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著者:enjie

月額1万円の処遇改善、処遇改善加算の新要件に昇給制度

月額1万の待遇改善の支給要件が明らかに

11月16日に開かれた「第132回社会保障審議会介護給付費分科会(以降、本分科会)と表記」において、かねてより話題に上っていた「介護職員の待遇改善(月額1万円)」の具体的方法論が示されました。

来年1月の加算率公表を経て、具体的に加算要件がスタートするのが2017年4月。事業者としては早めに準備を進めておく必要が高いであろう、という想いのもと、今月のニュースレターでは、新たに設けられる加算要件の内容について確認してまいります。

 

新たな支給要件とは

本分科会の中では新たな支給要件の対応案として、先ず、下記内容の解説が為されました。


※第132回社会保障審議会介護給付費分科会資料より抜粋

あらためて確認すると、事業者として「月額1万円相当の上乗せ加算報酬」を獲得するためには、下記2つの要件のクリアーが求められてくる、ということになります。

  1. 現状の処遇改善加算(I)の要件
  2. 経験もしくは資格等に応じて昇給する仕組みまたは一定の基準に基づ

き定期に昇給を判定する仕組みを設けること(就業規則等の明確な書面での整備・全ての介護職員への周知を含む)
(=キャリアパス要件(Ⅲ))

この2要件のクリアーを条件とする加算区分が、これまでの処遇改善加算(I)の上に更にもう一つ設けられる、ということになる訳です。

 

ちなみに、この内容を分かりやすく図示したものが下記になります。

※第132回社会保障審議会介護給付費分科会資料より抜粋

更に、『「経験もしくは資格等に応じて昇給する仕組みまたは一定の基準に基づき定期に昇給を判定する仕組み」とは具体的にどのようなものなのか?(現行の処遇改善加算(Ⅰ)の要件との違いは?)』という疑問が生じる事も想定した上で、下記のような解説資料も同時に開示されています。

しっかりと目を通し、今回の加算要件に対する理解を深めておくことが重要です。

※第132回社会保障審議会介護給付費分科会資料より抜粋

加算要件クリアーの“先”に対する意識も重要

「月額平均1万円の処遇改善」の報酬を手にしたとしても、当然ながら、全ての介護職員に対して“平等”に1万円ずつを配分しなければならない訳ではなく、その配分基準については、上記➀経験②資格③評価等の基準づくりも含め、各々の事業者の人事戦略に委ねられることになります。

その意味においては、本加算の要件をクリアーすることは当然の事として、経営者としては、「この上乗せ報酬を有効活用して、どのように組織を活性化させるか?」についてもしっかりと計画を練っておく必要があると言えるでしょう。

そのためには入念な準備が必要となる事は間違いなく、早め、早めに行動に移されることを強くおススメする次第です。

当社としても今後、本テーマに対する新たな関連情報が入り次第、適宜、皆様に発信してまいります。

著者:enjie

社会保障審議会・介護保険部会での議論の流れとは

次期法改正の輪郭が明確に

次期介護保険法改正・報酬改定へ向けて論点の整理を行っている、社会保障審議会・介護保険部会。12月の提言取りまとめを視野に、現在、個別の論点に対してもかなり具体的な意見が整理・集約されてきています。


事業者の皆様には早めに議論の動きをおさえておいていただきたく、今回のニュースレターでは同会で議論されているポイントについて抜粋してお伝えしてまいります。

2018年度介護保険法改正についての5つの視点

現在の議論を整理・集約すると、大きく分けて下記5つに大別できるものと思われます。

  1. 保険者機能強化・見直し関連
  2. 人材確保関連(生産性向上・業務効率化)
  3. 各サービスのあり方関連
  4. 利用者負担・費用負担関連
  5. 新たな枠組み関連(地域共生社会)

今回は、このなかでも特にご質問・ご相談が多い(2)(3)の内容について触れてまいります。


先ずは(2)、人財確保関連(生産性向上・業務効率化)についてです。

人材確保関連(生産性向上・業務効率化)

