行政書士事務所エンジー
中小企業診断士エンジー
地下鉄名城線 東別院駅 徒歩1分
営業時間 平日:8:30-17:30
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介護事業所にとって現在の最大の経営課題は人材募集と定着ではないでしょうか。
弊社では50社近い介護事業所・障害福祉事業所のお客様とお付き合いさせていただいておりますが、社長様の一番の悩みは人手不足です。
スタッフが退職するので人材募集しても、ほとんど応募がない。
仕方なく人材紹介会社を活用して採用したが、すぐに辞めてしまい、高額な費用だけ払わせられた・・・といったような内容が非常に多いです。
しかし、中には、スタッフが辞めない(スタッフが辞めないことが最大の人手不足対策です!)、また、必要なときはスタッフが知り合いを紹介してくれたりする事業所もあります。
一方で、スタッフが辞め、新たな採用もできなくて、やむ無く倒産される事業所があることも事実です。
上記データは介護事業所の倒産件数の推移です。
廃業したり身売りしたりしたケースはこの何倍にも及ぶと言われております。
また、人手不足は今後年を追うごとに増していきます。
では、今後の人事戦略を考えるにあたり、どのような事業所になるべきなのでしょうか。
まずは、今後の労働力人口の予測を見てみましょう。
15歳~64歳の2020年時点での人口6,404万人であり、2030年には5,880万円となり、
524万人減少することとなります。
また、厚生労働省によると、介護職員の必要数は2025年で34万人不足すると予測されております。
労働力人口が減少し、かつ介護職員必要数が増えていきますので、人材採用は今後ますます厳しくなり、恐らく倒産する件数も増えていくと思われます。
つぎに、転職を考えるきっかけをみてみましょう。
下記は『エン転職』年ユーザーアンケート調査結果です。
大きく分けると、
に分けられます。
これらから分かるように、退職者の穴埋めのために多額の費用を使って新規採用をしても、上記のような、経営的な根本を見直さない限りスタッフの定着は難しく、またすぐに辞めてしまうという悪循環の繰り返しとなってしまいます。
そして最悪の場合倒産となってしまうかもしれません。
理想を言えば、労働条件がよく、仕事へのやりがいがあり、キャリアアップもでき、会社の将来性に関する明確なビジョンがあり、人間関係が良好な会社に入りたいと誰もが思っているということです。
一言でいえば、誰もがホワイト企業に採用されたいのです。
誰もブラック企業には採用されたくありません。
ただ、人によって価値観が異なるため、自社が目指す会社が理想かどうかは一概には言えません。
どんなに努力しても、すべての人にとってのホワイト企業になることは不可能ということです。
従って、貴社が目指すホワイト企業になるように戦略的に体制を整えて、その理想に共感していただける方を採用すれば、すぐに辞めてしまうリスクが減ります。
しかし、すぐにそのようなホワイトな事業所になることは、費用やマンパワー面等によって難しいことは誰でも容易に理解できますし、労働者側にしても、そのようなホワイトな事業所が多く存在しているなんて誰も思ってはおりません。
では、よい人材は、貴社のどのような内容を見て応募しようとするのでしょうか?
それは、貴社が理想とする会社像が明確であり、その理想像に向かって、実際に動いていることが見えている事業所です。
また、介護業界はまだブラックだと思っている人が多いので、それを払しょくする努力も必要です。
下記は、三菱UFJリサーチ&コンサルティング(新入社員意識調査アンケート結果)による、新入社員が、会社を選んだ基準です。
当然ですが、会社を辞めた理由の裏返しですね。
では、どのようにして「雰囲気がよい」とか「仕事のやりがいがある」などが分かるのでしょうか。
中小企業の場合、効果的にこのようなことが把握できる内容が外部発信されていないため、なかなか募集しても人が来ない、ということは容易に推測できますね。
外部に発信するには、①発信する媒体と②発信する内容が必要です。
今の時代、発信する媒体はたくさんあります。
自社ホームページ、ブログ、LINE、facebook、instagramなど、その気になればいくらでもあります。
問題は、発信する内容がない、あったとしても、どのように具体化すればよいか分からない、ということではないでしょうか。
従って、前述しましたとおり、貴社のホワイト企業とする会社像を明確にして、その理想像に向かって、実際に動いていることを具体的に見せることが重要なのです。
ひいては社員の採用につながっていきます。
貴社にとってホワイトな会社の定義と明確なゴールを決めましょう。
と言われても、具体的にどうすればよいか分からないですよね。
そこで、ホワイト企業認定マークの取得を目指されてはいかがでしょうか?
