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公開日 2018/02/01
最終更新日 2018/08/31
2018年1月26日(金)にようやく発表となった、各サービス毎の改定報酬額。パブリックコメントを経て最終決定、となるものの、現時点よりの変更はほぼなし、と考えておいて差し支えないのではないでしょうか。
サービス毎に緩急はあるものの、全体的な所感として「思ったほど厳しい改定にはならなかった」という感覚を覚えるような内容に着地した今回の法改正・報酬改定。以降はこれらの数値・情報を踏まえ、各事業者ごとにどのように対応していくのか?について、今まで以上に具体的な検討を行うことになろうかと思います。
本ブログにおいては全てのサービスの変更内容について確認・吟味を行う事は難しい中、特に今回、中でも大きな報酬減となった通所介護サービス、特に大規模Ⅱ型の改定のポイントを確認してまいります。では先ず、基礎報酬の改定内容についてです。
先ず、地域密着型通所介護については、3時間以上4時間未満に移行した場合は、現状比較において4.1%~4.6%前後の減収。それ以外の時間区分への移行については全て現状維持~プラス改定となりました(表は省く)。
一方、通常規模型以上の通所介護については、基本的には“プラス改定”はなく、よくて現状維持~マイナス改定で着地(地域密着型通所介護同様、表は省く)。
大規模Ⅱ型に至っては、3時間以上4時間未満のサービスとなると最大で7.3%ものマイナスとなっており(下表)、これらの数値が与える経営上の打撃は大変大きいものと思われます。
あとはこれらのマイナスを少しでも吸収していくことを念頭に、既存の稼働率向上や定員数の拡大、効率的な運営方法の模索、或いは加算の取得等を検討していく事になるでしょう。
変更前(3時間以上5時間未満) | 変更後(3時間以上4時間未満) | ||||
介護度 | 単位数 | 介護度 | 単位数 | 増減 | 増減率 |
要介護1 | 364 | 要介護1 | 338 | ▲26 | ▲7.1% |
要介護2 | 387 | ▲30 | ▲7.2% | ||
要介護2 | 417 | 要介護3 | 438 | ▲34 | ▲7.2% |
要介護4 | 486 | ▲38 | ▲7.3% | ||
要介護3 | 472 | 要介護5 | 537 | ▲42 | ▲7.3% |
変更後(8時間以上9時間未満) | |||||
要介護4 | 524 | 介護度 | 単位数 | 増減 | 増減率 |
要介護1 | 354 | ▲10 | ▲2.7% | ||
要介護5 | 579 | 要介護2 | 406 | ▲11 | ▲2.6% |
要介護3 | 459 | ▲13 | ▲2.8% | ||
要介護4 | 510 | ▲14 | ▲2.7% | ||
要介護5 | 563 | ▲16 | ▲2.8% |
続いては各種加算についてみてまいります。
ここでは新たに次年度に創設、或いは変更となる加算内容を中心に確認してまいります。先ず始めは「生活機能向上連携加算」についてです。
自立支援・重度化防止に資する介護を推進するため、生活機能向上連携加算を創設し、通所介護事業所の職員
と外部のリハビリテーション専門職が連携して、機能訓練のマネジメントをすることを評価する。
<現行> <改定後>
なし ⇒ 生活機能向上連携加算200単位/月(新設)
※個別機能訓練加算を算定している場合は100単位/月
続いて、「ADL維持等加算」についてです。
自立支援・重度化防止の観点から、一定期間内に当該事業所を利用した者のうち、ADL(日常生活動作)の維持又は改善の度合いが一定の水準を超えた場合を新たに評価する。
<現行> <改定後>
なし ⇒ ADL維持等加算(Ⅰ) 3単位/月(新設)
ADL維持等加算(Ⅱ) 6単位/月(新設)
注1 複数ある場合には最初の月が最も早いもの。
注2 評価対象利用期間中、5時間以上の通所介護費の算定回数が5時間未満の通所介護費の算定回数を上回るものに限る。
注3 ADLの評価にあたり、食事、車椅子からベッドへの移動、整容、トイレ動作、入浴、歩行、階段昇降、着替え、排便コントロール、排尿コントロール
の計10項目を5点刻みで点数化し、その合計点を100点満点として評価するもの。
注4 最初の月のBarthel Indexを「事前BI」、6月目のBarthel Indexを「事後BI」、事後BIから事前BIを控除したものを「BI利得」という。
注5 端数切り上げ
最後に、栄養改善加算の基準緩和、及び、栄養スクリーニング加算の創設についてです。
ア 栄養改善加算の見直し
イ 栄養スクリーニングに関する加算の創設
情報を文書で共有した場合の評価を創設する。
○アについて
<現行> <改定後>
栄養改善加算150単位/回⇒ 変更なし
○イについて
<現行> <改定後>
なし ⇒ 栄養スクリーニング加算5単位/回(新設) ※6月に1回を限度とする
ア栄養改善加算
イ栄養スクリーニング加算
以上、簡易ながら、今回は通所介護に的を絞り、かつ、大きな変更・創設点のみに絞ってお伝えさせていただきました。(更なる詳細の情報だったり、他サービスの情報を確認されたい方は2018年1月26日(金)に開催された介護給付費分科会の資料をご確認下さい)
上記に創設された加算を見る限り、短期的には“見合わない(=加算を取得する為に発生する初期投資と得られる追加報酬がバランスしない)”と感じられる事業経営者様も中には相当数、いらっしゃるかもしれません。
しかし今後、通所介護においては上記加算が示すような方向がより一層、強く求められてくることは間違いなく、その意味では短期の判断軸(=見合う・見合わない)だけではなく、中長期の視野に立った“体質改善”的な動きも合わせて具体的に検討していくことも、場合によっては必要となってくるのではないでしょうか(これは恐らく、全てのサービスに共通する内容だと思います)。
そのような視点のもと、今回の改正・改定の資料にあらためてじっくりと目を通しつつ、「短期と中長期の両面から、自社としてはどう考えるか?」について、社内議論を深めていかれる事を是非、おススメする次第です。私たちも今後、有益な情報を入手出来次第、どんどん情報を発信してまいります。
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