人材確保関連に対する議論は、これまでもここで触れてきましたロボット・ICTの議論です。9月の介護保険部会において、ロボット・ICTの活用促進のために、ロボット・ICTを活用している事業所に対して介護報酬や人員・設備基準の見直し等を介護報酬改定時に検討することが提案されています。


また業務効率化等の観点から法令上提出が必要な書類等の見直しや、ICTを活用した書類の簡素化を求めた提案がされています。この流れはさらに加速しそうですし、公的資金の動向も含め着目しておきたい論点です。



※平成28年9月7日社会保障審議会・介護保険部会資料より抜粋


続いて(3)の論点について触れてまいります。

各サービスのあり方

まず、同会にてとりあげられているサービスの全体について確認しておきましょう(下記)。

  • ケアマネジメントのあり方
  • 福祉用具・住宅改修
  • 軽度者への支援のあり方
  • リハビリテーション機能の強化
  • 中重度者の在宅生活を支えるサービス機能の強化
  • 療養病床再編に向けた議論
  • 安心して暮らすための環境の整備(特養)(有料老人ホーム)
    これらの中から特にご質問の多い項目「ケアマネジメントのあり方」「福祉用具・住宅改修」「軽度者への支援のあり方」「中重度者の在宅生活を支えるサービス機能の強化」各々について論点を確認してまいり
    ます。まずはケアマネジメントからです。

各サービスのあり方〜ケアマネジメントのあり方

介護保険部会では、ケアマネジャーのあり方について、次の視点に基づいて審議が進められています。

  1. 資質向上を目的に、今後,ケアマネジメント手法の標準化を推進する事。
  2. 適切なケアマネジメントを推進するため、居宅介護支援事業所における管理者の役割を強化する事。
  3. 特定事業所集中減算の見直しも含めた公正中立なケアマネジメントを確保する事。
  4. ご利用者の1割負担をケアマネジメントにも導入する事。
  5. 入退院時における医療・介護連携の強化等の観点から、居宅介護支援事業所の運営基準等の見直しを介護報酬改定の際にあわせて検討する事

特に④の利用者負担問題については、反対署名を22万筆以上集めたことを、「日本介護支援専門員協会」が6月の社員総会で明らかにしましたが、以降も賛否両論(下記)が併記されながら、現在も介護保険部会での審議は継続されています。最終的にどちらに着地するかは未知数ですが、事業者としては「1割負担が導入される」ことを前提に、今後の事を考えておいた方が賢明だと言えるでしょう。


尚、ケアマネジメントの利用者負担導入の際の議論の内容、論点は次の通りです。



※平成28年9月23日社会保障審議会・介護保険部会資料より抜粋


続いて、福祉用具・住宅改修の議論に移ってまいります。

各サービスのあり方〜福祉用具・住宅改修の論点

福祉用具については、貸与価格の問題が議論されており、極端な価格差が生じないようにすることなどが論点とされています。


また、住宅改修にあっては、住宅改修の内容や価格について保険者が適正に把握・確認できるようにするとともに、利用者の適切な選択に資するための見積書類の様式や、複数の住宅改修事業者から見積りをとれるようにケアマネジャーが利用者に対して説明することができることを提案しています。


さらに共通項として、福祉用具や住宅改修が,利用者の自立支援、状態の悪化の防止、介護者の負担軽減等の役割を果たしていることも考慮した上で、価格設定や保険給付の対象範囲、利用者負担のあり方等について問題提起しています。



※平成28年10月12日社会保障審議会・介護保険部会資料より抜粋


続いて、軽度者への支援のあり方についてです。

各サービスのあり方〜軽度者への支援のあり方の論点

10月4日の財政制度分科会では、「改革の方向性」(案)として,軽度者に対する生活援助については、地域支援事業に移行すべきとのまとめがなされています。


ところが,10月12日の介護保険部会の論点は(以下図参照)、その方向性とは異なっています。すなわち、まずは他のサービスの総合事業への移行状況や、「多様な主体」による「多様なサービス」を着実に進め、事業の把握・検証を行った上で地域支援事業への移行検討を行うべきとしています。正当な理由があるとはいえ、この段階で大きく方向性が変わることは余り例がなく,巷では選挙対策との噂が飛び交うほど注目された動きです。



