  • 評価による昇給(弊社推奨):人事評価や実技試験など、客観的な基準にもとづき定期的に昇給を判定する仕組み。要件Ⅰの等級制度と連動させやすいのが特徴です。

 

要件Ⅳ・Ⅴ年収要件と専門職の配置

  • 要件Ⅳ(年収要件):賃金改善後の年収が440万円以上の職員を1名以上つくること。
  • 要件Ⅴ(専門職配置):サービスの種類ごとに定められた加算(特定事業所加算、サービス提供体制強化加算、福祉専門職員配置等加算など)をあわせて取得していること。該当する加算がない事業所は対応不要です。

 

月額賃金改善要件毎月の給与への還元

処遇改善加算Ⅳ相当額の2分の1以上を、賞与ではなく毎月の月給として支給することが求められます。支給額が基準額を上回っているかどうかは、月次で管理・確認しておくことが重要です。

 

職場環境要件働きやすい職場づくり

「入職促進」「資質向上・キャリアアップ支援」「両立支援・多様な働き方」「心身の健康管理」「生産性向上」「やりがい・働きがいの醸成」の6区分・全28項目の取組の中から、加算区分に応じた数の取組を実施します。

加算区分 各区分 生産性向上区分 合計
加算Ⅰ・Ⅱ 6区分各2項目 3項目(必須項目あり) 13項目
加算Ⅲ・Ⅳ 6区分各1項目 2項目 7項目

加算区分ⅠとⅡは、上記に加えて情報公表システム等での取組内容の公表も必要です。

令和8年度に何が変わったのか

令和8年度の改定は「加算率の引上げ」と「新たな上乗せ」の2階建てです。既存の要件も一部見直されるため、今の加算区分を維持・向上させるために何が必要かを確認しておきましょう。

改定のしくみ:引上げ部分と上乗せ部分

 

上乗せ部分:新しく設けられる「特例要件」を満たすことで得られる加算率です。介護と障害福祉で要件の内容が異なり、加算区分ⅠとⅡの事業所のみが対象です。

引上げ部分:既存の加算率そのものが底上げされる部分です。介護保険事業は追加の対応不要ですが、障害福祉事業は引き上げにあわせて要件が一部強化されます。

 

これまでの区分ⅠとⅡは「イ」に改称され、新設された上位区分「ロ」を取得できれば、さらに加算率が上乗せされる仕組みです。

既存要件は何が変わったのか

要件介護保険事業障害福祉事業
キャリアパス要件Ⅰ~Ⅲ変更なし変更なし
キャリアパス要件Ⅳ変更なし年収基準が変更
キャリアパス要件Ⅴ変更なし免除規定が廃止
月額賃金改善要件変更なし変更なし
職場環境要件変更なし取組項目数が増加

 

一方で障害福祉事業は要件が一部厳しくなります。また、新しく対象となる事業(訪問看護、居宅介護支援、通所リハ、相談支援など)は、既存要件についても新たにチェックが必要です。

 

 

【障害福祉事業】年収要件・専門職配置要件の変更

 現行令和8年度
キャリアパス要件Ⅳ(年収要件)年収440万円以上の職員を1名以上年収460万円以上の職員を1名以上
キャリアパス要件Ⅴ(専門職配置)小規模事業所や賃金水準の低さ等を理由に免除が可能だった免除規定はすべて廃止。年収460万円以上の職員を1名以上つくる対応に一本化

【障害福祉事業】職場環境要件の項目数増加

加算区分現行令和8年度?
加算Ⅰ・Ⅱ合計13項目合計14項目(あと1項目追加)
加算Ⅲ・Ⅳ合計7項目合計8項目(あと1項目追加)

区分ごとの対応まとめ(障害福祉事業)

上乗せ部分を取りにいく場合の要件(特例要件)

事業区分満たすべき要件
介護保険事業次のいずれか:①ケアプランデータ連携システムへの加入 ②生産性向上推進体制加算Ⅰ又はⅡの算定 ③社会福祉連携推進法人への所属
①②は令和8年度中の対応の誓約でも可
障害福祉事業「職場環境要件の生産性向上項目を5個以上実施」または「社会福祉連携推進法人への所属」に加えて、「加算Ⅱロ相当額の1/2以上を月給で配分」の両方を満たす必要があります

新しく加算の対象になる事業所

介護保険事業加算率
訪問看護1.80%
訪問リハビリテーション1.50%
居宅介護支援2.10%
介護予防支援2.10%
障害福祉事業加算率
計画相談支援5.10%
地域相談支援(地域移行支援)5.10%
地域相談支援(地域定着支援)5.10%
障害児相談支援5.10%

既存事業の加算率引上げ幅

サービス区分引き上げ分上乗せ分(加算Ⅰ・Ⅱのみ)
訪問系+2.5%~2.9%+1.0%
通所系+1.2%~1.9%+0.4%~0.9%
児童系+2.1%+0.6%

 

経営者として今すべきこと

令和8年度の改定にあわせて、まずは自事業所の現状を棚卸しすることから始めましょう。

 

加算区分別|対応の目安

加算区分 介護保険事業 障害福祉事業
Ⅰ・Ⅱ(上位区分「ロ」を目指す場合) ケアプランデータ連携システムの加入等、特例要件を満たす 職場環境要件の生産性向上項目を5個以上に増やす/月給配分を強化する
Ⅰ・Ⅱ(現行の「イ」を維持する場合) 現行要件の再確認のみで対応可能 年収460万円以上の職員を1名以上つくる、または職場環境要件を14項目に増やす
Ⅲ・Ⅳ 引上げ・特例要件の対応は不要。現行要件の再確認のみ 職場環境要件の取組を1項目増やす対応が必要

チェックリスト

  • 現在の加算区分と、キャリアパス要件Ⅰ?Ⅴ・月額賃金改善要件・職場環境要件の充足状況を再確認する
  • 自事業所が介護保険事業か障害福祉事業かを踏まえ、該当する「引上げ要件」の内容を確認する
  • 上位区分「ロ」(上乗せ部分)を取得するかどうかを検討し、必要な特例要件を確認する
  • 訪問看護・居宅介護支援・通所リハ・相談支援など新規対象事業に該当する場合は、要件を一から確認する
  • 職場環境要件を増やす場合や年収要件を満たす場合の賃金への影響を試算する
  • 不明点や体制整備に不安がある場合は、早めに専門家へ相談する

弊社では、介護職員等処遇改善加算を取得や制度の実施するお手伝いを提供しております

介護職員等処遇改善加算を取得することは難しくはありません。

●役割等級表(キャリアパス任用要件)
●賃金テーブル
●人事考課表
●就業規則の作成、見直し
●職場環境等要件運用サポート

など、貴社が簡単に実行できる制度を作成いたします。

 

また、障害福祉サービスや地域密着型サービス、総合事業を合わせて行っておられる事業者様にも対応することができます。

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