このマークを取得することで、貴社はブラック企業ではないということはを明確に発信することができます。
企業のホワイト化を総合的に評価する国内唯一の認定制度です。
“次世代に残すべき素晴らしい企業”を発見し、ホワイト企業認定によって取り組みを評価・表彰する仕組みです。
人々がそれぞれの個性と特徴を活かしながら、「家族に入社を勧めたい次世代に残していきたい」企業を指し、具体的には下記の3要素を併せ持っている企業です。
そのため、下記の6つの項目において一定以上の取り組みをされている企業が認定されます。
現在(2019年4月時点)で144社が認定されております。
また、実際、ホワイト企業認定企業になったことで、2017年の新卒エントリー100名が2019年は505名になった事例がございます。
ホワイト企業認定をされますと1年後の更新時に15万円の費用がかかり、以後同様となります。
ただ、実際、前述した6つの項目すべてにおいて、一定以上の点数がとれる体制をすぐに整えられる企業はほとんどありません。
そのため、現在、ホワイト企業認定取得に向けて取り組んでいる事業様向けに、チャレンジホワイト企業マークを利用することができます。
名刺やHPでの掲載や社内での改善活動のPR、また求人広告などにご利用いただくことができます。
また、コンサルティング契約がされている場合には、認定や更新に関する費用は必要ありません。
また、ホワイト企業認定に向けてチャレンジしていることを具体的に外部発信することで、よりよい人材を採用することができる事業所になると思われます。
弊社は、社会保険労務士事務所として20年近く活動しており、10人程度で組織的に組織的に経営している会社です。
専門職ではありますが、個人の能力に負うのではなく、組織としての能力でお客様にサービスを提供することをモットーとしております。
また、近年は、社会保険手続きや労務相談、助成金だけでなく、人事評価制度、経営コンサルティングに力を入れております。
そのコンサルティングのひとつとして、ホワイト財団による認定コンサルタントとして活動しております。
貴社の問題点をヒアリングし、貴社が「次世代に残すべき素晴らしい企業=ホワイト企業」になるべく具体的な提案をし、全力でサポート致します。
弊社のホワイト認定コンサルタントにおける想いは、下記URLを参照下さい。
https://jws-japan.or.jp/consultants/%e7%a6%8f%e7%94%b0%e3%80%80%e5%89%9b%e5%b9%b4/
今年1月7日に、東京商工リサーチから2019年「老人福祉・介護事業」倒産状況
というレポートが発表されました。
https://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20200107_01.html
すでにお読みになられた方もおられるとは思いますが、思ったことを記載いたします。
お客様の中でも人材に困っていない事業所がございます。
なぜなんだろうと考えてみました。
原因の最大は、賃金が安いことです。
ただ、処遇改善加算Ⅰを受給すると相当な金額になります。
これらの金額を、優秀な人材の採用と定着につながるように活用すべきです。
人材が定着している事業所は、どのような人に幾ら支給するのかという基準をしっかり決めて、スタッフに公表しております。
もちろん、通常の賃金と処遇改善加算分は明確に区別できるように、項目を分けていることはいうまでもありません。
また、このレポートにもありますが、二極化が進んでいることは実感としてあります。
上記は処遇改善加算の配分のお話しをいたしましたが、実際に事業所の制度として実施するにはそれだけではすみません。
賃金表を作成し、人事考課表を作成し、面談をしっかりと定期的におこなう必要があります。
貴社の身の丈にあった人事制度(キャリアアッププラン)が必要ということになります。
また、人材が定着している事業所の特徴としては、研修をしっかり行っております。
社風としましては、管理者(または社長)とスタッフの距離感が近い事業所です。
コミュニケーションがしっかりとれているので、スタッフの不満や懸念事項が早めに把握できるのでしょうね。
その他、福利厚生や研修計画、経営計画をスタッフと一緒に(または意見を取り入れて)作成したりもしております。
やり方は事業所ごとに様々ですが、結局のところ、スタッフ定着には王道を進むしかないということですね。
レポートの中で、“小・零細規模の倒産が大半を占めた。”とあります。
介護業界だけでなく、どの業界でも規模が小さくなるほど人材採用が難しくなっております。やはり、応募者としては、大きな会社で安定的に働きたいのでしょうね。
分かる気がします。
では、小・零細規模事業所はどうすればよいのでしょうか。
人材広告を出しても恐らく応募はほとんどないですよね。
実際そのような規模で人材に困ってない事業所は、現在のスタッフが新たなスタッフを紹介してくれているのです。
従って、紹介したくなる事業所にならなければならないということです。
弊社は、スタッフが定着する組織を作るお手伝いをさせていただくことができます。
ご興味がございましたらご連絡下さい。
2019年12月16日の介護保険部会にて素案が提示された、「介護保険制の見直しに関する意見(素案)」(以下、「本資料」という)。本部会では2021年度介護保険法改正・報酬改定に向けた論点整理、及び視点の提示が行われ、弊社としてもその議論内容を都度、皆様にも共有させいただいてまいりました。