※平成28年10月12日社会保障審議会・介護保険部会資料より抜粋


最後は、中重度の在宅生活を支えるサービス機能の強化についてです。

各サービスのあり方〜中重度者の在宅生活を支えるサービス機能の強化についての論点



この議論は、小規模多機能型居宅介護や看護小規模多機能型居宅介護、定期巡回・随時対応型訪問介護看護などの地域密着型サービスの利用者数や事業所数を増やすなどの充実をどう図るかというのが焦点です。




 具体的には、地域密着型通所介護について、小規模多機能型居宅介護等の普及のため必要があれば、市町村が地域密着型通所介護サービス事業者の指定をしないことができるしくみの導入や、在宅のケアマネージャーが(看護)小規模多機能にご利用者を紹介しても、プランの移動が生じないようにする等の提案が為されています。


このように、ここでの議論は、中重度者の在宅生活を支えるしくみとして,小規模多機能型居宅介護、看護小規模多機能型居宅介護、定期巡回・随時対応型訪問介護看護などの地域密着型サービスへの期待があらためて強く感じられる流れになっています。

自社の経営に影響が出そうな論点については更なる情報収集を



2018年介護報酬改定の方向性は、もちろんすべて決まったわけではないにせよ、この12月のとりまとめへ向けて、その輪郭はかなり明確なってきています。事業者にあってはこうした動向を想定し、特に自社の経営に直接影響が出そうな論点については、体制整備、人材育成などいかに早い段階から手を打つことができるかが重要でしょう。


経営にあっては、まさにその対応力がこれから大きく問われることになりそうです。私たちも今後、更に有益な情報を入手出来次第、どんどん情報を発信してまいります。

著者:enjie

公正取引委員会から出た「介護分野に関する調査報告書」の内容とは

28年9月5日「介護分野に関する調査報告書」が発表。その経緯とは

公正取引委員会は9月5日、事業者の新規参入や創意工夫発揮の環境整備により、競争を促進し、消費者に良質な商品・サービスを提供、その比較・選択により商品・サービスの質の更なる改善を促すことを目指すとした「介護分野に関する調査報告書」を発表しました。

このような競争政策の観点から介護分野の考え方を整理することは、介護サービスの供給量の増加や質の向上が図られることにつながると考えられるとし、次の4つの視点が提示されています。

  1. 多様な事業者の新規参入が可能となる環境づくり
  2. 事業者が公平な条件の下で競争できる環境づくり
  3. 事業者の創意工夫が発揮され得る環境づくり
  4. 利用者の選択が適切に行われ得る環境づくり

今まで介護分野についてはほぼ何も触れてこなかった「公正取引委員会」が敢えてこのような調査報告を出してきたことを考えると、本報告書の内容は2018年法改正含め、少なからず今後の介護経営に影響を及ぼしてくる、と考えるのが自然でしょう。

そのような前提認識のもと、今回のニュースレターでは、特に詳しくお伝えしたいと考える2点の内容について取り上げてまいります。
最初は「特別養護老人ホーム」に関するものです。これは現在、主に社会福祉法人が運営していますが、ここに風穴をあけることになります。

1. 参入規制 多様な事業者の新規参入が可能となる環境の整備

先ずは下記整理資料にご注目下さい。

上記資料にもある通り、本テーマに関する公正取引委員会からの主な指摘事項は次の通りとなっています。

1)医療法人,株式会社等が社会福祉法人と対等の立場で参入できるようにすることが望ましい(あわせて,補助制度・税制等に関するイコールフッティングについても要検討。)

2)自治体は,自らが設置する特別養護老人ホームにおいて,株式会社等を指定管理者とするように,指定管理者制度を積極的に活用していくべき。

3)自治体は,総量規制を適切に運用すべき。あわせて,具体的な事業者の選定に当たっては,選定基準を明確化し,客観的な指標に基づいて選定を行うなど,恣意性の排除を図るとともに,選定の透明性を図るべき。


特に上記 1)2)の指摘について、「株式会社等が社会福祉法人と対等の立場で参入できるようになることにより、確かに競争原理が働き、サービスの質の向上等が促進される」という期待効果は確かに一理あるかもしれません。

しかし、一方では、「営利法人という特性を持った法人が、果たしてセーフティネット機能を全うできるのか(=儲からなくなったらすぐに閉鎖してしまうのではないか)」というリスクも当然ながら潜んでいます。このあたりの論点について今後、どのように整合性を図っていくのかを注視する必要がありそうです。

もうひとつは、介護サービス・価格の弾力化、「混合介護の弾力化」についてとり上げます。

2. 介護サービス・価格の弾力化、(混合介護の弾力化)事業者の創意工夫が発揮され得る環境の整備

本テーマに関する公正取引委員会からの主な指摘事項は次の通りとなっています。


1)「混合介護の弾力化」を認めることにより、事業者の創意工夫を促し、サービスの多様化を図ることが望ましい。

2)その「混合介護の弾力化」。具体例としては、

◎保険内サービスの提供時間内に利用者の食事の支度に併せて、帰宅が遅くなる同居家族の食事の支度も行うことで、低料金かつ効率的にサービスを提供できるようになる可能性がある。

◎利用者が特定の訪問介護員によるサービスを希望する場合に、指名料を徴収したうえで派遣することが可能となる。

3)国は自治体により事業者の創意工夫を妨げるような運用が行われることがないよう、制度の解釈を明確化し、事業者の予見可能性や透明性を高めるべき。



「混合介護」に関して、「公正取引委員会」のここでの論点は、「事業者の創意工夫を促し、サービスの多様化を図る」という視点で切り込まれています。

一方で介護報酬のプラス改定要素が難しくなるなか(内閣府「経済財政運営と改革の基本方針」等)、保険サービスを補完する保険外サービスへの取組みとして着目されているところもあります。

28年3月には「保険外サービス活用ガイドブック」として厚生労働省、農林水産省、経済産業省が3省併記でまとめた報告書も発表されました。

こうした流れを加味すると、今回ここでとり上げられた事は、今後の「混合介護」のあり方に大きな影響を与えそうです。

今後の影響から考える

さらに政府はこの後の9月12日「第1回未来投資会議」を開催しています。ここでの議論でも「介護は保険外サービスとの組み合わせが必要」との見解を示し、さらに「混合介護」を前進させるべく具体化へ向けた検討に着手しています。

こうした政府の動向をみても、「混合介護」取組みの流れは、ますますスピード感を増すことが予想されます。

このことは、介護事業者にあっては、制度内のいわば「均一のサービス」から「独自のサービス」を提供することが求められ、結果、事業も多様化してくることになりそうです。

しかしながら、ここで注意したいのは「では保険サービスは必要ないのか」という視点です。

「保険外サービスへの取組み」の重要性はいいとしても、それが強調されるあまり「保険内サービス」、つまり従来の基本的な「介護サービス」が軽視されてはいけません。

統計でも明らかなように多くの地域で高齢者人口はこれからも増えることが予想されています。

そのなかで必要なサービスを考えたとき、「保険内サービス」はやはり重要な介護サービスであることには変わりはないでしょう。

最適なサービス提供をしていくために、「保険内、保険外」といういわば「サービス供給者サイド」からの視点だけでなく「利用者サイド」の視点をもつことも重要ではないでしょうか。

※「(平成28年9月5日)介護分野に関する調査報告書について」資料の原本をご覧になりたい方はこちら↓
http://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/h28/sep/160905_1.html

著者:enjie

第6回介護研究会無事終了いたしました

9月13日 ウィンクあいちにて開催いたしました第6回介護研究会、多くの方に参加いただき誠にありがとうございました。

愛知県中小企業団体央会 愛知県中小企業団体央会 連携調査部 主事 神谷典宏様を講師に迎え、

  • 事業協同組合とは 事業協同組合とは ?
  • 事業協同組合の作り方 事業協同組合の作り方
  • 事業協同組合の活動例紹介

についてお勉強をいたしました。

後半は、ざっくばらんに懇談会をいたしました。

介護事業所にとって、現在(間違いなく将来も)もっとも重大な懸案事項のひとつは、人材不足です。

平成 27 年 6 月 24 日 に厚生労働省が発表した、『2025 年に向けた介護人材にかかる需給推計(確定値)について 』http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-12004000-Shakaiengokyoku-Shakai-Fukushikibanka/270624houdou.pdf_2.pdf