今回はあらためて介護事業経営にとって重要だと思われるポイント、加えて現時点で認識しておいた方が良いと思われる内容を抜粋し、皆様にお伝えさせていただきたく思います。
では、早速、中身を確認してまいりましょう。先ずは一つ目の論点についてです。
今後、いわゆる「生産年齢人口」が各地で減少する中、この“就労”“社会参加”というキーワードは「職員側」「ご利用者側」双方の視点において我々の業界においても大変大きな意味を持ってくるものと思われます。
この“就労”“社会参加”というキーワードを何らか自社に取り組んでいくことが出来ないか、経営者の皆様には頭に置いておいていただきたく思います。
続いて、2点目のポイントに移ります
「地域のすべての高齢者との接点をつくり、各々個別に適宜、必要な支援を提供していく」地域包括ケアの要諦の一つとも言えるこのコンセプトを実現していくためにも、「通いの場」の重要性はますます高まることになるでしょう。
また、“町づくりへの貢献”を標榜する事業者にとっても、この領域は中長期的な視座に立って取り組みを検討すべきテーマかもしれません。心に引っ掛かりを覚えられた方は是非、頭に留めておくべき情報かと思います。
続いて、3番目のポイントに移ります。
“朗報”という理解も成立しますが、一方では、「要介護1・2の方々の地域移行」の前哨戦、という見方も出来るかと思います。
また、サービス単価や事業規模の弾力化が図られない中で、どこまで比較的高単価(総合事業と比べて)な要介護者の受け入れが可能になるか等、周辺環境の動きにも注視しておく必要があるでしょう。
では、4番目のポイントに移ります。
「質の高いケアマネージャーには相応の処遇改善が行われる」是非、そのような好循環を生み出してほしいものです。それでは、5番目のポイントに移ります。
「外部委託を行いやすい環境の整備」是非、予防ケアマネジメントにかかる労力と整合性のつく単価設定についても検討いただきたいものです。それでは、6番目のポイントに移ります。
「通いの場への高齢者参加率」や「要介護認定基準時間の変化率」「要介護認定者の変化率」等々、今後、具体的な定量実績が計測できるアウトカム指標への配点が高くなったりを含め、成果創出への意欲が向上されるような取り組みが強化されてくるものと思われます。
もしそうなった場合、自治体の要介護認定マネジメントはどのように変化するのか・しないのか、、、、予め自保険者の目線に立った対応予測を立てておいた方が宜しい情報かと思われます。
それでは、7番目のポイントに移ります。
過去には「情報収集に協力してくれる事業者には相応のメリット(加算etc)が準備されるのでは?」という話も出てきています。
基本指標としてADL関連はバーセル・インデックス、認知症関連はバイタリティ・インデックスやDBD13等が活用されるとのこと、事業者としても早めにそれら評価指標に慣れておいた方が宜しいかもしれません。
続いて、8番目のポイントに移ります。
サービス付高齢者向け住宅には「外部の目」が入る仕組みが既に整備されていますが、住宅型有料老人ホームにはまだそこまでの仕組み・体制が整備されていないのが現状です。
高齢者住宅における、いわゆる“囲い込み”の問題も疑問視される中、特に住宅型有料老人ホーム事業者としては頭に置いておいた方が良い情報かもしれません。
それでは、9番目のポイントに移ります。
2019年10月にも大きな処遇改善が実施されましたが、更なる拡充施策が展開されるのか、、、注視しておきたいところです。
それでは、10番目のポイントに移ります。
「(普及に向けての)事業者への支援」とは果たしてどのようなものなのか?導入助成金?加算?それとも(ITを促進している企業に対する)認証評価?これからの議論の動向を注視しておく必要があるでしょう。
それでは、11番目のポイントに移ります。
特に上記下線部分の定義・認識が重要だなぁ、とあらためて感じた次第です。それでは、12番目のポイントに移ります。
大きな枠組みの議論となるため、引き続き、情報を注視していくべき内容かと思われます。
それでは、13番目のポイントに移ります。
この制度が導入されれば非常に画期的だな、と感じる一方、既存の考え方とは相容れない仕組みであることも理解できるところです。
現時点では実現の可能性は極めて低そうな印象ですが、こちらも今後の流れを追いかけてまいりたいと思います。
それでは、14番目のポイントに移ります(こちらは目を通しておく程度で十分かと思われます)。
最後に、15番目のポイントを確認しておきましょう。
「住所地特例対象施設から同一市町村のグループホームに移る場合に限り、例外として住所地特例が適応される」そんな改正案が出される可能性もなくないかもな、と感じた次第です。
以上、今月は「介護保険制度の見直しに関する意見」の内容についてお伝えしました。
この資料により、2021年の法改正・報酬改定へ向けての大きな方向性は概ね示されたと思われます。
今後の手続きとしては、議論は介護給付費分科会へと引き継がれ、より細かな改正法案・改定報酬案に関する審議が展開されることになります。
経営者・幹部の皆様は是非、ご自身でも情報を追いかけていただくと共に、制度の活用は重要である一方、そこにばかり心が奪われ、結果、制度に振り回される、ということがないよう気をつけていただく必要もあるかもしれません。
いずれにせよ2018年の改正・改定へ向け、2020年はさらに具体的な議論が始まります。
我々もしっかりと追いかけ、タイムリーな情報提供を心掛けてまいりますので、引き続きよろしくお願い致します。