によると、2025年には介護職員が約38万人不足(現在は約12万人不足)します。

いままのままの求人の仕方では、特に小規模事業所は、ますます人材確保が困難になってきます。

また、介護報酬の減額等で介護保険だけの事業形態では、やはり経営が苦しくなってきます。

そのような状況の中、中小の介護事業所が集まって、事業協同組合を作り、

  • 共同で人材研修を行う
  • 共同で購買を行う
  • 本音のお悩み相談室を作る

など、自分たちの経営課題を解決できるコンテンツを構成する協同組合を作るご提案をさせていただきました。

皆さん真剣に聞かれており、積極的なご質問も多くいただき、興味の高さを感じました。
有意義な会だったと思います。

著者:enjie

「平成28年度厚生労働省第二次補正予算(案)の概要」について理解しておきましょう

「平成28年度厚生労働省第二次補正予算(案)」が閣議決定

今秋の臨時国会での審議・通過を前提に、8月24日(水)に閣議決定された「平成28年度第二次補正予算(案)」

厚生労働省が提出した予算案の総額は5、698億円、内、1億総活躍社会関連の予算が4,477億円(全体の約8割)で、その内訳は、

  1. 安心して子どもを産み育てられる環境の整備(626億円
  2. 介護人材の確保、介護離職防止の推進等(166億円)
  3. 社会全体の所得と消費の底上げや働き方改革の実現(3,685億円→低所得者に1万5000円の現金を配る施策が中心)

となっています。

「平成28年度厚生労働省第二次補正予算(案)の概要」の中から介護事業者に関連がある項目を抽出し、皆様にお伝えしてまいりたいと思います。

介護業界に関連する第二次補正予算(案)」の具体的内容とは

「平成28年度厚生労働省第二次補正予算(案)の概要」の中で、特に介護事業者がおさえておくべき必要があると思われる項目は、次の11点です。

先ずは、介護人財の確保・定着、地域包括ケアシステムの促進に関連する予算項目5点から確認してまいります。

【その1】介護人材についての再就職準備金貸付事業の拡充 (10億円)

いったん仕事を離れた人が再び仕事に就く際の再就職準備金貸付事業について、介護人材の確保が特に困難な地域において再就職準備金を倍増するなどの拡充を行う。

⇒現場を離れた人に戻ってきてもらう呼び水として設けられ、復帰を条件に最大で20万円を貸し付け、2年間にわたって仕事を続ければ返済を免除する仕組みの「再就職支援準備金」。今回の上積みにより、「人材の確保が特に困難な地域において、準備金を倍増(20万円→40万円)するなどの拡充を行う」という方向性が示されています。

自社の管轄自治体がどのような対策を講じるのか、要注目の情報です。

【その2】介護ロボットの導入支援及び導入効果実証研究事業(4億円)

介護施設等への介護ロボットの導入支援を行うとともに、介護ロボットを導入した場合の介護業務の効率化・負担軽減効果について実証検証を行う。

⇒昨年度の補正予算で約50億円もの予算が設けられた「介護ロボット等導入支援特別支援事業(※)」と比較すると小粒な動きに見えるかもしれませんが、生産性向上を目的として、国が「介護ロボット」の導入を促進・加速させたいという意向を持っている事は間違いありません、事業者としてもポジティブにとらえていく必要がありそうです。

※最大300万までの介護ロボット導入費用を10/10助成する事業。その後、申込過多により上限額を3分の1以下に減額。

【その3】介護サービスにおけるICT活用調査研究事業(2.6億円)

ICTの活用による介護事業所での事務負担軽減や生産性向上の効果について、事業者、保険者、システム関係等の有識者による検討やモデル事業を行う。

⇒「生産性の向上(業務効率・労働時間短縮)」「海外人材対応(日本語を話すことは出来ても書くことは難しい)」「未来の経済的可能性(アジア国等への輸出展開)」を視野に、特に運営記録関連書類のICT化は今後、益々促進されてくることは間違いありません。

事業者としてもこの動きに対応すべく、タブレットの導入等、ICT化に対して準備・本腰を入れていく必要があるでしょう。

【その4】介護人材の処遇改善に伴う財政安定化基金への特例的積増し(20億円)

介護人材の処遇改善を平成29年度から遺漏なく実施するため、保険料の上昇回避のための財政安定化基金への特例的積増しに要する費用について、補助を行う。

⇒来年度から開始される「介護職員の給与月額平均1万円底上げ」の為の予算です。

当然ながら全職員に等しく1万円支給しなければならない、という訳ではなく、あくまで「平均1万円の底上げ」を実現すればよい事を含め、本財源をどう自社の人事戦略に活用していくか、早めに検討・決定しておいた方が良いと思われます。

【その5】地域づくりによる介護予防推進事業(1億円)

地域づくりを通じた効果的な介護予防の取組事例を収集し、地域の実情に応じた住民主体の通いの場を全国に構築するための手法を分析・提示するとともに、住民に助言指導する都道府県等職員向けの研修を実施する。

⇒効果的な活動事例は草の根的に徐々に出始めているものの、まだまだ初動段階・暗中状態にあると言っても過言ではない「地域包括ケアシステム」。

是非、様々な情報を「見える化」「共有化」することで、活性化を実現していただきたく思います(これは現時点では「事業者」というよりも「自治体」の動きに紐づく予算です)。

続いて、施設整備に関する2点の予算について確認してまいります。

【その6】障害福祉サービス等の基盤の整備推進、防犯対策の強化(118億円)

障害者等のグループホームや就労支援事業所等の整備に要する費用について、補助を行う。また、障害者支援施設等の防犯対策を強化するため、非常通報装置・防犯カメラの設置や外構等の設置・修繕などの必要な安全対策に要する費用について、補助を行う。

【その7】高齢者施設等の防災対策等(44億円)

高齢者施設等の防災対策を推進するため、スプリンクラーの整備、耐震化等に要する費用について補助を行う。

また、防犯対策を強化するため、非常通報装置・防犯カメラの設置や外構等の設置・修繕などの必要な安全対策に要する費用について、補助を行う。

⇒特に「防犯対策強化」に関しては、やはり、相模原の事件が大きく影響しているのでしょう。

最後に「雇用(管理)」の観点から4点の予算を確認してまいります。

【その8】介護離職防止のための支援(介護離職防止支援助成金(仮称))(11億円)※特別会計

仕事と介護の両立に資する職場環境整備に加え、労働者の円滑な介護休業の取得・職場復帰や介護のための時差出勤制度などを実現した事業主を支援する。

【その9】生活保護受給者等を雇い入れる事業主への助成措置の創設 (制度請求)

ハローワーク等の紹介により、継続して雇用する労働者として生活保護受給者等を新たに雇い入れた事業主に対し、助成金を創設する。

【その10】キャリアアップ助成金の拡充 制度要求(制度請求)

中小企業において有期契約労働者等の賃金規定等を改訂し、3%以上増額した場合、生産性向上を加味し、助成額の加算を行う。

【その11】65歳超雇用推進助成金(仮称)の創設 (6.8億円)※特別会計

65歳以上への定年の引上げ、定年の廃止、希望者全員を対象とする66歳以上の継続雇用制度の導入のいずれかの措置を実施した場合に、当該措置の内容に応じて一定額を助成する65歳超雇用推進助成金(仮称)を創設する。

戦略的視点で取り組み検討を

国が「予算を確保する」ということは即ち、「国としてこの分野・テーマに注力する(=お金をかける)」ということと同義であり、その意味においても、特に上記11点の情報・視点は、介護事業者として要注目すべき情報であることは間違いありません。

是非、戦略的視点を持ちつつ、「この情報をどう活用・取り込み出来るか?」という発想で、社内で検討されてみることをおススメ致します